2007/2/18

7 櫓と翼理論  
櫓と翼理論

船のプロペラは昔スクリューと言われていた。プロペラが考案された当初は翼理論、
揚力効果という理論は分かっていなかった。その後、翼理論が考え出され、
それをプロペラにとり入れることでプロペラは改良され発達した。

では、櫓はどうか?プロペラが発達し、飛行機が飛び、翼理論が考えられるようになってから、
誰かが櫓の推力は揚力効果によると考えたのであろう。しかし、櫓と翼理論を結びつけて、
それで艪が改良されたり以前よりスピードが出るようになったんだろうか?
答えは 「NO」。
翼理論は櫓の発達改良に何の役にも立っていない。と、私は思っている。

とはいえ、櫓の推力が揚力効果と無関係といっている訳ではない。
昔からベテランの櫓の漕ぎ手は、櫓を押すたび引くたびにブレードの水きり角をいちばん
良い角度(スピードの出る角度)に調節しながら漕いでいる。
その角度こそが、揚力効果が一番働いている角度であり、ベテラン船頭は翼理論なんてなんにも
知らなくても無意識、条件反射的に揚力効果が一番働く水きり角で櫓を漕いでいる。

学問や理論をバカにしてはいけない。しかし、櫓に関してはどうなのでしょう、、


ブレードのしなり(あおり効果)

適度にブレードがしなると推力が大きくなるが、どの程度しなればよいかというと難しい。
ゆっくり弱い力で漕げばしなりは小さい。強く早く漕げば大きくしなる。
漕ぐ力には個人差があり、艪のしなり具合を数値化するのは難しいかもしれないが、
漕ぐ人の体力にあわせて、強・中・弱くらいのしなり具合の差別化があってもいい。
しなりは、ブレードがしなって入水角が大きくなることで揚力効果が大きくなり、
その結果として推力が大きくなるという説があるが、私はそうではなくて、
団扇をあおぐような、魚やイルカの尾びれのようにブレードがしなって戻るときに
水をあおって後方にはね出していると考えている。
だから、しなり具合は先調子が良く、根元からしなってはまずいのです。


ねじれ効果

プロペラのブレードはねじれているのだが、なぜねじれているかという理由は
誰でも知っていると思う。

櫓はプロペラのように回転はしないで往復するのだが、推進原理は揚力効果の点では同じ。
櫓のブレードをねじれさせたら?と考えた人が今までにいたかどうかは知らないが、
往復運動をする従来の平型櫓にはねじれはつけられない。
四年前、よくしなる平型櫓を漕いでいたときに水中のブレードが、押したり引いたりするたびに
少しねじれていることを発見した。しなりやすい櫓は同時にねじれやすいのです。

ちょうどその頃、2002年。土井さんが層流櫓(たて型櫓)を考案、発表する。
はじめは(今もか?)誰も層流櫓に注目しなかったが、私は縦型櫓にはねじれ効果が利用できる
と思った。しなり効果とねじれ効果が同時に利用できれば、櫓の推進効率と推力はぐんと
向上すると思った。
翌2003年に、櫓のブレードがねじれるのは良いことだと発表したが誰も耳をかたむける人は
いなかった。土井さんでさえすぐには肯定してくれなかった。 
みなさん櫓のブレードはまっすぐなものという固定観念に囚われているようです。
ブレードの先端にいくほどねじれが小さくなって水切り角が小さくなれば、揚力効果が
ブレード全体に効率よく働く。すこし考えれば分かると思う。

六年前からこれまでにひら型櫓を30本ほど作り、作っては漕ぎして改良を重ねてきた。
その結果、ひら型櫓の最高速度は4、3ノット出るようになった。
たて型櫓は7本作り、最高速度は5ノット出せた。縦型櫓はひら型櫓よりも十数%も速く漕げる。
縦型櫓はしなり効果(あおり効果)とねじれ効果が同時に作用するので、推力や推進効率では
数十%も効率がよいと思う。
このねじれ効果を取り入れた縦型櫓(層流櫓)は革命的ともいえる櫓です。

揚力効果の理論をバカにしている私が、
揚力効果がいちばんよく効く艪を研究自作しているのは面白い。



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