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2006/5/24

ヤコブと神の格闘  旧約聖書
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■ヤコブの天使との格闘(Jacob Wrestling with the Angel) 1854-61年
Oil and wax on plaster, 751 x 485 cm (whole painting)
Saint-Sulpice, Paris
ウージェーヌ・ドラクロア(DELACROIX, Eugène)作


旧約聖書(創世記32章) 要約

ヤコブは故郷へ帰ることになった。 そして兄エサウが住むエドムの地に着いた。 ヤコブは、裏切った兄を恐れていた。 そして神に祈った。 ヤコブは、兄エサウの為に、たくさんの贈り物を用意した。 

それは、雌山羊二百匹、雄山羊二十匹、雌羊二百匹、雄羊二十匹、乳らくだ三十頭とその子供、雌牛四十頭、雄牛十頭、雌ろば二十頭、雄ろば十頭であった。

そして、先頭を行く者には次のように命じた。「兄のエサウがお前に出会って、『お前の主人は誰だ。どこへ行くのか。ここにいる家畜は誰のものだ』と尋ねたら、こう言いなさい。『これは、あなたさまの僕ヤコブのもので、御主人のエサウさまに差し上げる贈り物でございます。ヤコブも後から参ります』と。」

ヤコブは、贈り物を先に行かせて兄をなだめ、その後で顔を合わせれば、恐らく快く迎えてくれるだろうと思ったのである。 こうして、贈り物を先に行かせ、ヤコブ自身は、その夜、野営地にとどまった。  その夜、ヤコブは起きて、二人の妻と二人の側女、それに十一人の子供を連れて、ヨルダン川の支流、ヤボクの渡しを渡った。

皆を導いて川を渡らせ、持ち物も渡してしまうと、ヤコブは独り後に残った。 そのとき、闇のなかから何者かがヤコブに襲いかかった。 格闘はいつ果てるともなく続いた。 
ところが、その人はヤコブに勝てないとみて、ヤコブの腿の関節を打ったので、格闘をしているうちに腿の関節がはずれた。 「もう去らせてくれ。夜が明けてしまうから」とその人は言ったが、ヤコブは答えた。 「いいえ、祝福してくださるまでは離しまん。」

「お前の名は何というのか」とその人が尋ね、「ヤコブです」と答えると、その人は言った。「お前の名はもうヤコブではなく、これからはイスラエルと呼ばれる。お前は神と人と闘って勝ったからだ。」

「どうか、あなたのお名前を教えてください」とヤコブが尋ねると、「どうして、わたしの名を尋ねるのか」と言って、ヤコブをその場で祝福して去った。  ヤコブは、「わたしは顔と顔とを合わせて神を見たのに、なお生きている」と言って、その場所をペヌエル(神の顔)と名付けた。

ヤコブがペヌエルを過ぎたとき、太陽は彼の上に昇った。ヤコブは腿を痛めて足を引きずっていた。

こういうわけで、イスラエルの人々は今でも腿の関節の上にある腰の筋を食べない。かの人がヤコブの腿の関節、つまり腰の筋のところを打ったからである。


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ユダヤ人を表す別名のヘブライ人とイスラエル人について、簡単に説明しておきますと、

ユダヤ民族は紀元前2000年以降に古代オリエント地方、メソポタミア平原からユーフラテス河を渡り、豊穣の地カナンに移住してきましたが、ヘブライ人とは河(ユーフラテス)の向こうからやってきた人々という意味を持ち、外来の遊牧民を指す一般名称として用いられてきました。 また、旧約聖書でヘブライ人という呼称は、常に異民族と自分達を区別し、選民の意味としてその言葉を用いています。

また、ヘブルとかヘブライという言い方がありますが、意味は同じです。 ヘブライ人、ヘブライ語は、もともとは現地語で、עברית ivrit (イヴリート)と呼びます。 これをギリシア語読みをすると(ヘブライ)となり、英語ではHebrewなので(ヒブル)になります。 ちなみにドイツ語でヘブライ人のことはHebraeer(ヘブレアー)と発音します。 

イスラエルという名前は、このヤコブが神から授かった名前で、ユダヤ人がイスラエル人とも呼ばれるのは、これ以降のことです。 イスラエル人とは、ヤハヴェ信仰に基づいて結合された宗教的部族集団、またイスラエル12部族の軍事同盟集団の人々のことであり、

一般には紀元前13世紀中頃のモーゼ時代以降のユダヤ民族を指す言葉として用いられます。 いうまでもなく、イスラエルという言葉は「神の支配」という意味でもありますから、神によって選ばれ契約した民族という選民意識の強い言葉です。


さらにユダヤ人という言葉は、イスラエル王国のソロモン王が紀元前928年に亡くなり、イスラエル民族の王国は、北のイスラエル王国と、南のユダ王国に分裂し、約250年続いた北イスラエル王国はアッシリアに滅ぼされ、約350年にわたり存続したユダ王国がバビロニアに滅ぼされた際、バビロニア捕囚となったイスラエル民族の上層階級の人たちの事がユダヤ人(ユダ王国の人たち)と呼ばれたことから、ユダヤ人という名称が用いられるようになりました。

これ以降、ヘブライ人とかイスラエル人という言い方よりも、ユダヤ人という呼称が一般化し、支配的となり、今日ではユダヤ人といえば、ヘブライ人やイスラエル人のことも意味する、この民族の総称として用いられるようになりました。

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タグ: ヤコブ 格闘 相撲


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