
「おじさん、この船、僕でも買えるかな?」とjogo。
「この船が作り終わったら、時間有るから、いいよ」とおじさん。
ここはアンダマン海に浮かぶ人口100人にも満たない小島。島民はイスラム系の漁師たちだ。
「8万バーツだ、エンジンは別、中古の物を探してあげるよ」とおじさんは続ける。でも手は止まらない。接ぎ船で釘は全く使わない。木の隙間に木綿に樹脂を含ませ、これをノミを叩いて埋め込んでいる。伝統的なスタイルだ。

「この船でどの辺までいけるかな?」とjogo。
「どもまででもいけるさ、マレーシアだって、シンガポールだって」とおじさん。
この船でマレー半島を隅々まで、きれいな島々、ジュゴンやイルカを追いかけて旅をするのも悪くないな。
「明日にはバンコクに帰らないといけないんだ」と僕。
「次来る時までに作っておこうか?」とおじさん。
一瞬、頭の中が高速回転したワタクシでした。でも、旅のスタイルとして、面白いかななんて今でも思ってます。
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PSは壊れる物。 八幡暁

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