『 緑色片岩』
みなさんの地域には、それぞれ親しみ深い岩石や石ころがおありでしょう。
和歌山市に住む私には、「緑色片岩」という岩が生活に身近に感じられる美しい石なのです。特に、敷石や塀、石垣、、庭園などに この青く緑がかった石が輝いているのです。
先に記した紀伊風土記の丘の古墳群の中でいくつか内部の石室の石組みを観察できます。石の種類は この「緑色片岩」です。古墳のある小高い山々から産出します。鉄筋コンクリートで作られた風土記の丘資料館の外部側壁は、この緑色片岩がつめ込まれていて見事に装飾されています。
私にとっては、この岩石はいろいろなところで出会えるとても親しみやすい岩石なのです。庭園などでは、ひときわ美しくて大きな石が据えられています。いわゆる「紀州青石」です。和歌山城の天守閣のある中心部の石垣は、この青石で組まれています。私の住む、すぐ近くに日前宮という神社があり、その堀や川の縁はすべて緑色片岩の石組みです。
和歌山市の雑賀崎辺りに行くと、緑色片岩の露頭があちこちで見られます。灯台から見下ろすと、そこに浮かぶ双子島も波打ち際に青石を輝かせています。
実はご存じのように、四国にこの緑色片岩の帯が続き、九州まで伸びているのです。
徳島や愛媛では「阿波青石」「伊予青石」としてブランドを誇っています。
緑色片岩などの岩石は、板を重ねたような縞模様をみせる「結晶片岩」類です。他に「紅れん石片岩」という赤みがかった美しい岩石や、「黒色片岩」なども仲間で、和歌山市でも見ることができます。
中央構造線という日本一長い断層が横たわっていますが、その南側を
、この「結晶片岩」の帯が連なっています。「三波川変成帯」と名付けられていますが、その基盤の上に和歌山市があり、紀伊風土記の丘があるのです。そして、緑色片岩などの結晶片岩に富む地質が現れているのです
※写真@ 古墳の石組み
A すっぽり石室に入って石組みを観察できます 「将軍塚」
B 風土記の丘資料館の外部側壁には 緑色片岩の石が詰め込まれています。





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