湯浅から白崎海岸めぐり(3)
白崎海岸から
湯浅から国道42号線に入り由良に向けて走りました。峠を越えて興国寺近くにくると山の中腹に国の天然記念物「門前の大岩」があります。ここではウニの化石が見られるのです。普通、ウニの棘は針のようですが、化石はキダリスといわれる樫の実のようなプックリ膨らんだ棘とは程遠い形の化石なのです。先日の下見ではすぐ近くまで行ったのですが雑草や何やらで近寄れず「無理だわ」と引き返してきました。またいつか機会があれば案内します。
JR由良駅を過ぎると、白崎海岸という表示が出ている信号を右折して大引の漁港に向かいます。漁港を過ぎて山裾を回ると、そこに目を見張るような美しい白亜の小さな半島が視界に広がります。青い海に、白い石灰岩が輝くこれほどの見事な景色は他にあるだろうか、それほど感動するビューポイントです。
立巖(たてご)という剣のような岩を撮影し、白崎海岸公園入口近くの海岸でちょっと休憩。私は用意していたポリタンクを取り出して道路わきにある地元の方が湧き水を汲みやすいように蛇口をつけてくれているところで、自然水を汲みました。ここに来ると必ず石灰岩をくぐりぬけてきた水を汲んでいきます。
この日は、太平洋の遠くにある台風の影響でうねりがあり、時々大波が打ち寄せていました。
白亜のカルスト地形の中ではしゃぐ仲間たち
公園内に入り展望台にのぼって石灰岩のカルスト地形を味わいました。
このあたりは中生代ジュラ紀の地層が分布しています。白崎や近くの戸津井(鍾乳洞がある)の石灰岩は、この地層が堆積したときに取り込まれたもので、古生代の石炭紀や二畳紀のフズリナ化石をたくさん含んでいます。またウミユリ(イソギンチャクと同じ仲間の動物)化石も見ることができます。
古生代に、遠く南の暖かい海で生まれた石灰岩が、プレートにのってユーラシアプレートにもぐりこむときに付加されて複雑な地殻変動によって中生代の地層に取り込まれ、現在の位置に存在しているといわれています。気の遠くなるような話ですが、それだけに白崎の石灰岩が輝いて見えましす。
白崎の航空写真
帰りは、海岸沿いに衣奈を通り西広を経由して、午前中に立ち寄った湯浅に戻りました。
このルートは、私が「秩父帯街道」と勝手に名付けているドライブ道路なのです。

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