店は忙しく、もうお任せで焼き鳥がお客さん順に運ばれる
その味はかなり美味だった
総長も絶賛した
増築された箇所はお客さんが造ったそうだ
「昔はこの場所にブルーシート張ってな〜寒かったっけ!客が店造った所なんてね〜よな!みんな手造り!」
知合いのMさんがそう言って笑った
先の宴会に出かけていた女性二人も何を思ったのか店に戻ってきた
陶芸の話になり、新しく入ってきた年配のお客さんは化学の先生だから釉薬は少しわかるよ〜などと言いながら、やおらかばんからフルートを取り出し、演奏を始めたり(笑)、女性二人には陶芸やりに行きたい!電話していいか!と絡まれ、一人は眠る始末だし、懐かしいお客さんとは昔の共通友人の現状を話し・・・そうして所沢の夜にボク達はドンドンドンドン酔っ払っていった
そろそろ別の店に、ということで総長と店を出る
「秀ちゃん・・・一年に一回ぐらい来るね!」と言うと周りのお客さんが
「そんな事言わないでしょっちゅう来てよ〜」
「昨日マンさんが来たんだよ・・・昨日なら会えたのに・・・」
「この前ね、このお店の25周年記念をやったんだよ!連絡できればね!」
いままで距離的に話せなかったので、みんな懐かしそうに一気に話しかけてきた
25年か・・・
店を始めたころからの付き合いだ
結局・・・地道に継続しているヒトが・・・一番なのかな
そんな陳腐なことを思った
一年に一度・・・そんなことも無いだろうな・・・
秀ちゃんに今日会えた事で気持ちの整理が付いたのかもしれない
あの頃の、中途で途絶えた関係になのか・・・過去という迷路の出口が見つかったことでなのか・・・ナンチッテ
小樽ナントカというお洒落な居酒屋
ホテルは市内ではなく電車で移動しなければならない
そのために泥酔できず、総長との会話も鮮明に記憶している珍しい夜 笑
駅のホームで総長が見送ってくれる
「寒いからいいよ〜」と言ったところに総長へメ〜ル
「忘年会、無事終わったって!」
「えっ?今日忘年会だったの?」
それを差し置いて・・・ボクの過去への旅への付合いを選択してくれたのか?
やはり、総長だな!
急に総長がいとおしくなり駅のホームで思わず総長を抱きしめた! と、この辺妄想です 笑
しかし、この忘年会発言がボクの軟弱な気持ちを一変させた
電車で、ホテルで、帰ってきてから考えた 笑
過去じゃないんだよね
みんな場所は違うがそれぞれの生活があり、それぞれの時間を過ごし、様々に喜怒哀楽・出会いと別れを矜持し、耐える・・・それが人生ではないのか
つまり
過去という時間を克服できたのなら・・・距離なんてたいしたことではない
いつでも、快適な店に行けばいいんだよ 秀ちゃんに会いに行けばいいんだよ
そのために日常を頑張り、時間や例えば金銭的なモノを作る
そういうことなんじゃないのか?
そして
偶然にも同じエリアに住むナッツ友人総長@まりこちゃんが、こうして来てくれるじゃないの!
そう、行動することが重要だ
だから
「新・所沢グラフィティ」
新しい関係の始まりだと思った
NETでの繋がりから始まるもの、あるいは踏み出すことで得られる、新しい関係の・・・
なんてしょっちゅう来られても総長も困るだろうけど 笑
「新・所沢グラフィティ」 了
*総長、寒い中ありがとう あの日のことはボクの心の中に永遠に刻まれることでしょう・・・

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