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2006/7/24

出エジプト記(旧約聖書)の歴史的検証  旧約聖書
前回の投稿で、出エジプト記は終わりです(第40章38節)。  壮大なスペクタクルとエンターテインメント性を有しながらの、神とモーゼのやりとりについては、思わず感動させられてしまいます。

モーゼは実在の人物で、イスラエル人を率いて、エジプトを脱出し、シナイ半島に入ったという話は史実のようです。  今回は、聖書の立場からだけではなく、歴史的な検証を行ってみたいと思います。

先ず、イスラエル側の資料では、このエジプト脱出については、イスラエルの神が彼らに格別な計らいを施し、奴隷の境地から救い出した出来事として、象徴的で重要な意義を与えてきました。  言うまでもなく、旧約聖書を通してキリスト教にも大きな影響を及ぼし、モーゼとエジプト脱出については、多くの宗教美術のテーマとしても取り上げられています。

一方の、エジプト側ですが、エジプト人は何事にも細かい記録を残しているにも関わらず、このモーゼのエジプト脱出についての記録はないそうです。  すなわち、イスラエル人(ユダヤ人)にとっては、ものすごく大げさな事件であったにも関わらず、エジプト側にとってみれば、飢饉で飢え死にしかかったイスラエル人をエジプトに受け入れてやったのに、恩を仇で返すような形で逃げていったというくらいの、小さな事件であったようです。

脱出したイスラエル人の数も、旧約聖書には60万人とありますが、歴史学者のみるところでは6000人がいいところの数で、後のイスラエル人(ユダヤ人)が尾ひれはひれを付けて話を大げさにしたという事らしいです。  

また、過ぎ越しについても、聖書では神の指図という事ですが、歴史学者の見るところでは、イスラエル人たちは前々から周到に準備を整え、決行の前夜には一家につき1頭の子羊を屠殺して、その血を戸口に塗り、肉は食べつくして腹ごしらえをしておき、翌朝早くに戸口に血の塗られていないエジプト人の家を急襲し、彼らの家畜や財貨を奪って、一目散に逃げたという事のようです。  これは、追っ手がくるまでの時間を稼ぐ為の、重要な作戦であった訳です。

旧約聖書にも書かれているように、イスラエル人は、物資貯蔵の為の町であるラメセスやピトムの建設させられており、エジプトの中でもシナイ半島に近い辺境のところに住んでいたので、紅海を渡ってシナイ半島に逃げ込むのは十分に考えられるルートであります。

ファラオが率いる戦車隊が追ってきたという事ですが、エジプト側に資料がないように、この程度のことで、あの大エジプト王国のファラオが自ら戦車で追ってくることは考えられません。

また、イスラエルの人々が渡った海は、今私達が言う紅海ではなく、地中海川のナイル川の出口の東にあるシルボニス湖(蘆の海)を指していることは、多くの聖書研究家も認めているようです。

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この湖は、「蘆の海」とも「紅海」とも訳される、半分沼のような湖で、約5百メートルほどの隙間が、何箇所か開いており、普段は渡れませんが、引き潮により、一時的に渡れるようになったと考えると、全て辻褄が合うとされています。

また、モーゼが起こした奇蹟の数々が、まんざら作り話ではなかったという話があります。  それは、地中海のクレタ島の北に位置するサントリーニ島で、BC1410年頃に火山の大爆発があったことが知られており、この天変地異とモーゼの奇蹟が関係あるように考えられているからであります。 この島の中央部は陥没し、今では5つの島になっています。

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この時期、地中海では火山の爆発や、大地震が多くあり、このサントリ−ニ島の大爆発で、その粉塵により太陽は隠され、クレタ島のクノックス宮殿は大地震による火災の後、大津波により壊滅的な被害を受けました。

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クレタ島 クノックス宮殿

モーゼのエジプト脱出は、BC1230年頃とされていますが、恐らくこういった神の怒りを買ってしまったかの如くの、天変地異の記憶が人々に残されており、それをこのエジプト脱出の話に結び付けたのではないかと思われます。

モーゼの十災で、 川が血で染まったのは赤潮の発生が考えられ、そこで多数に死んだ魚達の死骸によりブヨやアブが異常発生し、疫病が発生したとも考えられますし、カエルはエラ呼吸ではなく肺呼吸であるため、赤潮には強く、死んだ魚にたかる虫を食べて異常発生したとも考えられます。

また、竜巻の発生でカエルが空に巻き上げられ、地上に降ってくることも実際よくあることで、鳥の場合は羽が引きちぎられ血が地上に降ってくるのだそうです。 

2004年8月20日付けのBBCニュースで紹介されている、竜巻により魚が巻き上げられ、空から魚が降ってきたという記事を紹介します。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/magazine/3582802.stm

またイナゴの大発生にしても、大地震などの天変地異の前によく起こる事も知られています。 

モーゼの海割りについては、前述しましたが、シルボニス湖の大干潮の時にイスラエルの人々は湖を渡り、沼地で足元をとられたエジプト軍に、大潮もしくは津波が襲ったとも考えれば、全くのつくり話であると言う事は出来ないと考えられます。


創世記(旧約聖書)の歴史的検証
http://diary.jp.aol.com/renaissancejapan/259.html#readmore

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2006/7/24  5:57

投稿者:Renaissancejapan

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