蛇紋石
黒い蛇紋石
この石は、黒いところが黒雲母のように光沢があり、また薄板状に見えてけっして繊維状ではありません。
蛇紋石がこんなに黒いとは意外でした。一般的には緑色を帯びているものと思っていたからです。緑色で蛇に似た模様や光沢があるのでこのような名前が付けられているのです。しかし、カンラン石・輝石・角閃石などを主成分とする塩基性または超塩基性火成岩などの変質によって生じたものであるということが分かると黒っぽいのも納得です。
ところで、蛇紋石というのは単一鉱物の名称ではなく、類似した化学成分を持った数種の鉱物、たとえば板温石、マーモライト、温石綿、絹布石、硬蛇紋石などを総称した名称なのです。
絹布石は頑火輝石の蛇紋石化した化晶
マーモライトは帯緑白色で薄く葉片状にはがれる蛇紋石
板温石は薄板状で半透明の葉片にはがすことが出来るが、反射光線で緑かっ色に見える
硬蛇紋石は繊維状となるが繊維が硬く、しかも解きほぐしにくいもの。
温石綿は柔軟な繊維からなり、曲げることができる性質がありしかも容易に分離することができるもの。石綿(アスベスト)は保温耐熱材として利用されてきましたが、発がん性が強いために使用が禁止されています。
先日、大阪のOMMビルで「石ふしぎ大発見展」・第15回大阪ショーが開かれましたが、特別展示室に蛇紋岩が展示されていたのでカメラに写しておきました。黒い石でした。
益富地学会館の所有の蛇紋岩
なお蛇紋岩は、この蛇紋石、カンラン石を主成分として、その他に透角閃石、光線石、滑石、磁鉄鉱、炭酸塩鉱物などを含んでいるのが普通らしいです。

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