昭和7年5月15日、青年将校たちが犬養毅首相を暗殺して国家の体制を変えようとしました。
またそのわずか4年後の昭和11年2月26日には、高橋是清蔵相などの穏健派の政治リーダーを暗殺するクーデターが勃発します。
私はこの二つの事件が、その後の日本の進むべき道を変えてしまった、と思っています。
彼らを「反乱軍」とした昭和天皇は、戦車を先頭に2万4000名の軍隊で青年将校たちを包囲して、クーデターは終結しました。
一件落着のように思えましたが、実はこの時の軍の圧倒的な威圧感に政治家も国民も恐怖心を覚えました。
昭和天皇の方針は決して間違ってはいませんでしたが、軍が自分の力を過信したことと、自分たちが天皇の軍隊という感覚が、その後の日本を戦争へと導いてしまったのです。
そして昭和16年12月には遂に勝てるはずのないアメリカと戦争を始めてしまいます。
実は私は、中学校の歴史でも高校の日本史でも、日本の近代史は習ったことがありません。
せいぜい坂本龍馬や西郷隆盛まで。
だから、日本が大東亜共栄圏建設という名目で、アジア諸国に何をしたのか、何故アメリカと戦争をしなければならなかったのか、日本の若者たちのどれだけがそのことを理解しているのでしょうか。
アメリカと戦争をしたことを知らない大学生もいるそうですから。
集団的自衛権に反対している日本人が沢山います。
戦争を決して繰り返してはならないことは、すべての日本人の願いです。
ただ、自国の近代史をよく勉強したうえで、正しい判断をすることがより大切だと思います。
日本は民主主義なので、集団的自衛権に反対の人が多ければ、それに従うのが規則であり、いくら総理でも反対することはできません。
郵政民営化とかで国民に信を問うのではなく、まさに集団的自衛権で問うべき事態なのかもしれません。
また、せめて高校の日本史では江戸時代以前のことはスラリと流して、近代の日本の歴史をしっかりと勉強し、日本が経験した戦争について友と語るべきではないかと思います。
聖徳太子や空海には気の毒ですが。
そうしないと、韓国や中国が今何を言っているのか、また北方領土は何なのか、分からないのではないか、と思います。
世界広しといえども、日本くらい平和な国はないと思います。
日本なら過去の経験から、世界を平和に導けるのではないか、と私には思えるのです。