学校給食を初めて体験する新一年生たち
その心と体の育ちを私たちは見つめています
私の勤務する学校では1年生も学校給食が始まり、1年生なりに給食当番を頑張っています。給食が始まった日は、「肉うどん、牛乳、和風サラダ、いちご」でした。
強化磁器の重たい丼を持って緊張した子どもたちでしたが、落とす子もなく、無事配膳できました。「いただきます」をしてすぐ、牛乳キャップが取れない、うどんのビニール袋が開けられないと、食べ始めるまでがなかなか大変です。
突然男の子が、わ〜と泣き出しました。「どうしたの?」と尋ねると、「こんなサラダ食べたことがない。おなかが空いてないから、牛乳も飲めないし、うどんも食べられない」と言い「でも、いちごは食べられる」と言うのでした。
担任の先生が「うどん1本。にんじん一切れ。今度はじゃがいも。牛乳もこの線まで」と少しずつでも食べるように丁寧に声かけしていました。「いちごを食べてもいいよ」というと、「このいちごおいしい」とうれしそうに食べました。その子は野菜と牛乳が苦手なようでした。ちなみにいちごは西大寺雄神の生産者から毎年買っている取れたての美味しいいちご(今回は「さがほのか」)です。
2日目、昨日牛乳キャップが取れなかった子がうまく取れたのを見た女の子が、その子に「牛乳キャップが取れてよかったね」と声をかけていました。
5日目の献立「さわらの木の芽みそかけ」は、1年間で今の時期に1回だけの季節の献立です。木の芽の香り・味は子どもは苦手かなと心配しましたが、食べ初めてすぐに、「これ、おいしい!」と男の子が言い、それにつられてか何人もの子がおいしいと言いながら食べていました。
その日は麦ご飯でしたが、初日泣き出した子は「このご飯おいしい」とおかわりしました。
学校給食でみんなと一緒に楽しく食べるから、少し苦手なものや、食べたことがないものでも、食べてみようかなという気持ちになります。「たけのこはあまり好きじゃなかったけど、食べられるようになったよ」と、食べられようになったことがとてもうれしいと私に伝えてくれる子どももたくさんいます。
学校給食を通した子どもたちの心と体の育ちを私たちは毎日見つめています。地域でとれた旬のおいしい野菜を使って、直営の調理員と栄養士が力を合わせ、心を込めて給食をつくる。それが先生や子どもたちと心を通わせ、心を育てる給食につながっているのだと思って頑張っています。

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