埼玉へのドライブ(4)『地球の窓・長瀞』
岩畳を散策していると、長瀞について案内板の説明がありましたので、その文を記しておきます。
「国指定 名勝及び天然記念物 大正13年12月9日 指定」 とありました。
「 長瀞の美しい渓谷は、地下20〜30キロメートルの高圧化でつくられた結晶片岩が隆起し、荒川の清流に磨かれてできたものです。
明治10年に近代地質学が日本に導入されると、翌年にはナウマン博士が長瀞を訪れました。以来長瀞は、多くの研究者や学生が訪れるようになり、「日本地質学発祥の地」と言われています。
岩畳は、幅50メートル、長さ600メートルに及ぶ広大な岩石段丘です。ここは、かつての荒川の流れでできたポットホールをはじめ、断層や褶曲などがみられ、地質学の宝庫として自然観察の絶好の場となっています 」
また、もう一つの掲示板には次のような説明がありました。
「岩畳のすがたとそのおいたち」
「この岩畳をつくっている岩石は、関東山地から九州まで細長く分布しています。
これらの岩石は結晶片岩とよばれ、うすく、水平にはがれやすい性質を持っています。また、垂直な割れ目もたくさん見られます。どんな方向の割れ目が多いかは、生えている草の並び方から知ることが出来ます。秩父赤壁とよばれる対岸の絶壁も割れ目の方向と無関係ではなさそうです。割れ目は、地下深くで大きな圧力を受けてつくられた結晶片岩が、地表へ押し上げられたときにできたひび割れだと考えられています。
長瀞町教育委員会 」
私は「日本地質学発祥の地」と言われている長瀞を一度は訪れてみたいと思っていたので、今回その機会ができてとてもうれしかったです。そして、この長瀞は三波川変成帯の結晶片岩類が見られる主要な場所なのですが、私たちの住む和歌山市も同じ変成岩帯に属しているのです。雑賀崎の美しい青石(緑泥片岩)や田ノ浦に見られる黒色片岩などが目に浮かんできますが。それだけに長瀞は、よけいに親しみを感じます。
三波川変成帯は中央構造線の南側にそって九州まで延びているのです。
ウキペディアより
※岩畳
三波川変成帯[1]と呼ばれる変成岩帯が地表に露出しているところ。なめらかな壁面は、南北方向にのびる垂直の割れ目(節理や断層)にそって、岩がはがれ落ちて形成されたと言われている。
※秩父赤壁
荒川による侵食のため急な崖で、特に岩畳付近の対岸のことを指す。中国揚子江が刻んだ「赤壁」に因んで名付けられた。黒色片岩中の鉄分が染み出し、酸化したため赤くなったという。
※ポットホール
荒川の急流が屈曲部で渦をつくり、岩石の河床の凹部に閉じ込められた礫や小石が河床をすり鉢状に削り取ったもの。大きいものでは大人がすっぽり入れるほどのものもある(長瀞町井戸)。
※ 写真@、A、B 岩畳の風景


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