長丁場のオーケストラ演奏をしていると、どうしてもある事柄が気になってくる。
則ちピッチ。
楽器は演奏をしていると、微細、しかしながら確実にそれぞれの持つピッチが変化する。それは時間をかけ少しずつ変わってくるので、それ相応の、独特な能力を持たなければ気が付く事、そして修正することは叶わない。
まず『ピッチ』の語彙の確認をしてみよう。
ピッチ、それ則ち『音高低』であり、今回は広義の意味を取り『楽器の持つ、基準となる音の高低』を指す。
語弊があるので言明しておくが、ピッチと音程は意味、その指し示す事柄が違う。
ピッチは音の高さを表すのであり、高い低い、若しくは適当不適当がそれに相当し、それ以外の言葉で表される事はない。
しかして音程は『音の間隔』であり、ある音とある音との距離を指し示す。
則ち適当な語は、広い狭い、遠い近い、の語で表される。
非常によく耳にする言葉に『音程が低い』などというものがあり、特に学校音楽の場で遭遇しやすい(時には熟練した音楽家の口からですら!)。
言葉の意味から、適当な語では無いことは明らかである。にも関わらずそれが蔓延していることは単純な知識不足、鋭敏(それほどてもないかもしれない)な思考力不足を意味する。
ひょっとしたら『何をそんなに細かい事を…』と怪訝な顔をなさる方もおられるかもしれないが、この細かい探求心が音楽の向上に繋がると信じている。また、個人的な事だが自分は『正しい言語』に大変な愛おしさを感じており、このようなチラシの裏にでも書いているような駄文ならまだしも、音楽向上、という大きな目的意識の存在する場所ならその気持ちはさらに強くなる。(ら抜き言葉、全然いい、等の言葉に疑問を抱かないか!?)
長くなるので次回に持ち越す。
追記…専門的な語だと思われるが、『音程がぶら下がっている(吊り上がっている)』という言葉がある。
これは『直前の音から音が上昇した際に上昇しきらず、望ましい音にぶら下がっているように感ぜられる』ということ(あるいはその逆)である、というインスピレーションからによる造語だと思われる。
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