renaissancejapn@aol.com

2005/7/20

食料問題-4 遺伝子組み換え作物  食料問題

日本の穀物自給率は、米だけを例にとれば99%ありますが、穀物全体では24%であります。 食料自給の割合は全体的に悪く、豆腐、味噌、醤油の原料になる大豆の自給率は約10%、砂糖類約30%、魚介類、肉類は約50%、牛乳、乳製品は約70%、野菜類は約80%、鶏卵は約95%というのが、農林水産省の統計値です。

穀類をもう少し掘り下げて見ると、日本が年間に輸入している数量は、トウモロコシ1,620万トン、小麦575万トン、大豆485万トン、コウリャン280万トン、大麦260万トン、菜種210万トン、でこれだけで3,430万トンになりますが、他にも米や大豆ミールの輸入を計算に入れると、日本の年間輸入量は3,800万トンになります。

日本全国にある水田から収穫される米の生産高は、年間985万トンであり、とても3,800万トンの穀物を自給できるとは思えません。 世界の穀物供給は潤沢であり、適正な市場価格を支払えば、今ならいつでも必要な物を、必要なだけ購入できるので、食料輸出国との外交戦略をしっかりさせておき、日系大手商社と穀物メジャーの関係を強化し、「必要な食料が常に確保できる」ようにしておくのが、現時点では、現実的なソリューションでしょう。

しかしながら、世界の飢餓人口をなくして行く為、また日本の将来の食料を確保するためには、遺伝子組み換え作物の重要性は、高まっていくと思われます。




「遺伝子組み換え食品」と聞くと、安全性などの問題で、どうしても不安になりがちですが、日本では1996年厚生省が安全を確認した物について輸入が可能となり、その年から市場に出回っており、現在ではトウモロコシ、大豆、菜種、ジャガイモ、ワタ、テンサイなどが出回っています。 

また、U.S. Dept Agricultureのデータによれば、2004年のアメリカの遺伝子組み換え種子作付け面積比率は、トウモロコシ46%、大豆86%と、既に当たり前の時代に入っている事がわかります。


それでは、遺伝子組み換え穀物は、生産者や消費者に対してどのようなメリットがあるのでしょうか?


遺伝子組み換え穀物は、以下のような性能を持つ物に大別されます。

1)除草剤に対する、耐性を持つ物質の遺伝子を組み込み、除草剤に対する抵抗力
  を強化した物。

2)害虫の嫌がる毒素を分泌するタンパク質を組み込んだ物。


上記1)の代表的なものとして、アメリカの大手化学会社のモンサント社が開発した「ラウンドアップ・レディ」があり、モンサント社が開発した除草剤ランドアップに対する耐性を高めた大豆で、ラウンドアップを散布しても枯れずに育ちます。


上記2)の代表的なものとして、スイスの化学会社ノバルティス社の「Btコーン」トウモロコシがあり、土壌中に生存する微生物バチルス・チューリンゲンシスが作るタンパク質をトウモロコシの遺伝子に組み込んだ物で、Btが毒性を発揮し、害虫アワノメイガを寄せ付けないという特徴を持っています。


生産者にとっては、収穫量が増し、除草剤の使用も半分以下で済む為、環境にも優しく、低コストが達成できるメリットがあり、消費者にとっても付着している農薬が少なく、生産コストが下がる事により、安価に穀物を買えるメリットがあります。 


また、消費者にとってメリットのある興味深い、遺伝子組み換え作物として、既に開発されている物として、以下のような作物があります。

ゴールデンライス
βカロテンを多く含むお米で、世界中に4億人いると言われている、ビタミンA欠乏症の
栄養状態改善のために役立つものです。

高オレイン酸大豆
脂肪酸の中でもオレイン酸は、血液中の全玉コレステロールはそのままで、悪玉コレステロールだけを下げる働きがあります。 高オレイン酸大豆油は、従来の大豆油の3〜4倍近いオレイン酸を含み、血液中のコレステロールを増加させると言われている飽和脂肪酸が、従来品に比べ30%近くカットされています。

例を挙げればきりがないですが、砂漠でも十分に育つ作物の開発は、将来の人口増加に伴う食料危機の救世主になるに違いありません。



しかしながら、遺伝子組み換え技術の現状は、早くから研究開発に取り組んでいる欧米企業が基本特許のほとんどを有しており、日本はその後を追っているという状況にあります。 最近では、日本政府もバイオテクノロジーの開発に本腰を入れ始め、経済産業者、
厚生労働省、農林水産省、文部科学省の4省で、大型予算を組み、特に日本が先頭を切っているイネ・ゲノムの解析に重点がおかれているようです。 


いずれにせよ、安全性の問題はおきざりには出来ませんが、もっと日本も遺伝子組み換え技術の研究開発に力を入れ、若い研究者達の自由な発想と、実際に生産する農家との共同開発により、21世紀の日本のみならず、世界の食糧問題を解決していって欲しいと願います。

6


※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く

名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ