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2005/6/2

ロシア元石油王に禁固9年の判決・政敵つぶしの色彩

【モスクワ=栢俊彦】ロシアの元石油王で最大の富豪だったホドルコフスキー元ユーコス社長が詐欺、脱税などの容疑に問われた裁判で、モスクワの地区裁判所は31日、同氏に自由はく奪(禁固)9年の厳しい判決を下した。同氏は罪状を否定、控訴する見通し。裁判は親米派である同氏の政治的野心に対する政権側の制裁という色彩が濃く、米英などは強く批判した。

地区裁判所は起訴事実7件のうち、国営研究所を不正な手段で取得した国家資産の横領や納税済み資金の不正な還付、手形を使った過少納税、ユーコスや肥料会社の製品の不法輸出など6件を有罪と否定した。求刑は10年だった。

同裁判所はホドルコフスキー氏の共同経営者レベジェフ氏にも自由はく奪9年の刑を宣告。同時に関係会社の脱税を画策した罪で両氏に合計174億ルーブル(約670億円)、個人の脱税で合計1億3000万ルーブル(約5億円)の支払いを命じた。ホドルコフスキー氏は「不当裁判だ」と主張、レベジェフ氏も「常識外の判決」と述べ、弁護団はモスクワ市裁判所に控訴する意向を表明した。 (20:30)

                                    −日経 2005年5月31日−



ソビエト体制崩壊後に設立された「ユコス社」は、石油開発事業に取り組む一民間企業
で、経営者であったミハイル・ホドルコフスキーは、持ち前の経営才覚とその手腕で、瞬く間にロシアの石油開発のトップ企業に躍進し、外資導入に辣腕をふるう青年事業家、また世界有数の資産家として、世界の注目を集めていました。

また、彼はユダヤ系ロシア人であり、イスラムの中東産油国と信頼関係を築ききれない
メジャーにとっても、ホドルコフスキーとのビジネスには、魅力的であったに違いありません。

ホドルコフスキーは、アメリカのテキサスに石油採掘会社「ユガンスクネフチガス」を設立しますが、この理由は何だったのでしょうか? アメリカの石油産業発祥の地で、ネオコンと深い関係を持つブッシュ財閥の政治拠点である事を考えれば、説明するまでもないでしょう。

テキサス州に企業登記し、事業定款はユーラシア大陸の石油採掘事業としている事からもロシアの石油利権をアメリカでコントロールする会社であった事はいうまでもありませんが、この背景には、ソ連体制の崩壊後に大活躍を続けたユダヤ系ロシア人の新興企業群が次々と政治的に葬られていった事があり、ホドルコフスキーは、次は自分の番である事は予測していたと思います。

よって、ホドルコフスキーは、アメリカの政治力を借り、テキサスに「ユガンスクネフチガス」を設立し、一時も早く、メジャーの系列企業に売却を目論み、会社と自分の財産の確保を考えていたに違いありません。

もし、ホドルコフスキーの目論見通りになっていたら、ロシアにとっては最後の切り札である石油をアメリカやヨーロッパ勢にコントロールされる事になり、事実上ロシアは植民地化されてしまう事になってしまいます。

それで、プーチンは側近のセチン前大統領府副長官をロマネフチに送り込み、ユコスの6割の石油を産出する子会社を吸収し、ロマネフチは一挙に石油生産シェア20%の最大手になりました。 ロマネフチは、「シロビキ」と呼ばれるKGB勢力が牛耳る国営の石油企業です。

新聞報道などでは、プーチンは世界最大の天然ガス企業体「ガスブロム」に、「ロマネフチ」を吸収合併させる予定とありましたが、現実は違って「ガスブロム」の全発行株式の40%を保有するロシア政府に株式を売却させ、完全な国営企業としました。

さらに、「ロスネフチ」側が発行済み全株式の約10%にあたる「ガスブロム」の株を130億ドルで、国に代わって買収する計画であることも発表されました。

すなわち、本件の石油利権は事実上「ロマネフチ」が国営化された「ガスブロム」をコントロールするようになり、背後にはプーチン、セチンの人脈とKGBがある訳であります。

私は今回のプーチン大統領の強引なまでの行動はロシアの為には、正しかったと思いますが、やはり国際資本主義のビジネススタイルからは大きく逸脱しており、ビジネスとしての信用を失ったのは将来に大きな禍根を残す事になると思います。 

また、欧米各国はプーチン大統領の民主化の取り組みについて非難を浴びせており、現実にこの一連の騒動で、2004年には西側諸国の投資家が、約95億ドルの資金を引き揚げたとされています。

また、西側諸国は、このような怪しげなロシアにエネルギーでの干渉を受けないように、カスピ海石油をロシアを通さず、地中海へ運ぶBTCパイプラインを完成させ、5月25日にアゼルバイジャンのバグーで開通式が行われました。 

これにより、日米欧はBTCパイプラインの完成で、ロシアとOPEC加盟諸国に影響されない巨大な供給源と輸送路を獲得する事になります。

BTC(バグー・トビリシ・ジェイハン)のProj.は、イギリスのBPが事業主体者となり、約30%の資本を拠出し、日本からは国際石油開発と伊藤忠が参加しており、資本は5.9%拠出しています。 新送油管は、アゼルバイジャンからグルジアを経て、トルコ南部に抜ける約1700km。

輸送能力は日量100万バーレルで、総工費は36億ドル。 石油はバグー沖合いのカスピ海底にある鉱区ACG(アゼリ・チラグ・グナシリ)から供給し、可採埋蔵量は54億バーレルとインドネシアの1国分を超えます。 ACGproj.にも、日本からは、国際石油開発と伊藤忠が資本参加しており、その額は約14%と大きいウエイトを占めています。

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