今年はセンバツに大きな楽しみがあります。
鹿児島県の奄美大島にある県立大島高校が、実力で甲子園出場を勝ち取りました。
大島高校は14年に甲子園出場していますが、その時は21世紀枠の推薦でした。
そして今年は実力で、8年ぶり2回目の出場を決めました。
私も五島に住んでいたので、先生と雑談をして離島の高校が甲子園は手が届かない遠い存在であることを知っていました。
それは、
生徒数が圧倒的に少ないこと
実力のある選手は本土の私立校に進学すること
18人集まらないと練習試合が出来ないこと
遠征に行くにもフェリーで何時間も移動に必要なこと
その費用の負担が困難なこと
を聞きました。
そのため、天地がひっくり返るような何かが起きないと無理だと思っていました。
実力のある私立校なら野球部の先輩が沢山いるので、甲子園出場が決まれば一口10万円と言われる寄付金が目を瞑っていても集まるのですが、実質初出場なので先輩をアテに出来ません。
地元の人に頼るしかないのです。
例えば徳島県の歴史を振り返ると、半世紀も昔なら父親の漁を手伝って力を付けた海南高校の尾崎幸雄や満州で生まれた徳島商業の坂東英二が優勝しましたが、今は時代が違います。
当時、彼らは貧しさ故に公立高から甲子園とプロを目指したのですが、今は裕福だからこそ優秀な選手は私立校からプロを目指しているのです。
特に海南高校は吹奏楽部も無く、和歌山県の海南高校がその時に甲子園に出場していたので、友情応援してくださいました。
でもそれは昭和の話で、現代では甲子園もプロ入団も金の世界なので、貧しいとそれだけで野球など出来ないのです。
また強豪校の甲子園出場選手の出身中学を調べると県外がほとんどで、実は高校のある地元はあまり応援していないことが判明し、その頃からアホらしくて高校野球に興味が無くなりました。
さて大島高校が出場を決めた最大のヒーローは、投手の大野稼頭央投手です。
彼は中学時代から頭角を表し、高校進学の時には全国の私立校から誘いがあったそうですが、バッテリーを組むキャッチャーが大島に残るように話したそうです。
「どこにいても目標は一つ」だからと島に残りました。
そして名前から分かると思いますが、父親がライオンズの松井稼頭央選手の大ファンだったそうです。
確かに松井選手のルーキー時代は素晴らしい選手で、今はヘッドコーチをしています。
近年のドラフトで、松井稼頭央コーチのライオンズに大野稼頭央投手が入団する可能性もあります。
先ずは甲子園で自由に大暴れすることです。
そして私は、大島高校や公立高校が強豪の私立校を薙ぎ倒し、優勝するように応援したいと思います。
蛇足ですが、過去に春も夏も徳島県は公立高校しか甲子園に出場していないので。