エイベックスを擁護すべく、パクりを肯定する本が出版された。
先日、宝島社より『「パクリ・盗作」スキャンダル読本』なる本が発売された。
『アイドルから人気作家まで有名人を襲った「パクリ疑惑・盗作事件」のウラ側、全て見せます!!』などという煽りが表紙に書かれている。
ところが、この本を手にした人物から、レビューが届くと、それはかなりひどい内容であったという。
表紙には大塚愛の名もあり、一連の大塚愛の盗作疑惑についても触れられているのだが、読者の声と称して「いろいろな物からパクる大塚愛は面白い」「むしろwyseという素晴らしいバンドを知ることができて感謝している」など、賞賛する言葉が並べられ、「大塚再生工場と呼ぶべき(パクリではなく、一度『死んだ』曲を新たに作り直すことで蘇らせているというニュアンスだろう)」とも書かれていたらしい。これらの意見は、盗使哀などのパクリ検証サイトなどに寄せられる大塚愛擁護の意見と共通点が多い。
また、のまネコ問題についても触れられているが、全体的にエイベックスの肩を持つ意見で、「のまネコを許さないと言うことはFlashに市販の音楽を自由に使うチャンスを潰す行為」という、どう結びつくのかよく分からない意見を添えて2ちゃんねるを批判していたという。Flashなどに市販の音楽を用いることが基本的にできないのは著作権関連の話であり、そもそも、「キャラクターの盗用」と「ネット向け作品への音楽の使用」がどうすれば直接影響するのか不明である。
本を全体的にみてみると「盗作は昔からあったものであり、騒ぐ方がどうかしている」「盗作について騒いでいる人間は音楽について何も分かっていない」「2ちゃんねらーは常識がない」と言う主張がちらほら見えるとか。
この本を出した宝島社は若者向けに多くの本を出しており、音楽関連の書籍も多い。そう言った繋がりからか、エイベックスとは懇意にしているらしく、合同で
コンテストを開催しているほか、雑誌にアーティスト露出させたりもしている。
別冊宝島シリーズには「音楽誌が書かないJポップ批評」シリーズと言う物があり、人気アーティストについて賛否ともどもの辛口の批評を掲載しているようだが、エイベックスアーティスト単独の物はない。辛口で批判することができず、変に偏った意見ばかりになるなら出さない方がいいと言うことなのだろうか。だいぶ前に出た「浜崎あゆみVS宇多田ヒカル」と言う本はあるが、内容は想像に難くない。これらの本を読んだことはないので想像でしかないが。
宝島社と言えば「BANDやろうぜ!」シリーズで多くの若きアーティストのたまご達を育てたシリーズでもある。そのような会社からパクりを容認し、パクり批判を貶す発言があったというのは遺憾である。このシリーズで音楽の道を志した人達はどう思うだろうか。
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