相模湾遠征停滞3日目。暇なので航空券の変遷について書きます。
僕が子供の頃、海外旅行に行く事自体珍しかった。限られた人しか行けなかった。会社で好成績を収めた人とか、新婚旅行ぐらいだったろうか。航空券が高かったのと、円が安かったのが大きな原因だと思う。
そんな中、一生懸命お金をためて、少しでも長く旅行をしたいと言う若者達が出てきた。今ではバックパッカーなんてかっこいい呼ばれ方をするけど、ようは貧乏放浪旅行者だ。物価の高い国で皿洗いなどのバイトをしてお金を貯め、その後、アフリカや南米、インドなどを時間をかけて旅行する。
僕の一回り上の世代のバックパッカー達の間で、航空券を安く買うアイデアが生まれた。それは、アメリカに行く時、日本→アメリカの航空券より、香港→日本→アメリカの航空券の方がずっと安い。そこで香港→日本の分を捨てて、日本→アメリカの分だけ使かってみてはどうかと考えた。そして実際にやってみたらそれができてしまったのだ。
さらに今度は航空会社が団体旅行(ツアー)に出してるチケットを、ばらばらに客を集めて売ってしまうという手を考えた。
当初はバックパッカー仲間を対象にこじんまりやられた商売で、口コミだけで商売をしていた。僕のカヌーの先輩でずっと放浪旅行をしていた人は、「沢田クンに電話してよく直接(航空券を)買っていたよ」なんていいます。今のHISです。沢田社長ももともとバックパッカーで、旅行仲間を相手に商売をスタートしたのです。格安航空券の始まりです。
これ以前は規制が強くて、どの航空券も値段はほとんど同じだったと聞きます。競争がなかったのです
2001年、航空業界に大きな淘汰の嵐が吹きます。NYテロ後、飛行機に乗る人がぐっと減った。客の取り合いになり、大きな航空会社は経営が傾き、小さく小回りの効く会社が出てきて存在感が大きくなってきます。LCC(格安航空会社)というもので、アジアでは、マレーシア、タイ、シンガポールの比較的ローカルな会社です。とにかく料金が安い。予約はインターネットのみ。決済はクレジットカード。機内食や飲み物は有料、徹底的にコストをカットして、今までの常識を覆しています。例えばバンコクークアラルンプール間を8000円で飛びます。LCCを繋いで世界一周をしたら14万円でできてしまったなんて話しも出てきました。
JALが経営不振だと報道されていますが、こういった趨勢の中で生き残るのは生半可ではできないでしょう。航空会社は猛烈な競争にさらされているのです。日本の航空会社は、国際線では競争力がなく、赤字でしょう。その分、規制で守られている国内路線で稼いでトントンにしています。
10年ぐらい前、野田知佑さんとこんな会話をしたことがあります。「君はよくタイに行ってるけど、一回の遠征にどのくらいコストかけてるの?」僕「10万円です」「そうすると、航空券はいくらぐらい?」「5万円ぐらいでしょうか」(しばし沈黙)「すると君は僕が鹿児島に帰る飛行機より安い金額でタイに行ってるのか」「はい」野田氏絶句。
今は、国内線の料金もだいぶ下がってきたけど、それでも高いです。どうでしょう?国内線もしっかりとした財政基盤のある海外航空会社に開放してみては。運賃がぐっと安くなると思います。キッセイ、アシアナ、エバーあたり、どうでしょう?

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