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2005/10/25

クロスライセンス  国際政治・金融・企業
東芝と韓国のHynix社との間でのクロスライセンスについて、このAOLのBlogで記事を見かけましたので、クロスライセンスについての現場でのお話をしたいと思います。

クロスライセンスとは、両社の保有する特許についてお互い自由に使えるようにする特許契約の事です。 これは、お互い訴訟合戦を起こしたのでは製品開発ができなくなってしまい、結果的には競争力のある製品を生産できなくなってしまうのを防ぐ目的があります。 

しかしながら、製品を特定した場合、両社の特許の保有件数や質も異なりますから、決してお互い無料で使用できるというものではありません。 知財担当者、技術者間の交渉により、特許は自由に使える物の、片方がしかるべき対価を支払う契約に落ち着くのが大半のケースです。


アメリカにIBMというエクセレントカンパニーがありますが、今日のエレクトロニクス製品の大半はIBMのPat.に抵触してしまいます。

個々の製品毎の特許リストをつくって交渉していたのでは、お互いに膨大な時間とマンパワーが必要となってしまうので、製品を特定せずに、エレクトロニクスに関して全ての特許をお互い自由に使っても良いけれども、1年間当たり数十億円のライセンス料をIBMに支払いなさいという契約を、日本の大企業と呼ばれるエレクトロニクスメーカーはほとんど全て結ばされています。

正直言って、この金額は根拠があるようで無い数字で、まさしく交渉担当者の能力で決定されてしまいます。 欧米資本の大企業とて、出張での宿泊費は日系企業と同じく常識的な金額内でありますが、こういったここ一番で会社に大きな純利益をもたらす可能性がある時には、会社の対応は欧米資本の大企業と、日系の大企業では大きく異なります。

いうまでもなく、欧米資本の企業の方が柔軟で、高い費用を出しても、リターンがそれ以上に大きければ、多額の費用を使わせてくれます。

例えばどういう事かと言えば、アメリカの企業の場合だと、超高級ホテルのスイートルームの宿泊を認められ、日系企業の担当者はそこに呼び出されるのです。 欧州の場合ですと、うちもよくやりますが中世の古城や貴族の屋敷を借りきり、そこでDinnerをセッティングし、そこで交渉を行います。

普段に海外出張のあまりない知財部門や、貧乏育ちのサラリーマンはもう大変です、舞い上がってしまい、素晴らしいの連発。 そりゃそうです、こちらだって普段はそんな贅沢はさせてくれません。 

また、褒め殺しでお酒を勧めれば、日本のサラリーマンはとにかく良く飲み、多弁になります。 体のでかい欧米人は、プライベートで飲みに行くとビールでも大ジョッキで5杯くらい平気で飲んでしまいますが、皆さんも出張でDinnerを経験された方はご存知でしょうけど、お客様と飲むときは、彼らはワインでもグラス2杯まで、ビールは中ジョッキ1杯ですましていると思います。

これは会社で教育されるのです。 オフィシャルな場では常に平静を保っていないと、人事評価でもSocial Abilityの項目で大きな減点をされてしまいます。また、言うまでもなく交渉を有利に進める目的もあります。

そして、2-3ケ国語が出来るところを、さりげなく見せながら、音楽、歴史、哲学の一般教養の話題にもっていくと、仕事中毒の日本人サラリーマンは話しについてこれずに、既に場に飲まれてしまいます。 そこを見計らうかのように、交渉での合意事項を一つ一つおさえられていきます。 次の日、会社で契約の合意事項について、確認がなされた時は、既に取り返しがつきません。 

契約書にサインしなければ良いだけでしょ!というのではプロフェッショナルな仕事とは言えず、通用する物ではありません。 お互いに合意せずにサインしないから、忙しい中でお互い時間をとり、交渉をやっているからです。

日本に帰っての出張報告書、「とにかく凄い場所で接待されました、あんな経験初めてでした」、 1回の接待を受け、年間のライセンス料の支払い、50億円也!! 

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