犬を乗せたマークUステーションワゴンは、途中何度かSAに寄った。
犬のトイレなどの体調を考えてだ。
だから、二時間ごとの休憩で殆ど疲れることはなかった。
予定は、宝塚を降り、福知山を抜け鳥取砂丘、蒜山、大山、そして出雲横田の方へ抜けるルートだ。
福知山線の駅で一泊し、大山山中の駐車場で一泊。
三日目にかの実家に到着する事となった。
街道から少し入ったその家には姉夫婦が住んでいた。
遠い所を良く・・・
などと挨拶を交わし、犬を庭につないだ。
旦那さんは朴訥な人だった、がボソと
犬は迷惑なんだよな・・・
近所もあるし、泣かれると迷惑なんだよなぁ・・・
と独り言のように呟いた。
そうだろうなぁ〜、ましてヒトの犬を預かるなんて・・・。
この辺、静かだしなぁ・・・
朝、ワンワン鳴いたら・・・めんどうだなぁ・・・
ボクはただの頼まれビトだとしても、疎まれるのは確かだった。
夜になり、ご馳走で歓待され、ボクは早々に寝てしまった。
離れのトイレも構造上の怖さはあるものの、彼女の話を思い出すほどの事もなく疲労で深い眠りについた。
翌朝、凄い鳴き声で目が覚めた。
コケコッコ〜
オイオイ・・・。鶏・・・飼ってるのかよ・・・。
犬より・・・うるさいぞ〜!
ボクはこのあと釣りを兼ねて津和野、萩まで行き、中国自動車道を戻り西条を通り、この町に戻ってきて何泊かするのだ。
少し、犬との別れも寂しくなってきたのか?
問題はこの再宿泊で起こるのだ・・・。
続く。

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