あれから10年が経ちました。あの時のこと、今でもはっきり覚えています。
震災の1月後、東北への高速道路が開通したと聞き、おこずかいが入っている缶の中身を確認、15万円入っていたので、それを掴んで東北へバイクを飛ばしました。ですがこの高速道路、明日ダルとにクラックが入っているは、波打っているは、これ、道路と言っていいの??、って感じ。よくもまー、無事に行って帰ってこれたものです。
三陸の光景には愕然としました。全てが瓦礫の山、独特の匂い・・。しかし、陸前高田で会った教え子や、花巻の友人たちの目には光が灯っていた。全然折れてなかった。人間の強さを感じたものです。
陸前高田に10万円、花巻に5万円を置いて、すぐに帰りました。人手はいくらでも必要だったと思うのですが、僕ができることは他のところにあるという判断をしたからです。逗子に帰り、三陸を支援する仕組み作りに力を入れました。
自然の前で、人間とはいかに非力、無力であるか。まざまざと見せつけられた、10年前のあの日でした。

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