「2020年 藁をも掴む2 横山 雄哉(26歳・阪神)投手」
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横山 雄哉(26歳・14年阪神1位)投手 (新日鉄住金鹿島出身)
蔵の入団前評価:☆☆ (中位指名級)
高卒3年で指名され、半即戦力としての評価だったのでしょう。個人的には、本当のコントロールがまだなく、2年目、3年目と数年先に期待したいと評価していました。しかし入団以来1軍で4試合以上登板したことがなく、18年度には肩の手術を行い育成落ち。20年度はシーズン終盤に支配下に返り咲いたものの、結局一軍では1試合のみ投げただけで解雇となりました。しかし身体の心配なく1シーズン送れたた、貴重な一年でもあったそうな。それだけに見限るのは早いのではないかとも考えられ、今年残した二軍の成績から可能性を模索してみたい。
二軍では、
16試合に登板して 4勝2敗 防御率 2.54 と安定していました。もう少し詳しく見てみると、67回1/3イニングで55安打。被安打率は、81.7%と悪くない。ファームの成績で被安打を見るときは、80%台ならば一軍を意識できる、70%台ならば一軍定着できるレベルだということで、この点ではかなり一軍に近かったのではないかと。
しかし四死球は28個で、四死球率は 41.6 とややアバウト。いつも言うように、四死球率は投球回数の1/3以下が一つ目安であり、悪くても30%台には留めたい。このへんが、被安打は少なくても一軍での登板が少なかった要因ではないかと。三振は35個で、1イニングあたり 0.52個と極めて少ない。通常ならば0.65個前後、プロで決め手があるといえるのは、先発ならば0.8個以上であり、リリーフならば0.9個以上で大きな開きがあります。そのため、ボール自体の魅力・威力には、疑問が残るわけです。
こうやってみると、被安打こそソコソコで抑えているものの、コントロールが不安定なまま、三振が奪える魅力がないことがわかります。球団が、この辺が限界だとして見切りをつけたのはわからなくもありません。
この一年一軍でのチャンスがほとんどもらえなかったのものの、実際はかなり回復していたのではないかと考えるられる一方、それでもこの選手の能力はここまでだと判断した可能性も充分あります。
こうなると彼も、まだまだ働き盛りの年齢であり、かつ左腕という魅力はありますが、やはりNPBへの復帰となると、かなり微妙なのではないのでしょうか。まだ若いことを考えると、社会人への復帰するなど、そういったことで現役を続けることになるかもしれません。それだけ今は、NPBへの再就職への敷居は高いものになっているので。NPBへの再就職を果たす選手は、数年前までは一軍で戦力となっていた選手というパターンが圧倒的に多いように思いますから。

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