有明の月は、次第に細くなって暁月、そして朔日(新月)に変化します。
「今来むと 言ひしばかりに 長月の
有明の月を 待ち出つるかな」(素性法師)
(今行くと言ったのになかなか来ないじゃない、待ってたら夜遅い9月の月が出てしまったよ〜)
平安時代の貴族は、詩を詠みながら
「このまま月が消えてしまって、再び出て来なかったらどうするの?」
と心配したかもしれません。
さて私が考えることでも無いのですが、月の不思議を考えていると、夜も眠れなくなります。
まず、その誕生。
1)まだ柔らかかった地球からポンと飛び出して、その跡に水が溜まって太平洋になった説
2)フラフラと宇宙の彼方から飛んできた衛星が地球の軌道に捕まった説
3)地球が誕生した時にカケラが出来た説
まあ様々な説がありますが、2)はM78星雲のウルトラマンじゃあるまいし考え難いと思います。
しかも地球の引力に引かれて衝突するのならともかく、衛星になる可能性はゼロです。
また3)は、残念ながらアポロが月面から持ち帰った「月の石」は、地球とは全く異なる物質でした。
と言うことは、消去法で太平洋から飛び出した説が有力なのでしょうか?
また月は地球の引力に引かれて、毎秒1.4ミリ落下しているそうです。
でも安心してください、落ちて衝突することはありません。
その分、遠心力で釣り合っているので、それはそれは実に長い付き合いです。
月は時々、どこかへ飛んで行きたくなるかもしれません。
月は1日で1回転しているため、昔から見ている月は同じ面です。
その原因としては、実はラグビーボールのような楕円形をしているのではないか、と言われています。
ラグビーボールの尖った先を中心にして回すと、回転が安定してパスが出しやすいのです。
でもそれは誰も見たことがないので妄想の域を出ません。
ウルトラマンでも月をボールにしてラグビーは出来ないと思います。
また京都の銀閣寺は07年の調査で、当初は黒漆で塗られていたことが判明しました。
それは、月の明かりに照らされると銀色に輝くという、金閣寺が華やかなのに対して質素な美しさを足利義政は演出したのでした。
月は地球の世界遺産まで美しく輝かせ、見事な仕事で人々を感動させたのでした。
そして、かぐや姫は月に住んでいました。
日本ではウサギが餅を炊いていました。
様々な憶測が飛び交いましたが、先ほどの詩を詠んだ素性法師(そせいほうし)は、自分が振られたことに早く気付くべきです。
待ってても彼女は来ませんから。
その哀れさに同情して、また寝られなくなりそうなので、月は責任重大です。