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2021/2/7

トーマス・グラバー 生まれ故郷を後へ〜初恋の人との別れ〜  財閥(日本・世界)





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明治維新の大功労者 トーマス・グラバー フリーメーソンとしての活躍
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初恋の人との別れ

グラバー家の朝食はいつも七時頃に始まり七時半頃に終わる。 細長いテーブルは見事な御影石(花崗岩)でつくられており、食卓にはいつも美しい花が飾られている。

そのテーブルの右上席にはいつも父ベリーが重々しく座り、その左下席には母のメアリーが座る事になっている。

そしてこの日父ベリーの左側のテーブルにはこの本題の主人公であるトーマス・ブレーク・グラバー(当時十二歳)が座っていて、その隣には十歳の弟、アレキサンダー、さらにその隣にはトーマス家の子供の中で唯一の女性、妹のアン(八歳)が座っていた。



この日だけのグラバー家の家族を見ると「五人家族」のように見える。 しかしこの日の家族はこれだけではない。

今日の食卓には顔を出し得いないが、トーマスの上には三人の兄弟がいて八人家族なのである。

いや本当は九人の大家族となるはずだったがトーマスのすぐ上の兄(四男)、ヘンリー・マーティンは生まれて間もなく夭折している。


この時トーマスの三人の兄たち、長男チャールズ・トーマス(二十歳)、次男ウィリアム・ジェイコブ(十七歳)、三男ジェイムズ・リンドレー(十六歳)らは、

グラバーのスコットランドの自宅より、約70キロも離れたアバディーンという町の学校・キングスカレッジ附属ギムナジウム(大学予備教育機関)の寄宿舎で家を離れていたのだ。

朝食が終わると、母メアリーは三人の子供達に向かて「いい、皆よく聞いてよ。 父さんは後十日もするとアバディーンという町のブリッジ・オブ・ドーンという所へ移るから、それまでに自分の必要な荷物をきちんと準備しておくのよ。 いい、わかったわね。 今度移転する町はこのフレーザーバラよりずと賑やかでお家もうーんと広いのよ。 楽しみだわね。」 と子供達にほほ笑んだ。


ところが、いつもは陽気な性格のトーマスが母の笑顔を切り裂くような大声を出して「いやだ、ぼくはこの家から離れたくない。 ここにずっといたい。」と母親の顔を睨みつけた。

母のメアリーは予想もしなかった五男トーマスの反撃に驚き、怒りの表情をなじませて「トーマス、母さんに向かってなんという事を言うの・・・」とそこまで言ってあとの言葉が続かず唇がワナワナと震えていた。

その瞬間、父ベリーが「よしトーマス分かった。 父さんは今日六時までには帰るから、そのの時ゆっくり話しをしよう」と妻へ救いの手を差し出した。

トーマスも「分かりました。 父さんにぼくの話を良く聞いてもらいたい」と堅い表情のまあま食卓を離れていった。



トーマス・グラバーが生まれ育ったスコットランドのフレーザーバラは大きな町アバディーンからは北へ約70キロも入りこんだキナーズ岬近くの小さな漁村である。

一年のうち半年は冷たい風の吹きまくる北海に面していて、他所から来た者にとってはその寒風が最大の敵だった。

しかし、この地で生まれて他所を全く知らないままに育ったトーマスにとっては、「済めば都」。 いやそれ以上に実は彼にはここをどうしても離れがたい理由があったのだ。






フレーザーバラを離れる

それはトーマス・グラバーの初恋であった。




次の投稿に続く







財閥(日本・世界)シリーズ のここまでのまとめ
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