小学校を通り抜ければ近道だった。
当時はフェンスなどない。
それは正門側から入り、校庭を斜めに突っ切って一年側の校舎の裏の離れ便所の更に裏側の道を抜けて出入りする道・・・。
ある噂がたった。
校庭を抜けようとして、先の離れの便所前を抜け、渡り廊下を横切って校庭に出る。
渡り廊下にその殺されたW先生が立ってるという噂だ。
春の夕暮れ、W先生が立っていて、
ここを抜けてはだめですよ・・・・
と声を掛けられたと・・・。
それは白いカーディガンを着ていて、あの日の、殺害された日の姿だそうだ・・・。
その噂は強烈だった。
更に、放課後に校庭で遊ぶものなど誰一人としていなくなった。
ボクはその手の話を信じていなかった。
クリスチャンである事が恐怖を生まなかった要因なのかもしれない。
少し意味不明!笑
しかし、この話はまことしやかに噂された。
渡り廊下を上がった教室が現場だ。そして離れの便所・・・。
昼間の児童の喧騒が消えた静寂な空間の恐怖・・・。
夕闇・・・。
W先生をボクはよく知らない。
関係した児童達のある種のトラウマが、この手の話を増幅させていったのかもしれない・・・。
話はこれではない・・・。
そんな不安な春の日に事件は起こった・・・。
授業中に突然扉が開いてT子が入ってきた。
午後の時間だったか・・・?
不思議な事があるものだ。
今までT子がいなかったなんて、先生はおろかボク達でさえも気が付かなかったのか?
T子は、少し大人びた、可愛い感じの大柄の子だった。
教室に入ってくるなり先生に言った・・・。
その身体はガタガタと震えていた。
あ、あ、青い手が・・・
そう言って泣き出した・・・。
これが殺人事件から続く第二の驚愕の事件の幕開けだった。
続く

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