「2019年藁をも掴む10 森福允彦(33歳・巨人)投手」
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森福 允彦(33歳・07年SB4位)投手 (シダックス出身)
ソフトバンク時代は、左サイドハンド特有の横の角度を活かし、抜群の安定感を誇ったリリーフ投手でした。FAで巨人に移籍後は、一年目こそ30試合に登板しましたが今年は僅か7試合で 防御率 6.23 と低迷し解雇されました。
しかし二軍では、
41試合に登板し、2勝2敗4S 防 1.60 と安定していました。もう少し数字を詳しく見てみると、39回1/3イニングで被安打は26本。被安打率は、65.3% と極めて少ないことがわかります。充分に被安打の観点でいえば、一軍で活躍してもおかしくはない数字です。
四死球は7個で、四死球率は 17.8% とこの数字も破格です。いつもいうように一軍定着を狙うならば投球回数の1/3(33.3%)以下で、この条件の半分近い数字。左のリリーフで出てきても、余計な四死球で自滅する可能性は低いということ。
奪三振も51個に及び、1イニングあたり 1.3個 と遥かに投球回数を上回ります。左のワンポイント出てきて、三振でアウトにしてくれる可能性も高いことがわかります。
いずれのファクターも完全に一軍で通用するだけのものですから、当然ファームでは防御率 1.60 と圧倒的な成績になります。すでに移籍した2年間で、森福はこんなものという先入観がついてしまっていて、今年の復調ぶりに目がゆかなかった可能性はあります。しかしそれでも一軍では7試合の登板機会は与えられたのですから、そこで結果を残せなかったのは痛かったように思います。ただしもう少し忍耐強く見てあげれば、この数字は大きく変わっていたかもしれません。
一軍の成績を改めて見てみると、四死球は0個、奪三振は投球回数と同じです。ただし被安打が投球回数を上回ってしまい、これが防御率の高騰に繋がったことがわかります。
果たして明日のトライアウトに参加するかはわかりませんが、左の中継ぎが欲しい球団は少なくないでしょうから注目の1人ではないのでしょうか。全盛期のキレは望めませんが、二軍での成績を見る限りは、もう一花咲かせても不思議ではありません。

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