消費税をめぐる情勢と増税発言
消費税に頼らない責任ある財源論か
消費増税にしか“出口”ない財源論か
総選挙 重大争点に浮上
志位委員長が会見
2009年7月31日 赤 旗
総選挙の投票日(8月30日)まで1カ月となった30日、日本共産党の志位和夫委員長は、記者団の求めに応じて党本部で記者会見し、総選挙の争点について問われて、「各党がマニフェスト(政権公約)で約束した政策を実行する裏づけとなる責任ある財源を示しているかが重大な争点として浮かび上がっています」と述べました。
志位氏は、日本共産党が@軍事費など歳出のムダを削減するA大企業・大金持ちへのゆきすぎた減税を是正するーーという2つの歳出・歳入の改革を行い、合計12兆円の財源がつくれると提起していることを指摘。「この改革をしっかりやれば、消費税の頼らなくても暮らしを支える財源はつくれます」と強調しました。
一方、自民党のマニフェストについて問われた志位氏は、「自民党は消費税の増税を正面から打ち出しています。軍事費にも大企業・大金持ち減税にも手をつけず、結局(財源は)消費税しかないということを絵に描いたようにあらわしています」と指摘しました。
さらに民主党のマニフェストについて当面は手をつけないといいつつも、議論は進めるといいはじめました。軍事費、大企業・大金持ち減税は『聖域』にする立場です。だから結局、消費税の増税にいきつかざるをえないということになっています。実際、マニフェストを見ても『年金財源』として消費税増税が必要という立場です」と述べました。
そのうえで志位氏は、「財源問題は、軍事費と大企業・大金持ち減税という2つの問題にメスを入れられるどうかに試金石があります。ここにメスを入れられるかどうかは、その党の政治姿勢の根本が問われる問題です」と強調。「消費税に頼らない責任ある財言論を示す党か、それとも軍事費と大企業という分野を『聖域』にして結局、消費税増税にしか“出口”がない財源論になる党かが、今度の選挙で大きく問われてくると思います」と述べました。
日本共産党の総選挙政策
財源 「聖域」にメス入れ12兆円
2009年7月29日 赤 旗
どの政党も「歳出のムダをなくす」などといいますが、本当にそれを実行するというなら「軍事費」と「大企業・大資産家の優遇税制」という2つの「聖域」に切り込むことが必要です。
日本共産党は、税金のムダづかいをなくすことと、大企業・大資産家へのゆきすぎた減税を見直すことで財源を生みだし、それを社会保障充実など国民のくらしと権利の向上に回します。
軍事費や大型公共事業など歳出のムダを削減すれば5兆円以上、この間の大企業や大資産家へのゆきすぎた減税を元に戻すことや証券優遇税制の廃止などの税制改革を実行すれば7兆円以上、あわせて12兆円の財源を生みだすことができます。
自公政権は「福祉のため」といって11年度までの消費税増税を主張していますが、こうした改革を実行すれば消費税増税は必要ありません。
日本共産党は、貧しい人ほど負担が大きくなる消費税増税に反対し、食料品非課税など消費税の減税に踏み切ります。
幼児教育 無償化明記 自民公約 消費税上げ準備
2009年7月29日 読 売
自民党の衆院選政権公約(マニフェスト)案の全文が28日明らかになった。今後4年間で3〜5歳児の幼児教育を無償化すると明記したほか、返済義務のない給付型奨学金の創設などを盛り込んだ。財源に関しては「消費税を含む税制を見直す準備を進める」とした。安全保障分野では、集団的自衛権の行使はできないとする政府の憲法解釈の見直しを検討するとした。内政、外交両面で「政権政党の責任」を強調したのが特徴だ。
【中略】 生活支援策としては幼児教育の無償化、給付型奨学金の創設のほかに、低所得者の授業料無償化なども盛り込んだ。
社会保障分野では年金記録漏れ問題を「来年末をめどに解決」とした。「財源のない『高福祉』ではなく『中福祉・中負担』こそ現実的」とも強調し、消費税を含む税制を見直す準備を進め、「消費税は社会保障、少子化対策へ特化」と明記した。後期高齢者医療制度は「現行の枠組みを維持しながら、改善・見直しを行なう」とし、低所得者について外来患者の窓口負担の上限額を半減させるとした。【後略】
消費税依存抜け出せ 総選挙に向け主張
NHK日曜討論 小池政策委員長
2009年7月27日 赤 旗
日本共産党の小池晃政策委員長は26日放送のNHK「日曜討論」に出席し、総選挙にどう臨むか、各党代表と討論しました。小池氏は「待ちに待った選挙。自民・公明の政権を終わらせる選挙にしなければならない」と述べたうえで、共産党の政策や財源についての考えを明らかにしました。
「総選挙で何を目玉として訴えるのか」問われた小池氏は、▽労働者派遣法の抜本改革▽後期高齢者医療制度の廃止▽高齢者・子どもの医療費の窓口負担無料化と高校授業料無償化――などをあげました。
財源化にかかわって自民党の石原伸晃幹事長代理が「恒久財源にするなら、やはり消費税」と発言したのに対し小池氏は「(消費税の問題は)今度の選挙で徹底的に議論しなければならない」と問題提起しました。
小池氏は、消費税について「子育て世代や生活保護を受けている家庭にとって一番重い税金だ」と述べ、社会保障財源を口実に、すぐに消費税を持ち出す政治から「抜け出さなければならない」と主張。欧米では「消費税の税率を下げて、所得税の最高税率を上げるという議論が始まっている」と紹介しました。【後略】
岡田幹事長 消費税議論否定せず
民主 政権公約きょう発表
2009年7月27日 読 売
民主党の岡田幹事長は26日、衆院選後に民主党が政権を獲得した場合、消費税率引き上げのための議論を政権誕生から4年以内に行なう考えを示した。同党は消費税率引き上げの議論を4年間は凍結する方針を示していたが、これを軌道修正した形だ。
消費税率を巡っては、同党の鳩山代表が5月の代表選で、「4年間は議論の必要はない」と主張していた。これについて岡田氏は26日、岡山市で記者団に対し「(鳩山氏は)最近はそう言っていない。経済状況がこれだけ厳しい中で消費税引き上げの議論をすべきではないが、4年間(議論を)すべきでないということでは決してない」と語り、引き上げの論議は必要だとの認識を示した。
ただ、岡田氏は「引き上げるときはあらかじめ政権公約(マニフェスト)に書いて、国政選挙で国民の審判を経る。この任期の間に上げることはない」と述べた。民主党が27日に発表する衆院選のマニフェストでは、年金制度の改革の項目の中に「消費税を財源とする最低保障年金を創設する」との記述があるものの、消費税率引き上げについては言及していない。
同党の藤井裕久最高顧問も26日のテレビ朝日の番組で「4年間議論さえするなというのは全く間違いだ。(将来の税率引き上げは)当たり前だ」と指摘した。【後略】
消費税は基幹税 民主・藤井氏
2009年7月27日 赤 旗
民主党の藤井裕久最高顧問(前衆議院議員)は26日のテレビ朝日系番組で消費税増税について、「(今後消費税を上げるのは)当たり前だ。年金財源として現役だけから負担を求めるのはダメで、広く薄く求めていく。消費税は基幹税だ。(政権交代後の)4年間に『議論さえするな』というのは間違いで、議論はするし、(ムダ削減ができれば、税率を)上げようと言っている」と述べました。
藤井氏と一緒に出席した自民党の与謝野馨財務相は「民主党は(消費税増税を)4年間はやらないといい、麻生さんは3年間はやらないというが、同じようなもの」とのべました。
民主政策集 給与所得控除に制限
2009年7月23日 読 売
【前略】 消費税については税率5%を維持するとしながらも、将来的な税率について、社会保障目的税化や基礎的社会保障制度の抜本的な改革を前提とした上で、「引き上げ幅や使途を明らかにして国民の審判を受け、具体化する」としている。
また、税制改正では、「控除から手当へ」と転換するとして各種控除を見直す。「配偶者控除」や「扶養控除」を改廃し、中学生までの子ども1人当たり月額2万6000円を支給する「子ども手当」に転換する。
現在、所得がどれだけ多くても認められているサラリーマンの給与所得控除については、適用所得の上限を設けるとしており、高額所得者には増税となる。
消費増税改めて言及 首相“安心社会”実現を強調
2009年7月22日 赤 旗
麻生太郎首相は21日、首相官邸で衆院の解散を受けて記者会見し、8月の衆院選は「安心社会実現の選挙だ」と強調しました。
そのうえで、総選挙に掲げる「3つの約束」として@日本経済の回復A安心社会の実現B前記2項を実現できなければ責任をとるーーを提示しました。
麻生首相は、首相就任以来の自らの不用意な発言が政治に対する信頼を損なわせたことに反省を表明し、自民党内の結束の乱れについても責任を認めましたが、雇用や社会保障制度を破壊し安全を掘り崩してきた自公政権の責任には言及しませんでした。
さらに、「安心社会の実現」には財源が必要になるとし、改めて消費税率引き上げに言及。「政治の責任を果たすためには、選挙のマイナスになることでも申し上げなければならない」と述べました。あわせて「国民に負担をお願いする以上、大胆な行政改革を行なう」とし、国会議員の削減、公務員の削減と天下り・渡りの禁止を主張しました。
麻生首相は、財言論や安全保障問題などで民主党を批判し、「日本の未来に責任がもてるのは自民党だけ。今回の総選挙でどの政党が政権を担うのにふさわしいのか、国民に判断をいただく」と述べました。
消費税19.6→5.5%に 仏が引き下げ
レストラン、食料品と同率
2009年7月20日 赤 旗
【ロンドン=小玉純一】 フランスで1日からレストランの消費税(付加価値税)率が19.6%から5.5%へ下がっています。食料品にかかる消費税率と同率にしたためで、約14ポイントの引き下げです。不況で苦しむ主要産業へのテコ入れと国全体の消費刺激が狙いです。
2年間で4万人の雇用 業界が創出を約束
欧州連合(EU)がレストランなど一定分野の付加価値税率引き下げを加盟国の裁量としたことを受けての措置です。EU財務省会議はこの問題で3月に合意し、5月に指示をだしていました。EU加盟国の標準付加価値税率は最低15%ですが、合意した分野で5%まで引き下げることができます。
この減税でフランス政府の直接の減収は20億ユーロ(約2660億円)以上と見積もられています。レストラン業界は減税と引き換えに、2年間で4万人の新たな雇用をつくることを約束しました。(後略)
党・政府税調を一本化へ ■政策集最終案(民主党)
2009年7月16日 読 売
民主党が次期衆院選で示す政策集の税制分野の最終案が15日、明らかになった。消費税率5%の維持のほか、党税調を廃止し、財務相の下、新たな政府税制調査会を設けて税制改正プロセスを透明化することなどを打ち出した。
政策集は党の政策を詳細に提示するもので、内容を絞り込んだ政権公約(マニフェスト)と合わせて発表する。
消費税は、税収全額を年金財源に充当すると明記。将来的には、新設する「最低保障年金」や医療費などのセーフティーネット(安全網)の財源に充てる、とした。
税制改正については、与党と政府がそれぞれ税調を設けて議論する現在の政策決定過程を「不透明で、既得権益の温床となってきた」と批判。党税調は廃止し、財務相の下に政治家をメンバーとする新たな政府税調を設置することとした。
たばこ税と酒税は、健康増進を目的とする税に改め、税率については、健康への影響を考慮した基準を用いることを検討する。
社会保障費拡大「歳入手当てを」 丹呉・新財務次官
2009年7月15日 朝 日
財務事務次官に14日就いた丹呉泰健氏が朝日新聞のインタビューに応じ、拡大が続く社会保障費について「歳入に見合った水準まで(行政サービスを)落とすなら別だが、歳入面の手当がないまま持続し、安定させることはできない」と述べた。消費税率引き上げも含む増税が避けられないとの考えを示したものだ。
15兆円超まで膨らんだ09年度補正予算は財源の大半を国債の新規発行に頼った。この点について「経済危機という前提」として、「景気が回復して平時に戻ったら財政の健全化に着手する」と語った。
消費税の税率引き上げについては、今春成立した税制改正関連法の付則に、11年度までに法整備をすると盛り込まれた。景気回復が前提だが、「法律に基づいて行政を進めるのが基本だ」と、増税に取り組む姿勢を示した。
民主党が政権を取る可能性があることについては、「議院内閣制のもとで首相や大臣を補佐するのが行政の役割。財務省は首相と財務省を補佐することに尽きる」と述べるにとどめた。
自民との距離 経団連修正中 民主への接近図る
2009年7月14日 朝 日
日本経団連が自民党との距離を修正しようとしている。8月30日投開票で固まった総選挙では「自民支持」を明言せず、各政党・候補者の政策本位で判断する構えだ。
「今回は会員企業それぞれが政策を見て、自主的に判断してもらう」。御手洗冨士夫会長は6日の定例会見で、総選挙で政党支持を打ち出すかどうかを問われ、こう答えた。
05年の総選挙では、奥田碩会長(当時)が自民3役に支持を明確に伝え、記者団にも方針を公言していただけに、大きく様変わりした。各政党の政権公約(マニフェスト)に盛り込むべき政策を公表したことも、国政選挙で主に自民に政策要望をしてきた経団連にとっては、異例の対応だ。
自民との間合いをじわりと広げる一方、総選挙で政権交代をうかがう民主党との関係構築ももくろむ。
9日には御手洗会長、今井敬・経団連名誉会長らが、岡田克也・民主党幹事長と都内の料亭で会談した。御手洗会長ら経団連幹部は、民主の次代を担うと見る国会議員との意見交換会も断続的に開いている。ある経団連幹部は「自民一辺倒の応援はもはや難しい。政策が近い民主の議員ともパイプをつなぎたい」と打ち明ける。
ただ、軸足を一気に民主に移すまでには至っていない。経団連と民主の間に溝もあるからだ。特に鳩山代表が政権獲得後の消費税論議を封印したことは、社会保障財源として消費税増税を主張する経団連内に不信を生んでいる。
経団連、公約押しつけ
消費税18%/憲法改正 自民と民主に「優先事項」
2009年7月11日 赤 旗
日本経団連(御手洗冨士夫会長)が、総選挙の各党の政権公約(マニフェスト)に盛り込むべきだとする「優先事項」を発表しました。経団連が総選挙を前に自民、民主に政策要求を突きつけるのは、はじめての措置。選挙後の政権を見越して、「民主党であろうと、自民党であろうと、経団連の政策をぶつけていく」(御手洗会長)ためのものです。
今回発表した「優先事項」10項目の柱は、経団連が自民、民主に企業献金をあっせんするうえで1月に示した「優先政策事項」と同じです。(中略)
御手洗会長はさらに、社会保障財源として消費税増税を挙げ、「2015年ぐらいに、(さらに)5%上げ、2020年半ばには、17、18%まで上げる必要がある」と指摘しました。消費税率については、同会が2月に発表した社会保障「改革」の提言に沿ったものです。
社会保障財源に消費税 民主「自民と違いない」
2009年7月8日 赤 旗
社会保障などをテーマに自民、民主両党の政策検討会が7日に都内で開かれ、民主党の枝野幸男衆院議員は、「(社会保障)財源の問題で(与党と)違うことは言っていない」と述べました。言論NPO(工藤泰志代表)主催の連続討論会の3回目で、テーマは第1部が社会保障、第2部が雇用対策。
枝野氏の発言は、自民党の大村秀章厚生労働副大臣の「社会保障の機能強化に安定財源が必要。景気回復後、消費税を含めた税制抜本改革を」との発言を受けたもの。「自民党は景気が回復したら増税に手をつける。われわれは公共事業などムダを削るだけ削ってから」と述べました。(後略)
消費税 4年後15% 民主本音ポロリ
2009年7月5日 赤 旗
9日までの5回の予定で開かれている民間団体の言論NPO(工藤泰志代表)が催す自民、民主両党の政策討論会で、両党のホンネがポロリとでる場面がしばしば見られます。
政策討論会で次の内閣経産担当
○・・消費税をめぐって議論が交わされた2日は、自民党の町村信孝元官房長官と民主党の増子輝彦「次の内閣」経済産業担当の討論。町村氏は「民主党の経済政策は(いいことずくめで)街頭演説にはいいが国会の論戦にたえるものではない。財源のメドがない。無駄を省くと言うが具体的なものがない」と突っ込みました。
増子氏は「民主党政権で4年間、予算編成して予算を見直し、無駄を省いて、景気をよくし、将来不安をなくす。これで安心となれば消費税の議論をさせていただく。場合によって10%に上げるかもしれません。15%に上げるかもしれません。そのとき税制改革をきっぱりやっていきたい」。最大15%、つまり現在の3倍の消費税率への引き上げを打ち上げました。
○・・政策討論シリーズ中で紹介された東大生100人アンケートによると「今回の選挙で政党に説してほしいこと」は消費税増税(財源)が47%でダントツの1位。調査を実施した学生たちのコメントは「東大生の約半数が消費税増税について政党に明確な説明を求めていることがわかりました」としています。
「4年間の間、消費税の増税はしない」(鳩山由紀夫・民主党代表)の公約の意味は、4年後からは消費税を大増税することを示しているのです。
自民、進まぬ公約作成
2009年7月3日 朝 日
衆院選に向けた自民党の公約(マニフェスト)作りが再び足踏み状態だ。麻生首相側近の菅義偉選対副委員長を座長に据えた少人数のチームが水面下で原案作りを進めているが、政権の迷走で目玉政策がみつからない。業を煮やした「反麻生勢力」も揺さぶりに動き、首相主導の公約作りそのものが暗礁に乗り上げかねない状況だ。
「地方分権、道州制はしっかり打ち出していく。安全保障は大きな争点となる。公務員の天下り(規制)も公約に書き込む」。菅氏は6月30日の講演でこう述べ、党の「公約候補」を並べて見せた。
菅氏を筆頭に石原伸晃幹事長代理、船田元総務会長代理、園田博之政調会長代理らでつくるプロジェクトチーム(PT)は水面下で会合を重ねる。菅氏がこだわる世襲制限や国会議員の定数削減のほか、高齢化対策や少子化対策なども盛り込まれる見通し。
だが、選挙の足音が近づくものの、一向にマニフェストの全容は見えてこない。PTメンバーの1人は「いろいろ考えても、ちっとも民主党との違いが出てこない」と悩みを打ち明ける。世襲制限や定数削減は、むしろ民主党の方が先行しており、首相がこだわる財源論も、消費増税は景気回復が前提である限り、明確な引き上げ時期と上げ幅を書き込むのは難しい。「4年間増税しないと言っている民主党と一緒だ」(PTメンバー)というのが現状だ。
「財政再建」「消費税」で対立 自民・民主討論会
2009年7月3日 読 売
自民党と民主党の政策担当者が2日、経済財政政策をテーマに公開討論を行なった。自民党から町村信孝・前官房長官と谷垣禎一・元財務省、民主党から増子輝彦・ネクスト経済産業相と中川正春・ネクスト財務省が参加。財政再建の道筋や、消費税についての考え方などで対立が鮮明となった。国の政策評価などを行なっている「言論NPO」(工藤泰志代表)が主催した。
討論で町村氏が「(自民党は)景気が好転すれば、税制抜本改革をやると法律の条文で約束した。4年間は消費税に触れないという民主党とは違う」と先制攻撃すると、民主党の増子氏は「予算の無駄を省き、景気を回復させることができれば税制改正する。(消費税率を)10%にするかもしれないし、15%に上げるかもしれない」と反論した。
財政健全化に向けた道筋について、谷垣氏が「国内総生産(GDP)に対する債務残高の比率を2010年代半ばまでに安定化させるという目標を、マニフェスト(政権公約)にきっちり書き込みたい」と述べたのに対し、民主党の中川氏は「我々は損な立場。自民党が積み上げてきた借金を政権が変わると払わないといけない。非常に悔しいが、財政収支均衡へのシナリオを早晩、作らなくてはいけない」などと応じた。

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