音楽には細則、約束事というものが存在し、それは楽典という名で表される。
これはそもそも音楽に於けるかなり広義な諸分野の総称であり、西洋東洋等(勿論西洋音楽を基にしたものだが)などの地域、演奏、作曲、鑑賞のベクトル、果ては声楽、器楽、などの演奏形態、ジャンル問わず網羅しているため、その全域にわたる知識の獲得には充分な魅力を途中で感じられなくなる学生は多い。(野球を愛する人が野球理論に興味を持ちこそすれスポーツ全般がその対象の運動学に興味を持てない事と同義である)
しかしその広範囲、多分野に渡る楽典の中に、どの属性を持つ人にも音楽家なら共通して学ぶべき項目がある。
あまり知られていないがそれは音楽通論というなで世に存在している。
それを音楽家は学ばなければならぬ。
理論に捕われる事を嫌う人間がいるのは結構だが、人の言葉を借りれば『理解無くして反論無し』であり、一体どのまでが理論の範疇であるかと言うことは、その通論理解無くしては判断し得ない、と断言出来る事は理解に易しいと思う。
そもそもある分野に関心を持ち、それに従事しようとするならば、関連した分野にその興味を注ぐべきである事は、偉大な音楽家が、同時に偉大な研究者であった事からも明らかである。
演奏家に例を留めるが、バイオリン奏者なら自分の体躯骨格に興味を持つであろうし、管楽器奏者なら自ら歯並びに疑問を抱く事が無いはずがない。
特に金管楽器なら筋肉作用にもその範囲は広がる。
それ則ち解剖学へのアプローチの必要性の現れである。
幸い自分は歯並びに問題は無いが、生まれもって(やや謝り、後天的な)顎間接症であり、普段目には見て取れぬが、明らかな不合理が口喉内に起こる。それがどのような状態であるか理解、それによる対応策を探究している事は理に適っていると考えている。
他にも筋肉部位の作用、臓器の位置の理解などにも興味を持って研究している。
これが国規模で隆盛であるのが英国であり、特に英国ホルン協会では、常に興味深く、宝の如き光りを放つ論文が広く公開されている(アレキサンダーテクニークの教師でもあるピップ・イーストップ氏の『横隔膜の支えの概念の解剖学的誤り』を主張する論文が興味深く、同氏のホームページで閲覧可能)
音楽の分野に限らないが、人は興味の対象、それに伴う多範囲にわたる分野に興味と理解を示さねばならぬ。
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