「陶ちゃん(違うけど)!アレ、西田敏行じゃないか?」
そういうと彼の方へ、脱兎のごとく駆け出して行った。
バッグから万年筆を取り出しながら・・・( ̄▽ ̄;)
オレの流儀がぁ〜〜〜遠のいてゆく〜〜〜
そう思いながらオフクロの跡について走った。
家の表札は「西田」だった。
近所の人は挨拶をして別れ、西田さん夫妻だけが立っていた。
西田さんは赤ちゃんを抱いていた。
「こんにちは〜西田さんですよね〜?」
オレの流儀がぁ〜!
「はい・・・」
「ここに住んでらしたんですか!奥さんですか?
お美しい・・・」
オフクロのマシンガントークが始まった。
「今日は、どちらから?」
「息子が祖師谷に住んでいるんですけれど、学生ですけど、今日は休みナモノでワタシが田舎から出てきたもので、芦花公園に連れて来てもらったんです・・・」
西田さんはボクを見た。
「親孝行ですね・・・」
「たまに来るんですよね〜・・・オフクロ。
西田さん、ボクNHKの-ぼっちゃん-の時、西田さんのファンになりました・・・」
「観てくれてたんですか。ありがとう」
あの時の西田さんは凄みがありましたよね・・・と言おうと思ったらオフクロが言った。
「西田さんは福島ですよね〜・・・ご出身・・・ワタシも福島で生まれたんですよ〜・・・」
「そうなんですか・・・もう何年も帰ってないですね〜
福島どちらなんですか?」
そんな会話が続いた・・・。
西田さんは自分の家の前でくつろいでいたにもかかわらず、オフクロに付き合ってくれていた。
「記念にサインいただいていいですか?陶ちゃん(違うけど)・・・なんか、紙・・・ないか?」
( ̄▽ ̄;)
色紙なんてあるわけないじゃないの!
オレの流儀がぁ〜・・・・
ちょうど芦花公園のパンフレットを手に持っていたわけで・・・。
「こんなのですみません・・・」
「公園に来た記念にもなるし・・・お名前も入れましょう・・・」
そう言って、西田さんは日付とオフクロの名前を入れて、蘆花記念館のパンフレットの余白にサインをしてくれた。
その字は、大らかで優しかった・・・。
ボクは言った。
「お休みのところをありがとうございました。
オフクロというか、ウチの家族は西田さんの大ファンなんです。
ボクにもサイン下さい!」
( ̄▽ ̄;)
そう言って、パンフを渡した。

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