新型コロナウイルスは、分断のウイルスとか対立のウイルスと言われることもあります。この感染症が原因で国と国の間が分断したり(実際、今はどの国も鎖国してるようなものです)、個人間でも対立や意見の相違など起こりやすいタイプのものです。
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/Z8Z94R2M23/?fbclid=IwAR0eUYpXaUVQ7thnPhlm16rRMxX4ij0_BEziR9dq10U4wGEE0DMJwmNB-es
政府にアドバイスをするポジションにあった新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が廃止されます。メンバーの先生方に対する批判もあったと聞きます。この番組でもその辺りが取り上げられると思います。
僕は公衆衛生学の教育にたづさわる本当に端っこにいる人間なのですが、ずっと憧れていたような先生方が並ぶこの専門者会議の力を信じていました。そして、三密、感染者の2割の人しか人に感染させないこと、クラスターの存在などをいち早く発見したのは(世界に先駆けて)、この専門者会議および厚労省内に作られたクラスター班の力です。また感染者を抑えられてたのは、国民みんなの努力と、保健所の保健師さん、職員の皆さんの献身的な働きも大きかったと思っています。
理論疫学(数理疫学)分野の西浦先生の働きは大きかったはずですが、あまりそれが広く知れ渡らないのが残念です。数理疫学自体が新しい分野のため、理解できる人、説明できる人がいないのも不利な点です。
理論疫学のスタートはエイズの出現(1980年代)により、その感染予測をするために始まったと理解しています。その後1990年代以降、コンピューターの発達により、数理モデルを使って、将来予測が理論的に出来るようになってきた。で、本当の力を発揮してきたのは00年代のから。2009年の新型インフルエンザの流行時、その流行のパターンを数理モデルで説明したレポートをヨーロッパの若い日本人研究者の先生が書いていました。これに接したのが僕にとって初めて数理疫学を知るきっかけになりました。この若き研究者の先生が西浦先生でした。レポートの中身はまるっきり読めませんでした。微分積分、大学レベルの物理の知識が必要で、結論のところだけ読んだ記憶があります。
上記のBSの番組では理論疫学が紹介されるようなので、西浦先生が気になる方は是非見てください。または、録画予約ね。

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