renaissancejapn@aol.com

2006/1/29

資本主義-2  国際政治・金融・企業

ユダヤやプロテスタントが何故、経済発展していったのかを考察する前に、最近はやりの
ITビジネス、ベンチャー企業について考えてみたいと思います。

約30年ほど前の、パソコンの黎明期から、大学や大企業で最先端技術を学んだ技術者達が、ベンチャー企業を起こしてゆき、1980年代にアメリカでベンチャーブームとなり、日本でも少し遅れてブームとなりました。

ちなみに、1968年設立のインテルや、1969年設立のAMDにしても、半導体産業の学校とまで言われた、フェアチャイルド社からスピンアウトした、ゴードンムーアやジェリーサンダースによって設立されたベンチャー企業です。



多くのベンチャーは、このように最初からかなり高い技術力を持ったものでありましたが、そのうちマスコミが騒ぎ出しベンチャーブームとなるや、大衆社会よろしく、何も技術も資金も持たぬ人達が、ブームに乗り遅れまいと次々とベンチャー企業を起こしてゆきました。

コアコンピタンス(核となる競争力)を持たない人が、独立しても結果は最初から見えています。 結局、そこで何が起こっていったのかといえば、今のホリエモンと同様に詐欺
が流行しました。 例を挙げると、株式を上場する前に、自分の会社についてウソ・ハッタリを流布しておき、上場し株価が高くなっているところで株式を売り払ったケース。

また最先端の技術開発に成功したとウソ・ハッタリを流布し、その技術のライセンス先をみつけておいて、巧妙な契約書で技術が出来ていなかっても彼らに責任がないような内容にしておき、ライセンス料をもらった後は、トンズラで、フタを明けてみると屁のような技術でつかいものにならなかったという事件も多発しました。 

この場合、ライセンスを受ける側が見抜くに困難なことは、技術を確かめようとすると、彼らにとっては、お金を払う前に、技術内容の情報開示してもらわねばならないからです。よって、技術の買い手も、ある程度は、リスク承知で望まねばなりません。

私の知るところでも、アメリカのベンチャーに資金協力の契約をし、共同開発していた途中で、お金を渡し開発試作品を待てども何も連絡がなく、状況を調べにいくと、その試作品を作るための金を持って、トンズラされてしまった日系企業がありますし、イギリスのケンブリッジのサイエンスパークにあるベンチャーに約1億円近い金をライセンスの初期費用として支払ったものの、フタを明けてみると、量産はおろか開発段階でも、そのレベルは市販品のものより、はるかにレベルが低く、泣き寝入りした日系企業を知っています。

私の常識感覚からすると、そういった怪しいベンチャーを信用する方が、どうにかしている訳ですが、これまたマスメディアの乗せられ、欧米のベンチャー企業から最先端技術を購入するというブームに乗り遅れまいとした、愚かな経営者の姿があるわけです。


既に20年前から欧米で起こっていたこれらの事件は、ホリエモンをはじめとする自称IT企業家の若者達のケースに、非常によく似ています。

ITがマスコミで騒がれると、ブームに乗り遅れまいとし、資金も技術力も、会社経営についての最低限の知識も見識もない若者達が会社を起こす。 

当然何のコアコンピテンス(自分の核となる競争力)を持っていないが故、会社経営は詐欺手法に頼らなくなる。

また、しっかりとした個人の思想や哲学を持っていないので、自分にとって確かなものが分からなくなり、確かな物を、ブームに乗り、人と同じ事である事と、金銭に安心を求めるだけの、哀れな根無し草となってしまいます。

ホリエモンは、自分にとって確かな存在(特に我が子)、であるはずの家族を捨て、自分が作った子供にも会いたくないとマスメディアでほざく姿には哀れみすら感じます。

大体においてこんなコメントをマスコミで流す必要性は全くなく、何の罪もない子供が、この実の父親の発言を聞いて傷つく事くらいは、考える余裕を持って欲しい物だと思います。

何故、そのくらいの余裕もないかと言えば、大衆社会における、根無し草の、愚かな大衆その物で、自分にバックボーンとなる、何の実力や哲学がないが故に、確かな物を見失い、家族を捨て、

彼にとって確かな物は、ITブームに乗り遅れまいとし、人と同じ事をする事によって心の安心を見出す事と、マスメディアに登場し、騒がれる事で、自分の存在が確認できる事、それとその基盤を維持する為の、お金だけとなっていっているのです。  私に言わせれば、バックボーンとなる実力もなく、会社など起こすと、倒産して人に迷惑をかけるか、今回のように詐欺をせざるを得なくなるか、いずれにしても将来は見えています。

まさに彼は、ハイデガーが指摘した大衆社会での、象徴的な愚民大衆に当てはまる人物であると思います。

また、社会やコミュニティ、また家族から切り離され、アイデンティティを失った大衆は、従来の価値を攻撃する物の、あらなた確かな価値を見出す事ができず、二ヒリズムに陥ります。

ドイツ語で、ニヒリズムは「Nihilismus」と書きますが、虚無主義とかヒステリーという意味があります。 特に左翼系メディアによく見られますが既存秩序への攻撃やヒステリー、会社や組織などからドロップアウトした人達による既存社会に対するヒステリーも、まさに大衆社会の特徴と言えるでしょう。  ニーチェによると、ニヒリズムは、諸価値の崩落により起こされるものであると言っています。

大衆社会に特徴的な物は、確かな物の価値が崩落し、自己のアイデンティティを喪失してしまっているが故に、確かな物を、ブームに乗り遅れまいとし、人と同じ事である事や、人と同じ話題で意味ないおしゃべりをする事に見出し、それにより心の安心を得、既存の社会に対してヒステリーを起こし、確かな物を、お金だけに求めるという物です。

大衆社会の代表的な特徴を持つホリエモンを例に、話してきましたが、これは今日の多くの、我々日本人にも当てはまる事であります。 
2


※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く

名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ