消費税をめぐる情勢と増税発言
消費税視野に理論武装
財政審、1年ぶり再開
2010年 4月 27日 読 売
国の財政運営や予算編成などについて提言する財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が26日、専門家中心の組織に衣替えして約1年ぶりに再開した。将来の消費税議論に備え、菅財務相は「増税しても景気が良くなる」との持論を有識者の理論で補強したい考えだが、政府内には「ばらまき財政」で支持率を回復したい思惑もある。財政審が強い意見を示し、存在感を高められるかどうかが問われる。
「経済成長と財政健全化が両立できる道筋を見いだせるよう、議論をいただきたい」。菅財務相はこの日、財政審の中心となる財政制度分科会で委員を激励した。
財政審の新会長となった吉川洋・東大教授は、社会保障制度を支えるには消費税率の引き上げが不可欠との意見を持ち、菅財務相と考えが近いと見られている。この日の記者会見でも、菅財務相の唱える「増税と景気の両立論」に対し、「しっかり議論したい」と意欲を見せた。財政審は今後、過去の税制改革が与えた景気への影響や、個人消費を下支えする社会保障制度のあり方を探る方針だ。
財政審はこれまで、年2回、予算編成に関する建議(意見書)を財務相に提出し、一定の影響力を保ってきた。だが、昨秋の政権交代後は建議の提出が見送られ、実質的な休眠状態が続いていた。大串博志・財務政務官は記者会見で、財政審の議論はあくまで「財務省の議論形成を補うもの」との考え方を示し、今後、建議を求めるかどうかは「これからあり方を考える」と明言を避けている。(後略)
「消費税 引き上げ余地ある」
政府認識と差 日銀総裁
2010年 4月 24日 読 売
【ニューヨーク=小谷野太郎】日本銀行の白川方明総裁=は22日、ニューヨーク市内で講演し、消費税について「欧州諸国の平均税率20%に対し、日本は5%で、十分引き上げの余地がある」と述べ、財政健全化に向け、消費税率の引き上げが有力な選択肢の一つとの認識を示した。鳩山首相は任期中の消費税率引き上げを否定しており、消費税を巡る日銀と政府の意見の違いが、今後、論議を呼びそうだ。(後略)
消費増税 公約化は不透明 民主
2010年 4月 24日 朝 日
民主党の参院選マニフェストで、税財政を論議する「国民生活研究会」(中野寛成会長)が23日、2013年以降の消費税率引き上げを原案に明記する方針を決めた。党内の異論は強く、5月末の最終案に残るかどうかは不透明だ。
「税収をはるかに上回る新規国債を発行して異常な状態が続いている。ムダの排除は徹底的にやるが、何十兆円も急に歳出が減る構図にはならない」。この日、平野達男事務局長は記者団に、消費増税に踏み込む理由をこう説明した。
マニフェストの修正論議は、目玉政策を堅持する方向で進む。一方で「衆院の任期中は消費税率を上げない」とした鳩山由紀夫首相の公約も降ろすわけにはいかない。「そこから先の2013年以降のことを何も書かないのは与党として無責任」(研究会幹部のベテラン議員)というわけだ。
だが、小沢一郎幹事長は「半年前の国民との約束を変えるほうが変だ」との立場。小沢氏に近い党幹部は「消費税は書けない。参院選は中間評価だ」と早くも牽制する。
マニフェスト作成は研究会から議論を積み上げ、政府と党の代表で構成するマニフェスト企画委員会に提出。5月末に鳩山首相や小沢氏が入る「政権公約会議」にかかる。ベテラン議員は「原案が上がっていく段階で、表現が消えていくことはある」と指摘した。
消費増税反対1000万対話へ
各界連が全国会議 運動2倍3倍に
2010年4月23日 赤 旗
消費税廃止各界連絡会は22日、全国代表者会議を衆院議員会館で開き、加盟団体と都道府県、地域各界連の代表90人が参加しました。
嶋岡千年事務局長が消費税をめぐる情勢を解明。「消費税引き上げ議論の開始を」という閣僚の発言が相次ぐなど、参院選を前に消費税増税問題が争点に浮上している、と指摘。運動の規模を2倍3倍にし、増税勢力の狙いを打ち破るために草の根からの学習会に取り組み、1千万対話と増税反対署名を推進しよう、とよびかけました。
討論では、消費税をなくす全国の会の代表が「自民党は国民安心税と名前を変えて増税を狙い、財界は税率20%を狙っている。消費税増税問題は正念場を迎えている。街頭での署名は多く集まるが、『財政が大変だからねぇ』という声もある。しかし、丁寧に説明していけば納得してもらえる」とのべました。
山家悠紀夫・暮らしと経済研究室主宰が「あまりにも短絡的な消費税増税論議」と題して講演しました。日本共産党の大門みきし参院議員が国会情勢の報告と連帯あいさつをしました。
会議に先立ち、参加者は各党国会議員に消費税増税反対を請願しました。日本共産党の佐々木憲昭議員に、4万1千人分の請願署名を託しました。
自民公約に消費増税 参院選、骨子に明記
2010年 4月 23日 朝 日
自民党は22日、参院選マニフェスト(政権公約)の骨子を発表した。鳩山政権の政策を「財源なきばらまき」と批判する立場から「民主党政権の暴走を止める」と銘打ち、3年間で景気を回復させたうえでの消費増税を明記した。基準となる経済成長率や増税幅は示さなかったが、5月の連休明けにまとめる成案では記す方針だ。
骨子では冒頭に「雇用なくして安心なし」とうたい、3年間でデフレ脱却と景気回復を図るとの目標を明示。法人減税、金融緩和、環境・情報通信・医療・農林水産業などへの2年間での集中投資を掲げた。そのうえで「財源なくして政策なし」とし、「社会保障制度充実のため、経済状況の好転を前提に消費税引き上げを含む税制の抜本改革を行う」と明記した。
自民党が今国会で提出した財政責任法を成立させ、政府が作った財政再建計画の実施を法律で義務づけることも盛り込んだ。
一方、「真に対等で緊密な日米同盟を築く」として骨子の原案に入れた集団的自衛権の行使容認は削除。石破茂政調会長は22日の記者会見で「党内合意になっていない」と説明した。自民党が与党当時に認めていた政府の憲法解釈の変更が必要で「戦争をする国になるとみられる」との党内の慎重論に配慮した。
「消費税の福祉税化」「道州制」「脱官僚」
舛添新党は「新党改革」 きょう旗揚げ
2010年 4月 23日 読 売
自民党に離党届を提出した舛添要一・前厚生労働相らは23日午後、都内のホテルで改革クラブの渡辺秀央代表らとともに記者会見し、「新党改革」の結成を発表する。
参加予定の国会議員は6人。22日には結成に向けた最終協議を行い、「消費税の福祉目的税化」「道州制推進」「脱官僚」など、7項目程度を政策の柱に据えることを確認した。
新党は、舛添氏らが改革クラブに入り、党名を変更する形をとる。新党参加者は、舛添氏をはじめ、自民党に離党届を提出した矢野哲朗・元外務副大臣と小池正勝参院議員、国会で自民党と統一会派を組む同クラブの渡辺、荒井広幸、山内俊夫の3参院議員の計6人。代表には舛添氏、幹事長には荒井氏が就任する。
舛添氏は22日午後、記者団に、「大きな仕事をしたい。私を支持してくれた自民党員にも、必ず報いられると思っている」と語った。(後略)
消費増税―参院選で堂々と論じよ(社説)
2010年 4月 22日 朝 日
「4年間は消費税を上げない」として、増税の検討すら避けてきた鳩山由紀夫首相の論法が通用しなくなってきた。それを正直に認め、将来の消費税引き上げと税収の使途を夏の参院選の争点にしてもらいたい。
増税を封印する根拠について首相らは昨年まで「特別会計も含めた歳出の見直しで数兆円の財源を生み出せる」などと語っていた。だが、そんな声はもはや聞かれず、増税に前向きな発言が目立ってきた。
とりわけ副総理兼財務相の菅直人氏の積極発言は重い。「増税しても、使い道を間違えなければ景気が良くなることを部下たちに検証させている」と講演で述べたのである。
仙谷由人・国家戦略相も記者会見で「歳入改革を掲げて選挙をしなければ国民に失礼になる」と語った。
増税を伴う改革に正面から取り組もうという意気込みを買いたい。
参院選を控えて、民主党内には強い反発がある。小沢一郎民主党幹事長は「半年前の国民との約束を変える方が変」だと会見で述べた。
だが、子ども手当の導入などで歳出の膨張に拍車をかけながら、将来の財源の手当てすら考えないというのでは、怠慢に過ぎる。
1994年に非自民の細川連立政権が打ち出した国民福祉税構想を実質的に主導した小沢氏には、それがよく分かっているはずだ。
増税をいつまでも封印してはいられない。医療や介護、保育などを支え、教育を充実するには財源が足りない。政府の借金は今は大半が国民の資産でまかなわれているが、やがて国内だけでは回らなくなる。
社会保障や教育の財源を確保し、財政を持続可能な状態に立て直すため、納税者に負担増を求める税制の抜本改革に取り組むことは、どんな政権にとっても逃げられない課題である。
歴代の自公政権は「歳出削減が先」「景気にマイナス」などとして、増税の先送りを続けてきた。鳩山政権もまったく同じだ。菅氏の姿勢は、その大転換につながる可能性がある。
菅氏がよって立つ考え方は、「増税しても、集めたおカネを雇用が拡大するように有効に使えば景気は良くなる」というものだ。
医療や介護、環境など需要がますます増える分野で雇用の創出を促す。そのために増税で得られる財政資金を投じる。デフレ脱却をにらんで、そういう方法を採るなら景気を失速させずにすむ可能性はあるだろう。それが財政再建の一歩にもなる。
所得税や法人税も含めた税制改革の全体像をいかに描くか。増税分をどう使うのか。政党間で競い、国民に信を問うべき大事な課題だ。それを忘れた選挙は、無責任ではあるまいか。
消費税引き上げ分 社会保障財源に
自民の参院選公約案
2010年 4月 21日 読 売
自民党が夏の参院選公約で、現行の消費税率からの引き上げ分に関し、社会保障費の財源に充てる「国民安心税」(仮称)として盛り込む方向で調整していることが、20日分かった。引き上げ幅や時期は5月の大型連休明けに決定する。経済活動を活発にするため、法人税率の大幅引き下げも打ち出す。(後略)
「消費税 15年に10%」 民主玄葉氏
2010年 4月 19日 読 売
民主党の玄葉光一郎衆院財務金融委員長は、18日のフジテレビの番組で消費税率について、「次の総選挙までは引き上げない。年金抜本改革も含めて1、2年で制度設計し、4年後くらいには確実に上がっているという姿にしなければならない」と述べた。税率については「基礎年金を全額税でやるなら4%分くらい必要になる。2015年の段階で10%が、ひとつの数字ではないか」と指摘した。
11年度以降の子ども手当については「月額2万円ぐらいがひとつの選択肢だ」と述べ、月額2万6,000円からの減額を容認する考えを示した。衆院選公約との整合性については「財政状況に応じて2万円に減額するのは大幅修正には当たらない」との認識を示した。
玄葉氏は、党地域主権・規制改革研究会会長として参院選公約作りに携わっている。
消費税増税 マニフェストの崩壊
小池政策委員長が民主党を批判
2010年4月15日 赤 旗
日本共産党の小池晃政策委員長(参院議員)は14日、仙谷由人国家戦略担当相や菅直人財務相など閣僚から消費税増税をもとめる発言があいついでいることについて記者団に問われ、「究極のマニフェスト違反だ」「増税をストップするために全力をつくす」と表明しました。
小池氏は、民主党が昨年の総選挙マニフェストでムダを削れば財源が出るとしていたことをあげ、「ムダな軍事費や大企業減税に切り込むこともしないで、庶民に増税を求めるという。マニフェスト崩壊というべきものであり、言語道断だ」と批判しました。
また、日本経団連が13日に発表した「成長戦略2010」のなかで、「10%台後半、ないしはそれ以上」を目指す消費税率の段階的引き上げなど庶民増税を求める一方、法人実効税率の引き下げを求めていることにふれ、「民主党の発言は、財界の動きとも呼応している」と指摘しました。
小池氏は、「このままでは、消費税増税に向けた暴走国会となってしまう。日本共産党は庶民増税にブレーキをかけるために奮闘するとともに、参院選でも争点にして大いに奮闘したい」と語りました。
消費税増税論議を 仙谷担当相
2010年4月15日 赤 旗
仙谷由人国家戦略担当相は14日の衆院内閣委員会で、消費税率引き上げについて「絶えず議論して準備しておかないといけない」と強調しました。その上で、「一般論としては、どういう税で安定的な社会保障制度をつくるのか、与野党の枠を超えて議論することがいい、それしかない」と述べ、超党派による議論が必要との認識を示しました。
自民党の小泉進次郎氏への答弁。
「税上げない」 亀井氏
2010年4月15日 赤 旗
国民新党の亀井静香代表(金融・郵政改革担当相)は14日の記者会見で、菅直人副総理兼財務相や仙谷由人国家戦略担当相が消費税率引き上げに関する発言をしていることについて「上げないと言っているんだから上げない。上げる準備みたいな形での議論はあり得ない」と述べ、与党3党の連立政権合意に、現行の消費税率5%据え置きが明記されていることを踏まえ、引き上げには反対との考えを強調しました。
専門家委が消費税議論
2010年 4月 15日 朝 日
政府税制調査会の専門家委員会が14日あり、消費税の議論が始まった。学者らが課題を分析するのが目的で、14日は所得が低いほど負担を強く感じる「逆進性」や、複数の税率を導入した場合の課題などについて意見交換した。
過去に消費税率を引き上げた際の経済への影響については、「悪影響があった」「なかった」の両論が出たという。政府税調は菅直人副総理兼財務相が「消費税などの税制のあり方の議論を本格的に始めたい」と指示したのを受け、消費税の議論を始めた。
消費税議論を開始 政府税調専門家委
2010年 4月 15日 読 売
税制に詳しい有識者による政府税制調査会の専門家委員会(神野直彦委員長)が14日開かれ、税制改革の焦点の一つとなっている消費税を巡る議論を始めた。委員会では所得税などを含め、日本の税収構造の全体を見渡した総合的な検討が必要だとの認識で一致した。
鳩山政権は任期中の消費税引き上げを否定しているが、政府内では菅財務相らが、引き上げに積極的な見解を示している。
この日の委員会では、消費税率を引き上げた場合の税収の使途や、税率引き上げによる低所得者層への影響などが議論された。消費税率引き上げの是非や時期、景気に与える影響などの議論には踏み込まなかったという。
神野委員長は会合後の記者会見で、「社会保障の財源として消費税を充てるべきとの意見のほか、所得税など他の税の役割も考慮すべきだとの声も出た」などと述べた。引き上げの是非は政治判断に委ねられる見通しだ。
鳩山内閣 消費課税議論を解禁
政府税調が専門家委員会
2010年4月15日 赤 旗
政府税制調査会(会長・菅直人財務相)のもとにおかれた専門家委員会(委員長・神野直彦東京大学名誉教授)は14日、消費課税について論議しました。鳩山政権のもと、政府の機関が消費税について本格的に議論するのは初めてです。
会合後の記者会見で神野氏は、「2010年度税制改正大綱」にそった@消費税の使途の明確化A逆進性対策B課税の一層の適正化の三つの論点に加え、消費税率を引き上げた場合の経済への影響――の四つの論点を取り上げたことを紹介。会合では、消費税と社会保障財源の関係などについて議論を交わしました。
神野氏は記者会見で、「個人的には所得税と(消費税など)付加価値税という二つの税金を基幹税とする税体系がふさわしいと考えている」と改めて述べました。また、神野氏は同日の会合で、「消費税そのものが経済的に悪影響を及ぼす」との発言もあったことを紹介しました。
政府税制調査会本体の司会を務める峰崎直樹財務副大臣は、雑誌『世界』4月号の座談会で「消費税の問題を十分に議論して、上げられる条件を整えておく必要はあるのではないか」と明言しています。
民主副幹事長 増税論を批判 参院選へ影響懸念
2010年4月14日 朝 日
民主党の高嶋良充筆頭副幹事長は13日の記者会見で、政府内で浮上している消費増税論について「(衆院選の)マニフェストで約束した無駄排除に全く手をつけないで、いま消費税論議をすることは、国民に対する裏切りだ」と批判した。高嶋氏はマニフェスト企画委員会の党側トップ。
菅氏や仙石氏が主導する消費税論議はマニフェストの大幅修正に直結するため、党側には強い警戒感がある。小沢一郎幹事長も12日の記者会見で「半年前の国民との約束を変えるっつう方が変じゃないですか」と牽制した。
党側には増税論議は参院選に「非常にマイナス」(高嶋氏)となるだけでなく、連立を組む社民、国民新両党との関係に影響しかねないとの判断がある。平野博文官房長官は13日の記者会見で「消費税を掲げて選挙すべきだというのは時期尚早の議論だ」と語った。
増税凍結方針 「見直し必要」 仙石戦略相
2010年4月14日 赤 旗
仙谷由人国家戦略担当相は13日の閣議後記者会見で、4年間の衆院任期中の消費税引き上げを凍結している鳩山由紀夫首相の方針に関し、「今の税収のままなら(財政的に)大きな壁にぶち当たる」と述べ、早期の増税に向けた方針転換が必要との考えを表明しました。
仙谷戦略相は次期衆院選について「歳入改革を掲げて選挙しなければ、国民に甚だ失礼だ」と述べ、消費税率の引き上げ幅を争点とすべきだとの考えを強調しました。その上で、増税時期に関連して「衆院の解散時期との関係が当然問題になる」と語り、歳入確保の観点から、消費税を引き上げるために解散時期を早める可能性に言及しました。
また、6月に財政再建の数値目標を策定する「中期財政フレーム」と「財政運営戦略」での消費税の扱いについても「何らかの格好で書かざるを得ない」と指摘しました。
経団連、消費増税迫る
「10%台後半かそれ以上へ」
2010年4月14日 赤 旗
日本経団連(御手洗冨士夫会長)は13日、「成長戦略2010」を発表し、消費税率の段階的引き上げと法人実効税率の引き下げなどを求めました。経団連は、今回の提言を政府が6月に策定する「新成長戦略」や「中期財政フレーム」に反映させることを求めています。
提言は、「税制改革」について触れ「消費税率を一刻も早く引き上げ、所得税の基幹税としての機能を回復し、法人税への過度な依存を改め(る)」ことが必要であると強調しています。消費税率については、「2011年度から速やかかつ段階的に、消費税率を少なくとも10%まで引き上げていくべきである」としました。上げ幅としては、「毎年2%ずつ」を例示しています。さらに、20年代半ばまでに「10%台後半ないしはそれ以上へ引き上げ」を求めています。
提言は、消費税の引き上げによって「消費の前倒し効果が見込める」とも述べ、国民に負担増を強いる立場を合理化しています。所得税については、給与所得控除、配偶者控除、公的年金等控除の見直しを求めています。
一方、法人実効税率の引き下げは「成長戦略の必須の柱」と位置づけています。現行約40%の税率を30%程度に「早期に引き下げるべきである」としています。
増税すれば景気よくなる 菅副総理
2010年4月13日 赤 旗
菅直人副総理兼財務相は12日、日本外国特派員協会で講演し「増税をして、その税収の使い道を間違えなければ、景気はよくなる」と、“増税すれば景気回復ができる”との議論を持ち出し、国民に大増税を強いる考えを示しました。菅財務相は、増税すると選挙に負けるとの「トラウマ」が政治家にはあると指摘。「必要な増税をやれば日本の経済は良くなるとの認識を、与野党超えて共有できれば、トラウマを乗り越えられる」とし自民、公明に「増税連合」を呼びかけました。(後略)
消費税率 経団連会長「10%程度に」
早急な引き上げ求める
2010年 4月 13日 読 売
日本経団連の御手洗冨士夫会長は12日の定例記者会見で、消費税率について「2011年度から速やかかつ段階的に、10%までは引き上げるべきだ」と述べ、政府に対し早急な引き上げを求めた。御手洗会長は消費税の増税分を社会保障目的税化することを念頭に「2020年代後半には、10%台後半かそれ以上の引き上げが必要になる」と指摘した。経団連は13日、消費税率の段階的引き上げを柱とする政策提言を発表する。
消費税10%台後半に 2011年度から段階的
経団連提言
2010年 4月 10日 読 売
日本経団連がまとめる政府の成長戦略に対する提言が9日、明らかになった。経済成長には財政や社会保障制度の安定が不可欠とし、財源となる2011年度から「速やかかつ段階的に」少なくとも10%まで引き上げ、20年代半ばまでに10%台後半以上にするよう求めた。経団連は政府に対し、成長戦略の実現に向け、税・財政・社会保障制度も一体として改革を急ぐよう求める考えだ。
提言は、景気変動の影響を受けやすい法人税に依存した現在の税体系は「財政を安定的に支える機能を果たしていない」と指摘。さらに、少子高齢化による社会保障費用の増加を賄うには「全国民で支える消費税を中心に安定財源を確保すべき」とした。
また、企業の国際競争力の「強化を通じて雇用を創出する必要があると強調し、法人税については、現在約40%の実効税率を国際水準の30%まで引き下げるよう求めた。
成長の実現に向けては、環境・エネルギーや医療・介護など6つの戦略を挙げた。
与謝野氏らの「結党宣言」消費税増税や日米安保強化
2010年4月9日 赤 旗
10日に無所属の平沼赳夫元経済産業相らと新党「たちあがれ日本」を結成する与謝野馨元財務相と園田博之前幹事長代理(いずれも自民党に離党届)が『文芸春秋』5月号に結党宣言を共同寄稿し、「消費税率の引き上げ」や「日米安保条約」再評価を基本政策に掲げる立場を示していたことが、8日までに明らかになりました。
寄稿論文では、今回の新党結成について「参院選で民主党はじめ与党を過半数割れに追い込み、与野党の衆参ねじれ現象に持ち込む」「政界再編の起点となっていく」と指摘。離党届を出しながら、「野党第一党の自民党には是非ともしっかりしてもらわなければならない」とするなど、「政界再編」の思惑をあからさまにしています。
新党の政策に関しては、社会保障関係費を「財政再建」の名で目の敵にしたうえで、「消費税率の引き上げなしに財政再建が可能であるという幻想を振りまくのは、無責任極まりない」と消費税増税を主張。「公務員に負担を強いるなら政治家も自らの身を切る覚悟がなければならない」と国会議員の定数削減を求めています。
外交では、鳩山政権下の日米関係に危機意識を示し、「日米安保のおかげで日本がこの五十年間、平和を維持してきた」と「日米安保条約」を再評価することを要求しています。
また、財界・大企業応援の「国際競争力」の強化・増強を求めるとともに、「供給サイドを無視して需要が創出されるわけがない」とも主張しています。
「財政再建」など政策の柱 たちあがれ日本
2010年 4月 9日 読 売
平沼赳夫・元経済産業相(無所属)や自民党に離党届を提出した与謝野馨・元財務相ら新党「たちあがれ日本」に参加予定の国会議員5人は8日、都内で新党結成に向けた最終協議を行い、平沼氏を新党の「代表」とし、与謝野氏を「共同代表」とすることで合意した。10日に都内で行う結党記者会見で正式に発表する。
新党の政策については、「経済成長」「財政再建」「安心できる日本づくり」を柱とすることで一致。夏の参院選に向け @消費税率の引き上げを含む税制の抜本改革 A消費税の福祉目的税化 B自主憲法制定 C郵政3事業の全国一律サービス維持や外資規制を中心とした郵政民営化見直し――を盛り込んだ政策綱領をまとめることも確認した。(後略)
民主党の財源論は破たん
“消費税増税連合”を批判
NHK討論で市田書記局長
2010年 4月 5日 赤 旗
日本共産党の市田忠義書記局長は4日のNHK番組「日曜討論」に出席し、鳩山内閣の政権運営などをめぐって与野党代表と討論しました。この中で市田氏は、民主党が参院選に向けてマニフェスト(政権公約)見直しの動きを進めていることについて、民主党の財源論の破たんだと指摘しました。
番組では、民主党のマニフェスト見直しについて司会の影山日出夫NHK解説委員が討論を促しました。同党の細野豪志副幹事長は2011年度からの子ども手当の満額支給見直しも含めて「すべてを議論する」などと述べました。
市田氏は、マニフェスト見直し論の根底には、「政権をとって財政全体を見直せば20兆円の財源が生まれると民主党が言ってきたことの破たんがある」と述べました。この財源論の一番の問題点は、「『二つの聖域』にメスを入れる姿勢がないこと」です。市田氏は、(1)軍事費には指一本ふれない。今年度予算で軍事費は162億円増えた(2)大資産家・大企業優遇税制にメスを入れる姿勢がない―ことを指摘。「だから自民党も民主党も消費税をどうするかの議論に行き着かざるをえない」と、自民・民主の“消費税増税連合”を批判しました。
さらに、「わが党の立場はマニフェスト絶対主義ではない。民主党のマニフェストに書かれたことが選挙で白紙委任されたわけではない」と語り、「高速道路を無料化するぐらいなら、優先順位として子どもやお年寄りの医療費無料化のために財源を使うべきだ」と主張しました。
司会の影山氏が、政府の「財政健全化」法案提出の動きに関連して「参院選のマニフェストでは消費税の扱いについて完全にふたをするわけではないということか」と問うと、細野氏は「その議論もしていい」と応じました。
消費税増税の方針を明示した「財政健全化(責任)法案」を今国会に提出した自民党は「財政健全化法は一緒にできる」(茂木敏充幹事長代理)と応じ、公明党も「財政健全化法の議論はすべきだ」(高木陽介幹事長代理)などと同調しました。
消費増税に前向き 政権公約議論で谷垣氏
2010年 4月 3日 朝 日
自民党は2日、全議員懇談会で参院選マニフェスト(政権公約)の議論を始めた。民主党との対立軸として消費増税を掲げるかどうかについて、谷垣禎一総裁が前向きな姿勢を示した。5月連休明けの取りまとめに向け、党内論議の焦点となりそうだ。
懇談会では、「民主党は行き当たりばったり。社会保障に特化した消費増税を明記し、責任と安心を打ち出すべきだ」(中堅)といった声が相次いだ。一方、中川秀直元幹事長は経済成長による税収増を訴え、ほか数人が「議員自身も血を流さないと」と、増税とセットでの議員定数の大幅削減を主張した。谷垣氏も「医療や教育を考えれば消費税は避けて通れない。そのための議員定数是正は必要だと常に思っていた」と応じた。
“消費税増税全面に”
参院選公約 自民論議で続出
2010年 4月 3日 赤 旗
自民党は2日、党本部で2日目の両院議員懇談会を開き、夏の参院選の公約について議論しました。出席者からは「歳出削減だけでなく、税制改革を全面に出すべきだ」(野田毅元自治相)などと、消費税率の引き上げを掲げるよう求める意見が出ました。
野田氏は「現在の財政状況をつくった責任はわれわれにもある。開き直って捨て身で愚直に訴えて行くのが自民党が生まれ変わり、立ち直る道だ」と語りました。石原伸晃組織運動本部長は「日本の医療費は消費税で賄うと言った方が安心を得る。成長戦略と併せ、この二つがニュー自民党の基本的な柱になる」と指摘しました。

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