『 屋久島の「正長石」』
金剛山登山仲間のF氏から屋久島に行ってきた話を聞きました。
足下は滑らない花崗岩という話を聞いて、風化して表面がザラザラになっているんだなと想像しました。
それにしても屋久島は花崗岩でできているとすると、火山じゃなく隆起してできた島なんだと初めて気づきました。
花崗岩は地下深いところでマグマがゆっくり固まって結晶化したものです。それが地上にあるということは、隆起した島・山なんだ、と。
金剛山も、あの立山も木曽駒ヶ岳も花崗岩で、隆起してできています。
私は、持っている屋久島の「正長石」の結晶をすぐに思い浮かべ、押し入れから探し出しました。
花崗岩の主な構成鉱物は、黒=黒雲母、透明=石英、白=長石と区別することが出来ます。
その長石にいくつかの仲間があって、
正長石はKAlSi3O8 斜長石はCaAlSi3O8かNaAlSi3O8かその中間、
違いは、元素記号の頭の元素の違いです。
正長石はKAlSi3O8、Kはカリウム、Alはアルミニウム、Si3O8は珪酸塩、AlSi3O8でアルミノ珪酸塩。《石英は、二酸化ケイ素 (SiO2) が結晶してできた鉱物》
このように記号で表現されると成分がよく分かります。
正長石は長石族のなかでもカリウム成分に富んだカリ長石のひとつの形態で、マグマが分化してゆく過程では比較的後期になって晶出する鉱物だそうです。
写真の正長石は、よく見ると二つの結晶がねじれて重なっています。
2個以上の鉱物の結晶が、一定の角度で 規則正しく結合しているもので、双晶といいます。
これはミネラルショウで買ったものですが、母岩は「斑状黒雲母花崗岩」で、産地は「鹿児島県屋久島町安房林道」とあります。
私は屋久島に行ったことはありませんが、この石ころ(正長石の双晶)を手にしては、
あらためて屋久島の成り立ちについて考えち、縄文杉などの屋久杉・宮之浦岳・白谷雲水峡・・・などを思い浮かべています。



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