renaissancejapn@aol.com

2007/4/8

アメリカの中東戦略-5  イラン編  国際政治・金融・企業

イランは、昔のペルシア帝国があったところですが、中世ではイスラムに征服され、さらにはモンゴルに蹂躙され、モンゴル系のティムールに征服され、近世では石油があることが分かると、欧米露など列強の勢力争いの草刈場となってしまいました。



イランの近世の歴史は分かりやすく、親欧米の近代化路線を歩む政権、もしくは民族主義で反欧米の政権が、オセロゲームのようにころころと変わってゆきました。

1950年代に、民族主義のモハメッド・モサデク首相が、イラン内にあるアングロ・イラニアン石油を奪って国有化してしまいました。

この政権を倒すために、アメリカはCIAの工作資金を国外に秘密送金する金融会社ディーク社をニューヨークに設立し、ディークは1953年にCIA長官に就任したダレスと組み、イランに巨額の資金を送金し、べクテル社が武器を現地に供給し、

8月19日の早朝、CIA資金と武器を手にし、イギリスとアメリカの手先となったイラン国民が、 「打倒モサデク」 を叫び、クーデターを起こし、親欧米のパーレヴィ国王を復権させました。

パーレヴィ国王が政権を握っていたときは、近代化が進み、女性もかぶりものを捨て、男女平等の方向に向かっていたのです。

今度は、イスラム教に凝り固まり、パーレヴィ政権に反発した、民族主義のホメイニ師がイラン革命を1979年に起こし、イランは再び反欧米政権となってしまいます。

そこで、欧米はスンニ派(アンチ・シーア派)のイラクを支援し、イラン・イラク戦争が勃発しました。  この戦争は、日本がバブルで沸く、1988年8月まで8年間続きました。

このイラン・イラク戦争では、アメリカもイラクのフセイン政権に資金をと武器を与え、支援していたのです。

欧米が、何故ここまでイラク(スンニ派)を支援したかというと、シーア派によるイラン革命が、サウジ、アラブ首長連邦、クウェートの湾岸3国に飛び火するのを恐れたからです。  

また、湾岸3国の王様達も、欧米の支援を受けて、自分達がある事を十分に承知していた為、イラン革命が飛び火して、自分達の政権が倒されるのを恐れていました。

欧米の立場では、湾岸3国の王様のことなどどうでもよく、イラン革命が飛び火して、イラク、クウェート、サウジが反欧米政権になってしまうと、当時の世界の石油の65%を反欧米のイスラムの民族主義政権が支配してしまいますから、

生活・経済活動のエネルギー不足のみならず、石油で動く軍事兵器がまったく動かなくなるのが困ります。

ともあれ、イラン・イラク戦争では、欧米もイランのパーレヴィ政権のときは支援して、軍事兵器を与えていましたから、今度はイラクを応援した欧米はイラクに軍事兵器を与えたので、何と同じ欧米の軍事兵器を使って両国は戦争をしていたのです。 

ちなみに、イラクのフセイン大統領がクウェートを攻撃したのは、フランスのダッソー社の戦闘機ミラージュ、迎え撃ったクウェートの戦闘機もミラージュ。 

国家や政治を抜きに考えれば、武器商人は笑いが止まらない大儲けです。  

ベトナム戦争ではアメリカは敗北しましたが、武器商人たちにとっては大儲けですから、ビジネスでみれば大成功です。  空爆を続けていたら問題がなかったものを、何故か陸軍投入。

ともあれ、1988年に国連安保理の決議を受けて、両国は停戦に至りますが、イランのホメイニ師は1989年に死去。

ホメイニ師の後は、穏健派で現実主義者のラフサンジャーニーが大統領となり、アメリカとの関係正常化を不可欠と考え、女性の権利拡大に推進、欧米の音楽や映画の自由も拡大しました。

その後、イランでは1997年にハタミ大統領が就任し、国際関係の改善に努力し、サミュエル・ハンチントンの文明の衝突論に対し、文明の対話を提案し、国際連合に受け入れられ2001年は 「国際連合文明の対話年」 となりました。


日本でも、ハンチントンの 「文明の衝突」 の本が売れましたが、私に言わせるとハンチントンはトンデモないおっさんで、

これは米ソの冷戦が終わりアメリカの軍需産業が大きなリストラに見舞われる中、恐らく武器商人の為に、新たな戦争を創り出すプロパガンダをしていたのだと思います。

ハタミ大統領の 「文明の対話」 の方が、比べ物にならないくらい素晴らしいです。

しかしながら、宗教と宗派に凝り固まるイラン国民は、2005年大統領選では、保守強硬派マフムード・アフマディーネジャードを選んでしまいました。

これは取り返しのつかない愚かな選択で、早くイラン内部で国際関係を改善できる政権に変えないと、この大統領ではお馬鹿な発言・行動を繰り返し、アメリカに攻撃の口実を与えてしまうでしょう。

また、日本の阿呆なメディア関係者は、イランと日本の関係が良好だったのに、アメリカと歩調をあわせることにより、石油の権益を失ってしまうとヒステリーを起こしていますが、

イラン-アメリカがいつも仲が悪いわけでなく、イランの政権によってはイラン-アメリカの関係は良好なのです。  

日本はイランにノーではなく、民族主義に凝り固まり、国際関係を悪化させる政権にはノーであり、国際社会とうまくやってゆく政権のイランは支援すると言うべきなのです。

もし、石油だけの権益を考えるならば、どちらに転んでもアメリカと歩調を合わせておくほうが有利でしょう。
  
イランの石油問題で、短期的視野で、日本が反アメリカの態度を表明すれば、どうなるでしょうか。  

今度、イランに親米政権が出来たときは、どちらからもハシゴをはずされてしまいますよ。  こんな簡単な事も分からない、日本のメディア関係者はやっぱりアホネ!



2


※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く

名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ