あらら用心棒の海を見ていた午後

常磐高速、友部JCTを左に曲がり、「笠間」方面の標識のある友部ICで降りる。

おっちゃんは、あと２０分ぐらいで着くからな、と言っていた。
途中で、酒を買ってゆくんだそうだ。
最近のお気に入りは、「黒霧島」芋焼酎だ。何処にもない。芋焼酎自体がない。カミパックでも見つけたら買い占めている。「居酒屋あらら」の仕入れも限界だそうだ。お客の酒屋さん、通称隊長も、「すんまへんどすな〜」と京都弁でいつもいい訳だ。こういうときは、冷酒で夏を乗り切るしかないか〜。
　陶ちゃんの造るビアタンブラーと冷酒杯は、おっちゃんのお気に入りだ。
冷凍庫に冷やしておくと、旨いんだって！猫の私には、酒の味はわからないけど、おっちゃんたちがいつも、トロ〜んとしてゆくのを、あららのママと眺めているよ。ちぃママはもうカラオケだの、酔っ払ってがんがん歌いまくりだから、それもお酒が重要と言うことなんだろうニャ。

さて、途中で陶ちゃんにTELしてたおっちゃんは「鰹があるんだって！おまえのもなんか買ってあるって！」と何処にも寄らずに、陶ちゃんの工房のある県境の山迄来ちゃった。
ふつ〜なんか買って持って行くんじゃないの〜。
まぁ、マブダチと言っていたからいいのかね？

あぁ〜懐かしい風景が見えてきたよ・・・。
まだ、夕暮れだ。
今夜は、ゆっくり酒を飲むんだね！
朝早く、私はこの辺りを散歩してくるよ〜。



２年前の写真です。

　陶房土師野という陶工房の主宰、陶ちゃんです。
陶睡舎tousuishaというWEBSHOPもやってます。主宰なんつっても一人でやってる工房なんです。
先ごろまで、二人でしたけど、５月末で辞めました。独立に向かってるのか？のんびりやる・・・。歳取って来たらそうしないとね。身体壊したら終わりだし。
　


　ここは茨城県の笠間市。工房のあるところからは、もう数百メートルで栃木県だ。
茨城県は海からの風が、猛暑とはいえ、都会より、内陸地よりすずしい。
笠間市は、人口３万３千ぐらいの市、と呼ぶのにはおこがましい規模の街だ。
　先ごろの合併問題で出遅れ、相手方の・・・友部町、岩間町が先にタッグを組んでたのに腹を立て、合併白紙になっちゃった！
　焼きモノの街。そういうのもなぁ〜。観光の街ではあるけれど、三大稲荷、笠間稲荷神社はあるものの・・・。門前町は、初詣、菊まつり以外は、ゴーストタウンのようだね！
陶芸関係者は３００人はいるのだろうか？
県の陶芸美術館、工芸の丘・・・など施設は充実しているが・・・。
まぁ、そんな話はつまらないしね！いいか・・・。

　さっきbinnちゃんから電話があった。グルと来るらしい。
もうすぐSHOP仲間のオフ会があるから、今日は忙しいけど夜までにはまとめるか！仙台の個展を見に行ってくれたのか・・・。
じゃぁ、今夜は宴会ダネ♪
binnちゃんの好きな、鰹の刺身でも買ってくるか。グルは鰯の煮コゴリいり缶ヅメが好きだったなっ。
ところでbinnちゃんは、何をしているんだろうか・・・。
噂では「居酒屋あらら」に寝泊りしているらしいが。

今日も、朝から暑いな。
あっ、下の畑のおばちゃんがきゅうりを持って上がって来る。
家の周りの畑から、いつももらい野菜。ありがとね〜。
さて、グルが来るまでに、一仕事終わらせるかな。



空ばっかりカイ！

ついに、おっちゃんは動き出した。

個展会場へ何日ぶりに戻ったんだ？
それ、観光ジャン！
女性オーナーに「萩の月」のお土産などを貰い、少し涼んで高速に乗っちゃった！イイノ〜？個展は・・・。

猛暑。おっちゃんは、東京に向かうようなことを言っていたな。あぁ、用心棒の宴会か！なんだか良く判らないが、高速を、南下しだしたね。
「おまえ、バグダットカフェ、って知ってるか？」おっちゃんが珍しく話しかけてきた。きままに生きている猫には、何のことか知らんぞ？
「連れてってやるからな」
おっちゃん、牛タン食ってなんだか優しくなっちゃったのかな？そんなこと言うの初めてだ・・・。

そうか、東京に「バグダットカフェ」という店があるのか？
それはパブ？おっちゃんには、似合わなさそうだが・・・。

高速を南下して３時間後、おっちゃんは、茨城県の友部インターで降りちゃった。もう、夕方の５時だしね。
そうか、笠間のおっちゃんの友達の陶芸家、陶ちゃんのところに行くのか？ジャァ、今日はそこに泊まりだね♪
いつも酒臭い酒場の二階でぐるぐるしているボクには、陶ちゃんのところは解放的で楽しいんだニャ！
猫が言うのもなんだけど、「空が広い！」
庭が広い！・・・まぁ、好きなところで寝るだけだけどね。
陶ちゃんに逢うのは何年ぶりかニャ、ずいぶん昔のような・・・。
早く行きたいな！

ということは、東京は、しかも海は、まだまだなんだニャ！

七夕飾り。風情か・・・。顔に掛かる感触も悪くないようだね。
真新しい紙は、切れそうな怖さがあるが・・・。
朝から、すごい人手だ。
ねぶたから回ってくる旅人も多いとか。たいていはリタイアしたご夫婦かな？
元気だね。
おっちゃんは、もうお店に入りたがっている。

出かける前におっちゃんは、いろんなところに電話して、牛タンのお土産持ってくる約束していたね。
繁華街は、「萩の月」「笹蒲鉾」「牛タンパック」の出店がメインだ。どこも試食のカゴを持った、可愛い女性が立っている。おっちゃんは、予定どおり店に立ち寄り購入しようとしていた、が、なんと真空パックでも「保冷でお持ち帰り、6時間以内に冷蔵庫へ」が原則だそうだ。「今年のこの暑さじゃね！」なんてお店の人も危険を強調してたな。
仙台34度。朝の10時だよ。
　クール便で送ろうにも、住所の控えを持ってこなかったしなぁ。真夏の祭りの出店なんだから、その辺の対処が欲しいところだな、なんてぶつぶつ言いながら、試食のタンスモークなどを口に運ぶおっちゃん。

どうするかな？一時間ぐらい悩んでいたな。
悩んでも、日曜日に渡そうと思っていたおっちゃんは、あきらめたようだね。これは帰って顰蹙もんだニャ。

でも、おっちゃんはまた、ある店に入って行ったぞ。
「喜助」、また生ビールを頼んだよ〜。ここは、メニューが豊富だね。
例の、狂牛病問題以来、安価で提供するために、様々なメニューを考えたんだそうだ。
これは、酒飲みにも合いそうな店だね。
おっちゃんは迷わずタン塩を頼んだね。
これが、旨かった！そう、求めてた味、なんてニコニコして食べてたな。
あと、たれのヤツも食べた。お店の比較は止めとくが、好みもあるだろうけど、ここのがおっちゃんの好みのようだったね。ゆでタン、タンあんかけの豆腐、ここは、きゅうりの漬物がどさっとついてきてた。

マスターにさっきの発送の話をすると、パンフ持ってきてくれて、親切に説明してくれたね。タンを焼いているのが若い職人で、マスターはその隣で「イイね〜、イイヨイイヨ〜今日の炭のおこり方、いいよ〜！」なんてニコニコして褒めてたよ。おっちゃんもニコニコしてたよ。
おっちゃんは、パンフを眺めて帰ってからＮＥＴで注文だな・・・と言っていたので、関係者の皆様、おっちゃんはお盆のころまで忙しく、追って到着すると思いますのでご容赦を！

「喜助」定禅寺通り店。おっちゃん、また来ようね〜！

ところで、ビールを飲み続けているおっちゃん！
そろそろ出かけないと、また、今夜も仙台に・・・。

海を見たいニャァ！
　

*おっちゃんからの小荷物の待てないヒトは、直接ド〜ゾ！　爆

おっちゃん、仙台も飽きてきたんじゃないの？
週末は東京に行くとか言ってたし。何でも大事な集まりがあるんだとか。
用心棒の大事な集まりテッ？（イテテ・・）

でも、仙台は人を落ち着かせるね。
杜の都。


おっちゃんは、すぐに飲み屋だ。

鼻が利くとか言ってた。いい飲み屋に当たるんだと。
国分町は、１８年前となんだかイメージが違うね。
きれいな飲み屋街だね。
前はなんだか歩くのさえも怖かった、と用心棒らしからぬことを・・・あっ、そのころはカタギか、おっちゃんは。

ここでアクシデント。デジカメバッテリー故障。
充電が不十分だったのか・・・？

試しに、ボクに押させた画像。
これで、最後かよ、仙台画像。よりによって、酔っ払いの用心棒！
まぁ、載せて見るか。

牛タンのパート�Uもあるんだが、画像がないじゃん！


早く、海に行こうよ〜。

オレがめずらしく酔いつぶれ、ぶちのめされて路地裏に転がっていたとき、
いや、酔いつぶれるのが珍しいんじゃない。
ぶちのめされて転がされていることが珍しいんだ。

そのころは、どうにもツキがなく何をしても裏目。
居酒屋あららのママに拾われていなかったら、どうなっていたのか。

路上で目が覚めたオレは、「どうってことね〜よ！」などど骨の折れていないことを確認して起き上がろうとしたときに、こいつに出会ったのだ。

酒だの、血の臭いだの別に怖がることなく、オレのソバにいやがった。



それからもう何年が経ったのか。

写真は、友人の陶芸家のところに連れて行ったときのものだ。
思えばヤツも羽振りがよかったな、あのころは。窯ばっかり焚いていたな。

猫に名前を付けよう、と言うことになった。
ママはどうも月組みたいな気恥ずかしいものばかり言っていた。
陶芸家は、「グル」て呼びやすいなっ！と、当時TVを賑わせていた、ある人物の呼称を言った。

「グル」
「そうだな、ふてぶてしく生きることも、大事だな・・・」
「猫自体が尊大だしな・・・」




「グル」が一度だけ車に接触したことがある。
雪の朝、どこを探してもいないんだ。半日探し回ったが見つからなかった。
鳴き声がかすかに聞こえる。
コタツの方からだった。
布団をめくると、そこにうずくまってグルが泣いていた。か細い声だった。血だらけだった。
生死の境から舞い戻ったところなのか・・・。

用心棒のオレは、二日酔いも忘れ、そのまま抱きかかえ獣医の所へ走った。
膀胱の炎症で済んだ、とのこと。破裂して大体死ぬんだそうだ。
つまり、間一髪。
オレは、不覚にも、生まれて初めて涙を流した。用心棒のこのオレが・・・。

しばらくは、グルと旅を続けるつもりだ。
この取り留めのないお喋りCATの話を聞いてやってくれ・・・。

*ママとちぃママはいつ登場するのか？
*海にたどり着くのか？
*グルは架空の存在なのか？

この辺の問い合わせが多く、とりあえず「グル」について述べてみました。

先ずは老舗「太助」へ。まだ5時ぐらいだ。観光客だね、店もどんどん人を入れる。
そんなに旨いのか？
仙台の牛タン名店各店はは全体のグレードUPと安心を計るために、牛タン、漬物、麦飯(100円）テールスープのセットがある。どこの店にもアル。多少価格の違いこそあれ、共通項を設けて安心して食べられる様になっている。5時に飯食ったら呑めなくなることを心配したおっちゃんは牛タンで生ビールをがんがんやっていたね。お店の人の隙をついて私に食べさせてくれた牛タンは、たれに漬け込んである牛タンだけの店でした。


厚切、ジューシー、濃厚！なるほど、これはイメージしていた七輪でたん塩をマッタリ焼いてビールをヤルのと違い、飯が食いたくなる！日本酒はあったりするものの、どうだろうか？一人前1000円の牛タンが冷めない様に食べても、冷酒などでのんびりやれるのだろうか？
最初に、たん塩、次にカルビ、なんてやっていた民族には、慣れない気もしたな！つまり、すぐに食べ終わってしまうのだよね。回転もすごくいい。仙台全体で作り上げてきた名物・・・。感覚的には異論はあろうもののファーストフードではないのだろか？
　もっとも、居酒屋などで牛タンを頼んでゆったりとやればいいのだけれどね。味は、抜群でしたよ！しかし、この後、たん塩が食べたくなり次の店へと行くのだが、そこはさらに旨かった！

次回を待たれよ！

夕暮れの仙台。

青葉通り　広瀬通り　定禅寺通り　・・・
なんとも文化の香りがするではないか！
中学のころは、言わずと知れた北杜夫「ドクトルまんぼう青春期」。
18年前に来たときは、仕事で深夜の国分町を徘徊するだけで、青年期の感慨などは微塵もなかった。
　そして今、個展にかこつけて仙台の地にいる。
今夜は仙台花火大会。明日から七夕。
しかし、お祭りにあわせた訳ではないのだ。ギャラリーの日程上そうなっただけだ。おっちゃんの狙いはすぐにわかった。
仙台牛タン！これを堪能するために来たのだ。
　それはいいけど、猫の私が店に入れるのかって？そこは懐の深い？おっちゃんの胸の中にいたと思ってね！
　おっちゃんは、用心棒のクセにデジカメが大好きでいつも持ち歩いている。仙台の夜もこれでシャカシャカやるのかな？

東一番通り商店街から駅までのアーケード街を歩く。


花火に向かう人の波がどわぁ〜！と押し寄せてくる。七夕も準備はしてあっても朝飾りつけをするのだそうだ。また夜も時間を決めて外すらしい。火をつける輩がいるのだそうだ。久しぶりに大量の人を見たね。穴に篭りっきりのおっちゃんは、さすがに疲れているのか、と思いきや速い足取りで仙台牛タン！の店へと向かったのだ。

牛タンの店に猫の私はワクワクドキドキなのでした！

一路、国見台・・・というところのギャラリー。
これは市街地に向う途中だな！
おっちゃんはぶつぶついいながら、高速から降り、気がつくと市街地のど真ん中へ！

「・・・？折立線はどこにあった？」
地図も持ってきてないおっちゃんは、まぁ、市内観光ドライブもいいか、などと決め込み、青葉城址、花火会場、県庁、東北大・・・とグルグル約2時間も走ったのだよ〜！。
アゲクノ果て最後は携帯で連絡し、迎えに来てもらう始末。

しかし、100万都市仙台は、でかいね！
杜の都・・・。

その場所に行くには、高速を市街地と反対側に降りなければならなかったの。市内からだと、えらい複雑な道なんですね。
翌日は、バスに乗ってみたけど、対向車とすれ違えないような道を、大型バスが走って行くのですよ。
そんな道、バスの後について行くしかいけない！
インターを逆方向に降りて、迂回してくる環状線なんだよな〜。
おっちゃん、歳取ったね。以前は、方向感覚だけは自信があったようだが・・・。

そんなこんなでギャラリーに到着し、ご挨拶を済ませ、あれ？と言うまもなく、車を置いて、再度市街地へ！しかもギャラリーの若きママに送って貰って・・・。
作品見ないの？え？いつも見てるからイイッ？
納得。


このかたが若き経営者のともちゃん。美しいね〜。しかし、おっちゃんは、仙台の夜の街に消えていったのでした。信じられない！！こんな美人を放って置くなんて・・・！そんなのbinnちゃんじゃな〜い！・・・え？

おっちゃんの友人にこれまた用心棒みたいな酔っ払いの 陶芸家がいる。

その人が、仙台で個展を開いているんだそうだ。
なんでも、新しいギャラリーなので、茨城県笠間の色々な作家が協力して、連続で作陶展を開いているんだそうだ。

仙台に行くのか？
それどうも、観光くさいな！

鬼門の磐越自動車道は、４車線化工事が進められ、大分快適になってきたね。
以前は、大雨、事故、土砂崩れで3時間ぐらい止まってしまう高速だった。
つまり、２車線。これには参ったね。時間の計算が立たない。
ここを通らなくても、下の道から東北道にアクセスすればいいんだけど。

そんなこんなで仙台宮城インターに着いちゃった。

おっちゃんは以前カタギの仕事をしていた時に、仙台は良く来ていたらしく、自信満々で道路地図さえ持ってこなかった。
仙台なんて、どうにでもなるよ！などと、いつものように根拠のない自信を私にフキながら、高速を降りたのでした。これが地獄の入り口になろうとは、誰が想像しただろうか！（あとで聞いたら18年前の話だってさぁ〜！！
まだ到着してないけど、ギャラリーのテーブルコーディネイト。