小3〜4の頃だと思う。
旧チャペルからT町の駅前に引っ越して来て、母は、
そろばん塾を始めた。
帰ってくると、
ヒトが大勢いた。
ボクは、それが楽しかった。でも、一緒にそろばんを習う気はなかった。
ただ、ランドセルを投げ出して遊びに行くということもなかった。
そろばんに来ている
兄ちゃん、姉ちゃんたちが遊んでくれたからだ。
しかし、そろばんをしに来ているのだ。そんな時間もなかったのではないか?
そろばんの袋の入ったかばんを提げてうちに来た時と、帰る時、休憩時間に庭にいたボクの相手をしてくれた。
それも、次第に慣れてきたのだろうか?
当然小学校の校庭へと、戻り始めた。
当時は
ソフトボールがメインだった。
グローブを持って走っていく。
暗くなるまでとことん遊んだ。
そうして遊んで帰ってくると、今度は高校生の兄ちゃん、姉ちゃんたちが来ていた。
子供心には、もう、完全な大人だった。
みんな優しかった記憶しかない・・・。
それが済んで夕食。
そんな一日だったと思う。
そのそろばんを習いに来ていた人の中に、
Mさんという小6の女の子がいた。
背が高く、美人だった。
そして、何よりも優しかった・・・。
ある日いつものように学校から帰って、今日は自分の部屋にいた。
雨降りだったからである。
そろばんの人も少なかった。
そういえば庭だけでなく、ボクの部屋に来て漫画を読んだりしている兄ちゃんたちもいたなぁ〜。
ボクはやっぱり漫画を読んでいたんだと思う。
時間は午後の4時頃なのだろうか?雨なので、部屋が暗かったように思う。
部屋の戸は開けっ放しだった。
「陶ちゃん(ちがうけど)・・・」
声がした。
いつも誰かが入って来るので「
なぁ〜に〜?」と可愛く振り返ると、そこには、あの
Mさんが一人で立っていた。
だいたい部屋に来るのは、癖のある兄ちゃんばっかりだったので、ボクは驚いた。しかも、Mさんはいつも誰かと一緒だったりしたからだ。
部屋に二人っきりになった。
ボクは顔が赤くなってゆくのがわかった。だってMさんはみんなの憧れの人だったからだ・・・。
「陶ちゃん(ちがうけど)、コレッ!」
そういってボクのそばに来たMさんは、
箱からあるものを出して、ボクの手に乗せたのだった・・・。
Mさんからいい匂いがした。
ドキドキする音が、Mさんに聞こえちゃうかな?と思った。
少し陳腐な表現でスマソ・・・。
続きます。
あれ?野球の話じゃねえのかよ〜!
初恋なんか聞きたくね〜ぞ!
と、お思いのアナタ・・・。ここからが、はじまりです。

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