消費税をめぐる情勢と増税発言
消費増税反対600万超 各界連署名 日ごとに広がる
2009年4月27日 赤 旗
消費税廃止各界連絡会のとりくむ消費税増税に反対する署名が600万人を突破しました。同連絡会は「1日も早い1千万人を」とよびかけています。
「経済危機対策」などのつけを「3年後」の消費税増税でまかなう麻生内閣に国民の怒りは増し、署名は日増しに広がっています。
消費税廃止各界連絡会が24日に東京・JR新宿駅西口でおこなった宣伝署名行動。56歳の男性は、「生活が苦しくなっているのに、なぜ消費税を増税するのか」と署名。50歳代の女性は、請願署名にある「緊急に食料品などくらしにかかる消費税を減税する」の項目をみて「大賛成」とペンを走らせました。「一時的な定額給付金をもらっても、消費税が増税されたら、もっと支出が増えてしまう」と70歳の女性は強い口調で怒りを示しました。
共同通信社の世論調査(2月)では、2011年度までに必要な法整備をし、経済状況を見極めた上で消費税を引き上げる麻生内閣の方針に、68・5%が「評価しない」と回答。「読売」調査(2月)でも「評価しない」が61・6%で、6割を超える国民が消費税増にノーを示しています。
各界連の構成団体である全国商工団体連合会は一貫して消費税増税に反対する署名に取り組み、256万人を超えています。各界連などでは昨年11月、500万人を超し、この間に100万人分が増えました。月20万人のペースです。
11年消費増税 「総選挙公約に」
自民・石原幹事長代理
2009年4月23日 朝 日
自民党の石原伸晃幹事長代理は22日、東京都内で開かれた公開討論で、次期総選挙のマニフェスト(政権公約)について「消費税を11年に増税することが入る」と述べた。景気回復後の消費増税を主張する麻生首相の持論を踏まえた発言とみられる。学者や経済人などでつくる「21世紀臨調」(代表・佐々木毅元東大学長ら)の公開討論で述べた。
石原氏は、民主党が過去に消費増税を訴えていたのに小沢代表になってから事実上撤回していることを指摘し、「整合性はどうするのか」と批判した。
マニフェストを作成する自民党内の組織については「政調会が中心になって政策を取りまとめ、それを選挙の責任のあるところで化粧直しをするのが望むべき方向だ」と述べ、菅義偉選対副委員長が作成を主導することにはならないとの考えを示した。
消費税で借金の後始末
中期プログラム改訂 佐々木議員が批判
2009年4月22日 赤 旗
日本共産党の佐々木憲昭議員は21日の衆院財務金融委員会で、政府が「経済危機対策」に盛り込んだ税制「改革」の「中期プログラム」の改訂について、「国の借金の後始末に消費税を充てるための改訂だ」と厳しく批判しました。政府が27日に国会提出することを確認した補正予算案は歳入で、国債を10兆8200億円追加発行するとしています。
「中期プログラム」(昨年12月24日閣議決定)は、社会保障のために「消費税を主要な財源として確保」するとしていました。
ところが、10日に閣議決定した政府の「経済危機対策」では、「中期プログラム」の改訂を明記。与謝野馨財務省は14日の記者会見で、「相当な規模の補正予算になる。『中期プログラム』でどう後々始末をつけていくかも考えなければいけない」と発言しています。
佐々木氏は、2009年度税制「改正」法の付則に、消費税増税と法人税減税を方向が明記されていることをあげ、「中期プログラム」の改訂は、「消費税増税の目的をさらに広げ、財政赤字の穴埋めにも使おうとするものだ」と強調しました。
与謝野氏は「歳入全体にわたり、どういう方向で考えていくのかということは、大変重要な問題だ」と答弁。その意図を否定しませんでした。
佐々木氏は「きわめて重大な問題だ。社会保障財源に消費税を充てることにも反対だが、財政赤字のツケを国民に回すやり方は絶対許すわけにはいかない」と批判しました。
国民年金法改定案を可決
共産党反対 財源に消費税増税
2009年4月18日 赤 旗
基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げる国民年金法改定案が17日の衆院本会議で与党の賛成多数で可決されました。日本共産党をはじめ野党4党は反対しました。
改定案は、2分の1に引き上げることから、2011年度までの2年間は財政投融資特別会計(いわゆる「埋蔵金」)で引き上げに必要な財源を確保し、それ以降は消費税増税を含む税制改悪による財源確保を打ち出しました。
本会議可決に先立つ厚生労働委員会で日本共産党の高橋ちづ子議員は、反対討論を行い、2分の1への引き上げを今日まで先送りしてきたことを批判。「年金財源は消費税の頼らず、無駄遣いや軍事費を削減し、大企業や高額所得者に応分の負担を求め財源を確保すべきだ」と主張しました。
高橋氏は、国庫負担割合を引き上げの財源確保のためとして政府・与党が行なってきたのは、「定率減税の廃止、老年者控除の廃止、公的年金等控除縮減による庶民増税だった」と指摘。それにもかかわらず、実際の引き上げにあてられたのは「増税分の2割弱に過ぎない」と批判。2年後の消費税増税による財源確保は、「社会保障の財源としてはもっともふさわしくない」と批判しました。
本会議では、社会保険庁の記録ミスで支払いが遅れた年金に物価上昇分を加算する法案と、社会保険料の延滞利息を軽減する法案が、全会一致で可決されました。
イギリスの調査機関 消費税減税で売り上げ増
2009年4月16日 赤 旗
【ロンドン=小玉純一】 英民間調査機関の経済ビジネス調査センター(CEBR)は、付加価値税(消費税)減税が昨年12月からの3カ月で小売業の総売上高を増やすのに役立ったと指摘しました。英紙フィナンシャル・タイムズは13日付などが伝えました。
英政府は景気刺激策の一環として、昨年12月1日から今年末まで消費税率を2.5%引き下げ15%としました。英国は1980年以降で最も厳しい景気後退に直面しています。
小売の売り上げは前年同月比で11月が1.6%増でしたが、減税後の12月が2.6%、1月が3,2%、2月が3%それぞれ増となっています。
CEBRは「数字は明らかだ。付加価値税減税は効果がある。減税後、売り上げがすぐに増えた」と述べました。CEBRは、2010年初頭の税率再引き上げがぜい弱な景気回復を抑制してしまうとして、減税の6カ月延長を主張しています。
国際通貨基金(1MF)高官などは付加価値税減税の効果はないと主張していますが、英国の有力シンクタンク・財政研究所は1月、「減税をしなければさらに景気が悪化していただろう」と指摘しました。
中期プログラム改定へ
追加景気策に明記 緊縮路線より強調
2009年4月11日 読 売
政府・与党が10日決定した追加景気対策の中で、税財政改革の道筋を示す「中期プログラム」を見直す方針を明記したのは、対策の規模が過去最大となり、財政再建の重要性を従来以上に強調することが必要と判断したためだ。
与謝野財務・金融・経済財政相は同日の記者会見で、「大きな支出となるので健全な財政のための考え方を盛り込まないと全体のバランスが取れない」と説明。政府は6月にまとめる2009年度の「経済財政改革の基本方針」(骨太の方針)に合わせてプログラムを改定する方針だ。
対策には「必要な改定を早急に行なう」との文言を盛り込んだものの、具体的な方策は明示していない。ただ、政府が狙うように現在のプログラムより緊縮財政の方向へ改定するのは、実際には難しいとする見方も出ている。今回の対策によって、現在のプログラムが前提としている「国と地方の基礎的財政収支を11年度から黒字化する」という政府目標が達成できない可能性が強まっているからだ。
対策の財政確保には10兆円規模の国債の追加発行が必要。09年度の国債発行額は40兆円を超えて史上最高となる見込みで、11年度の目標達成はほぼ不可能だ。
麻生首相は9日の記者会見で「(黒字化目標を)やめると言うつもりはない」と語った。しかし、政府内では「放漫財政に歯止めをかけるには新たな目標が必要」(財務相幹部)として、国の債務残高のGDP(国内総生産)比の上昇をストップさせて一定の数値で均衡させる新目標などが浮上している。
中期プログラムのポイント
○ 消費税を含む抜本改革。2011年度までに法制上の措置。
○ 実施時期は景気回復の状況などを見極めて判断
○ 消費税収はすべて年金・医療・少子化対策費に
財政改革
○ 2010年代半ばまでに持続可能な財政構造を確立
○ 経済状況の好転後は厳格な財政規律を確保
○ 非社会保障部門は規律を拡大しないことを基本
追加経済対策15兆円 きょう政府決定
政策転換ないバラマキでは暮らし・景気に役立たない
2009年4月10日 赤 旗
志位委員長が゙会見
日本共産党の志位和夫委員長は9日の会見で、政府が10日にまとめたる追加経済対策について問われ、「部分的な改善の内容もあるが、全体として2つの大きな問題点がある」と指摘しました。
第一の問題は、「従来の政策の反省と転換がないまま、選挙目当てのばらまきが目立つ」ことです。志位氏は、後期高齢者医療制度や障害者自立支援法の「応益負担」、社会保障の年2,200億円削減路線などの根本には、指一本触れようとしていないことを強調。「こういうやり方では、本当の意味で、暮らしにも景気にも役立たない」とのべました。
第二の問題は、「財源を赤字国債に頼っている」ことです。志位氏は「経済対策というさいに、米軍への『思いやり予算』をはじめとする軍事費など、さまざまの浪費をなくし、大資産家や大企業に応分の負担を求めることによって、財源的手当てを示していこことが重要だ」と強調。そして、「今の政府の路線では、2年後に消費税の値上げが“出口”であることは明らかだ」と指摘し、「“入り口”は国民受けを狙った“ばらまき”だが、“出口”は消費税の大増税だ」と批判しました。
志位氏は、「大企業による雇用破壊や社会保障削減路線をやめるなど根本的な政策転換を行い、国民の生活を守る姿勢を明確に打ち出してこそ、暮らしと景気に役立つものになる」と強調しました。
15兆補正 きょう決定
2009年4月10日 朝 日
政府・与党は10日、過去最大の約15兆円の09年度補正予算案を含む新経済対策(経済危機対策)を正式決定し、麻生首相が記者会見して発表する。対策に含まれる補正予算案と贈与税減税などのための税制改正関連法案は、大型連休前の27日に国会に提出し、成立をめざす。
対策案の中では、昨年末に閣議決定し、消費増税の道筋を示した「中期プログラム」について「必要な改訂を早急に行なう」とした。大型補正で財政が大幅に悪化することから、安定財源確保の必要性を盛り込む方針で、景気回復を前提に11年度の消費増税を明記した根幹部分は変えない見通しだ。
ただ与党内では、政府が事前の調整抜きで「改訂」を盛り込んだことに不信感が広がっている。公明党は9日の政調全体会議で、中期プログラムの部分だけは了承を見送った。政府・与党内で混迷を極めてやっと決着した問題だけに、政府・与党内の火種になる可能性もある。
麻生政権の経済政策 “後始末は消費税増税”
伊吹元財務省が明言
2009年4月4日 赤 旗
自民党の伊吹文明元財務省は3日、都内で開かれた伊吹派の政治資金パーティーで、「今度通った税法の付則には、われわれは景気が回復すれば、必ず税制改正を行なうことによって、いま借金をつくってでもやる経済政策の後始末をするということを明確にしている」と述べました。
消費税増税を含む税制「抜本改革」で麻生政権が行なう経済政策のツケを払うことが、3月に成立した税制「改正」関連法の目的であると認めたものです。
同法の付則には、2011年度までに消費税増税法案を国会で通すことが盛り込まれています。
衆院本会議 年金法改定案審議入り
自民 消費税増税を念頭に 民主 財源は一言も触れず
2009年4月1日 赤 旗
衆院本会議は31日、国民年金法等改正法改定案の趣旨説明と質疑を行いました。
改定案は、基礎年金の国庫負担割合を2009年度から2分の1に引き上げるためのものです。財源は、09年度と10年度は財政投融資特別会計からの繰り入れでまかない、11年度以降は、「税制の抜本的な改革により所要の安定した財源の確保を図った上で2分の1への引き上げを恒久化する」としています。
同案は「税制の抜本的な改革について、11年度までに消費税増税を成立させる方針を示した09年度税制「改正」法の付則によるとし、消費税増税による財源確保を念頭においておきます。
質問にたった自民党の上川陽子議員は、改正案は、「財源が明示されていない」とのべ、11年度以降の財源確保策を示すことを求めました。
舛添要一厚労相は、「税制抜本改革の実施により年金制度を含む社会保障の安定財源を確保する必要がある」と答弁。消費税増税を視野に入れていることを明らかにしました。
民主党の長妻昭議員は、同党の年金改革案を自賛しましたが、その財源については触れませんでした。舛添厚労相は答弁のなかで、政府が04年に実施した年金「改革」について「政府として『百年安心』とはうたったことはない」と発言しました。
財政出動のツケは消費税増
麻生首相 追加経済対策で強調
2009年4月1日 赤 旗
麻生太郎首相は31日、2009年度予算の成立を受け、首相官邸で記者会見しました。首相は、「なお日本は経済危機ともいえる状況にある」などとして、09年度補正予算案を今国会に提出し、成立させる考えを明らかにしました。
首相は会見に先立ち、政府・与党に補正予算案編成を前提とした追加経済対策を4月中旬までにまとめるよう指示しました。
首相は会見で、追加対策に関し、「これまでにない財政の出動」を強調。2011年度までに消費税増税をめざす立場には変わりがないことをあらためて述べた上で、「大胆な財政出動を行なうからには、財政に対する中期的な責任をきちんと示すことが責任ある政府・与党の原点だ」とし、財政出動のツケを消費税増税でまかなう姿勢を見せました。
補正予算案については、提出の時期と規模は「対策の内容次第だ」」と指摘。「出した以上はできるだけすみやかに成立させるよう最大限努力していきたい」と話しました。
解散・総選挙の時期については「(野党が)補正予算にどういう対応に出てくるかだ」と強調。「反対であれば(衆院の再議決を)60日を要してでもやるのか、(審議を)打ち切ってでも選挙すべきなのか、そのときの状況で判断する」と述べました。

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