4月 5日 月曜日
夜明けが早くなり、そして夕暮れの訪れは遅くなった。
身体は甘美な睡眠を欲し、一日の軽い疲れが酒を伴い、短い夜が瞬く間に過ぎてゆく。
風光る四月。悩めるもののために光は輝く。と書いたのは犀星だが、四月とは芽吹く大地の胎動とはうらはらに、こころが塞ぎ込む季節でもある。
変わって行くことへの怖れか、出逢う事への憧憬か・・・。
ルーチンワークに持ち込むこと。
ある意味これがテーマだったのかもしれない。変化をおそれず、常に新しいものへの試行錯誤。それを日常化する、それが仕事なんだよ、と。狂おしい季節の始まりに、出逢いと、別れの時の後に「どうってことねえヨッ!」と、
強がりをいいながら、、まだ冷たい風の中を肩をすぼめて歩き出す・・・。
なんて言ってるうちの、五日ですね。
茨城の桜満開です。
工房は窯焚き続きで、窯を焚きながら次の窯の準備をし、窯の冷却中の一日を休日にしようと頑張ります。窯が始まると、神経は炎へと向かいますが身体は楽なんですね。
前に掲載したプラムの花が昨日の雨でつやつやと輝きながら咲き誇っています。向かいの山の山桜はこれからです。
少しずつ画像UPします。
4月 10日 土曜日
連日窯焚き。
ひまつりの準備。この時期は同時に納品量も多い。
桜。笠間焼、ひまつりに参加する者には疲労の季節となる。
「笠間市に 耐えてひまつりのなかりせば 春の心ははのどけからまし」
と詠ったのはbinnちゃんだが、そう、花見の時期に、我々は、ひまつりで出遭う人のために腐心し、つくり、窯を焚き続けるのである。一年ぶりにお逢いするお客様、久しぶりに会う友。共同で作り出す(MEGUさま風にJOINT WORKING PARTYがいいね)ひまつりは、花見を犠牲にしてまでも得られるナニカがある。
そう、気を衒わずに言うならば、ひまつりは、出会いの所産なのだ。
窯、炎を見る事は人間の本性をくすぐる行為だ。
1230度〜50度の世界。マニュアルでは越えられない世界。いろいろなテキストがあるが、基本的には自分でやってみないと解らない世界。やっても何かを掴んだような気がするが、同じ方法が空回りもしばしば。人によっては窯の日から2〜3日は興奮して、ドキドキして眠れない、んだとも言う。これはオレンジから白い炎を見る事にも寄るけれど、上手くイクダロウカ?ちゃんと思い通りの結果が得られるだろうか?という気持ちがナイマゼトなって躁状態になる、のかな?
今は、約22〜24時間ぐらいの焼成時間です。窯は、耐熱レンガで覆われているわけですが、だんだんと疲弊し、レンガにも隙間が出来、時間をくうようになってきます。煙突の突き出る屋根の形状、風の当たり具合、窯の内容、など左右される事が多く、最終的には窯任せ、となります。
窯焚の時は、ダンパー、ドラフトといった調整、GAS圧の調整の2点だけです。が、これがなかなか神経を使わせられるんデス。ある意味、どうにもならない部分がある事も確かです。
夜のビールの事だけ考える。余計な策を弄すると、あまりいい結果は生まれませんね!
山桜!こちらはボワッ!っと咲いてますぞ〜。
工房から・・・。
4月 17日 土曜日
「ひまつり」への誘い・・・T
昨日は「ひまつり」会場の、駐車場などのライン引きなど。
「ひまつり」は主催が茨城県、笠間市、笠間焼協同組合となっているが、元は数人ではじめたまつりだった。そのため、しばらくは実行委員会が開催する、文字通りの手造りのまつりだった。母体がそういう形に成りはしたが、実際は、参加者の本当に手造りのまつりを継承しているのである。
各委員会があり、事業部、会場、交通、土面、模擬店とわかれそれぞれの仕事をこなすのである。
我が工房は現在は一番大変な交通委員会所属です。委員会の行き来は自由ですが、交通のメリットは会期前の仕事が主で、会期中の出番はない、ということですね。事業とかは、ステージ関係など忙しく、お店に居られない可能性も出てくるのである。
テントの裏でマッタリとお客さんと呑んでいたい私は、この委員会が好きなのですね。しかし、委員長は(持ち回りですが)そうは言ってられませんね。不法駐車の連絡が入ると、むしろ田植え時期なので、地元対策に頭を悩ませるのです。しかし、これは本部の仕事でもあり、停められた車はどうにもならず(周辺の道路が車だらけ)昨年から外部道路にも警備員を配置したり。
ところで会場での出店番号69番です。
判りやすい場所なので、皆様お出でください。
213人の陶芸家が、MY作品、飲食店などを展開してますので実に壮観です。
気合のはいった手造り小屋なども見ものです。
これは「陶器市だろぅ?どうせ!」と思って来てみてください。イメエジが180度変わります。
すべて作家が店にいます(これも参加資格のひとつ)。弟子とかアルバイトに任せて自分は出てこない、そんな店は無視してください。間違いなくつまらないものを売っている店ですから!しかし、他店に遊びに行ってイナイ、と言う場合が殆どです。行っていただければどの店も呼んでくると思われます。
25万人からのお客様をお迎えするので、会期中は交通渋滞がすさまじく、早出で会場に8時ごろ到着されるのが理想ですね。
とまれ、今年もやって来たのである。
「ひまつり」があるために、一年があっという間なのである。
<写真を誉められ、気を良くして夕日を浴びる山桜など。>


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