「旅の記録は残すといいよ、メモ程度でもいいから」とそのおっちゃんは言うのだった。いつもウイスキーを飲んでいて、赤ら顔だけど、ずば抜けて頭の切れる人だった。それ以来、ファルトボートで旅をするごとに記録を残し、紀行記を書くことが習慣になった。
その習慣はサーフカヤックを始めても自然と行うようになっていた。最初は波に乗った日、波のサイズ、天気の感じだけをメモするだけだった。1年、2年と続けると自分のホームポイントの波の入るパターン、入りそうで入らない時、入らなさそうで波立つ時を予想できるようになってきた。前もって波の入ることが予測できると、波乗り頻度を上げることが出来る。
だんだん、メモから日記になっていった。その日できたこと、逆に出来なかったことを書き込んだ。そして、出来なかったことは次回サーフィンする時のテーマになる。人間の記憶とはいい加減なもので、すぐに忘れる。でも、日記に書き残す、指を動かすことによって、少なくても次回のサーフィン時まではテーマは覚えてるものだ。
こうしてると苦手なところをどんどん克服できる。苦手がなくなることのメリットは、どんな波でも海に出て楽しめる。ゆえにさらに波乗り頻度が上がる。楽しさ感も倍増。
サーファーもダイバーもログブックというものを持っている。サーファーは波乗りの記録を残す。Jerry Lopesはいつもノートをポケットに忍ばせてるそうだ。ダイバーはその日見た魚や水中生物を克明に記録に残します。名前の分からない生き物はデジカメに撮り、図鑑で名前を調る。
僕に記録をつけるきっかけを作ってくれたおちゃんは、旅行作家。現在、四国の海部に住んでいます。海部って、Jerry Lopesもサーフトリップに来るところですよね。おっちゃんの名前は野田知佑さんといいます。
サ
ーフィンが教えてくれるのはハーモニー。調和の精神を日常生活に持ち帰ろう。Jerry Lopes

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