四国の魅力は、潮流の海、そしてそこに暮らす人々だった。潮流は、川より早いスピードで流れる。今回のパートでは佐多岬の先端はゴウゴウと流れ、早瀬を形成していたし、潮を計算に入れて漕ぐと、1日(9-10時間漕いで)の平均時速が7キロ強にもなった。潮を意識しないで漕ぐということはありえにだろう。
四国の人は旅人に優しい、と聞いていた。これは事実だった。明らかに日本の他の地域と雰囲気が違う。まず、誰もが気軽に声をかけてくれる。「どこから来たの?」「大丈夫かい?」と。
陸の上だけでなく、海の上でも漁師さんが積極的に声をかけてくれて、「そこは逆潮になってるから、もっと沖を漕ぎなさい」なんてアドバイスしてくれる。困ったときには、必ず助け舟が出る。
どうも、これは四国の文化らしいと気が付いた。そして、四国にはお遍路の歴史がある。どうもこの辺との関係が深いようだ。僕は不勉強で、お遍路という言葉だけは知っていたが、その内容や成り立ち、歴史については一切調べないで四国に行ってしまっていた。大反省なのである。
今治のパドラー、Oさん。運送会社から海岸まで軽トラに乗せてカヤックを運んでくれた。

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