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2006/9/24

「弓」  旧約聖書
          旧約聖書(サムエル記下第1章1節−27節)

サウルが死んだ後のことである。ダビデはアマレク人を討ってツィクラグに帰り、二日過ごした。   三日目に、サウルの陣営から一人の男がたどりついた。  衣服は裂け、頭に土をかぶっていた。男はダビデの前に出ると、地にひれ伏して礼をした。

ダビデは尋ねた。 「どこから来たのだ。」  「イスラエルの陣営から逃れて参りました」と彼は答えた。


「状況はどうか。 話してくれ」 とダビデは彼に言った。

彼は言った。  「兵士は戦場から逃げ去り、多くの兵士が倒れて死にました。 サウル王と王子のヨナタンも亡くなられました。」

ダビデは知らせをもたらしたこの若者に尋ねた。  「二人の死をどうして知ったのか。」

この若者は答えた。  「わたしはたまたまギルボア山におりました。 そのとき、サウル王は槍にもたれかかっておられましたが、戦車と騎兵が王に迫っていました。 王は振り返ってわたしを御覧になり、お呼びになりました。  『はい』  とお答えすると、 『お前は何者だ』 とお尋ねになり、 『アマレクの者です』 とお答えすると、『そばに来て、とどめを刺してくれ。 痙攣が起こったが死にきれない』 と言われました。  そこでおそばに行って、とどめを刺しました。 倒れてしまわれ、もはや生き延びることはできまいと思ったからです。 頭にかぶっておられた王冠と腕につけておられた腕輪を取って、御主人様に持って参りました。 これでございます。」

ダビデは自分の衣をつかんで引き裂いた。 共にいた者は皆それに倣った。
彼らは、剣に倒れたサウルとその子ヨナタン、そして主の民とイスラエルの家を悼んで泣き、夕暮れまで断食した。

ダビデは、知らせをもたらした若者に尋ねた。 「お前はどこの出身か。」 「わたしは寄留のアマレク人の子です」 と彼は答えた。

ダビデは彼に言った。  「主が油を注がれた方を、恐れもせず手にかけ、殺害するとは何事か。」

ダビデは従者の一人を呼び、 「近寄って、この者を討て」 と命じた。  従者は彼を打ち殺した。

ダビデは言った。  「お前の流した血はお前の頭に返る。 お前自身の口が、 『わたしは主が油を注がれた方を殺した』 と証言したのだから。」

ダビデはサウルとその子ヨナタンを悼む歌を詠み、 「弓」 と題して、ユダの人々に教えるように命じた。 この詩は 『ヤシャルの書』 に収められている。



----------------------------------------- 「弓」 ----------------------------------------------

イスラエルよ、 「麗しき者」 は お前の高い丘の上で刺し殺された。  ああ、勇士らは倒れた。

ガトに告げるな アシュケロンの街々にこれを知らせるな ペリシテの娘らが喜び祝い 割礼なき者の娘らが喜び勇むことのないように。

ギルボアの山々よ、いけにえを求めた野よ お前たちの上には露も結ぶな、雨も降るな。勇士らの盾がそこに見捨てられ サウルの盾が油も塗られずに見捨てられている。

刺し殺した者たちの血 勇士らの脂をなめずには ヨナタンの弓は決して退かず サウルの剣がむなしく納められることもなかった。

サウルとヨナタン、愛され喜ばれた二人 鷲よりも速く、獅子よりも雄々しかった。 
命ある時も死に臨んでも 二人が離れることはなかった。

泣け、イスラエルの娘らよ、サウルのために。  紅の衣をお前たちに着せ お前たちの衣の上に 金の飾りをおいたサウルのために。

ああ、勇士らは戦いのさなかに倒れた。  ヨナタンはイスラエルの高い丘で刺し殺された。  

あなたを思ってわたしは悲しむ 兄弟ヨナタンよ、まことの喜び 女の愛にまさる驚くべきあなたの愛を。

ああ、勇士らは倒れた。  戦いの器は失われた。



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