昨年7月の新潟・福島豪雨で、JR只見線の第5、第6、第7と3つの橋梁と路盤が流されました。
そのため、只見線では、会津川口と大白川間で不通になったままです。
先日、その事情に詳しい友人と会って話したところ、すべての修復費用に100億円必要だそうで、運転再開はかなり厳しいのではないか、ということでした。
学生時代に私は会津若松から小出まで只見線に乗車しました。
高松から17000円の「東北ワイド周遊券」を購入して、行きは急行「きたぐに」を新津で降りて磐越西線、帰りは周遊券が有効な只見まで乗車して、小出までの切符を別途購入して、夜行急行「鳥海」で上野まで移動しました。
当時の時刻表を見ると、只見線には会津若松から小出までの急行「奥只見」、そして仙台からの急行「いなわしろ」が何と7時間をかけて只見まで走っていました。
また、上り急行「鳥海」は小出に停車しないため、長岡まで移動して深夜1時52分に乗車したのですが、座れずにデッキで立ったまま清水トンネルを通過し、その時の走行音を録音したカセットテープがあります。
さて話が脱線しましたが、先日整備新幹線の北海道ルートなど3路線の着工が認可されました。
事業費3兆400億円だそうです。
過疎地の鉄道復旧よりも莫大な費用をかけてでも新幹線を走らせたい、とする国の姿勢が明らかになりました。
時代の流れなので、仕方ないかと思いますが、北海道へは飛行機で、長崎へは博多から高速パスや「かもめ」で、北陸へは「サンダーバード」ではダメなのでしょうか。
3兆円もかけて時間短縮する必要があるのでしょうか。
しかも、只見線は併走する国道が豪雪で通行止めになるため、冬期は住民の生活の足として重宝されてきました。
それが復旧されないとなると、一大事です。
先日只見駅を訪れました。
ひっそりとした駅には自家用車が数台停まっているだけで、駅前には誰もいませんでした。
切符売り場に「只見線早期復旧の署名」があったので、名前を書いてきました。
「小さなこのノートが、きっと何かの役に立って、国を動かしますように」と願ってきました。
30年前に訪れた只見駅を再び訪れると、時間の流れが止まってしまい、まるで昨日のことのようでした。
私はよそ者ですから、所詮関係ない人間です。
しかし、地元の方々にとってみれば、只見線の復旧はまさに死活問題です。
新幹線も大事だとは思いますが、無理だと分かっていても、1日も早い只見線の復旧を願いたいと思います。
列車の来ない只見駅は寂しそうでした。
只見川第3橋梁を渡る列車。
