3日、子どもの食研究会で吉備中央町にある加賀ファームに行き、松なめこの見学を行いました。
参加者は13名。岡山空港の駐車場に集まって乗り合わせて行きました。思ったより集まってくれ、企画した人はほっと胸をなで下ろしていました。
着いてみると、思っていたよりこじんまりした工場です。川と道路に挟まれたところに建っていて、川の流れはとても綺麗でした。
この加賀ファームという有限会社は、おかやまコープに勤めていて、生協運動、平和運動などはもちろん、学校給食の運動や住まいのある城東台で学校づくり運動などで力を発揮してこられた日名泰之さんが、コープを退職してから退職金をもとに始めた会社です。
もともとこの地の出身であった彼は、郷土の特産物を作って地域おこしもしたいという思いから、広島で開発され、まだ全国的に産地が他にない、松なめこの生産を決意して、退職金をはたいて工場を建てて始めたものです。
この松なめこは、松茸となめこ菌をもとに作られるきのこで、かさの部分はなめこで、軸の部分はまつたけといった雰囲気のきのこ。
まず、事務所の中で日名さんの話しをお聞きしてから、工場の中を案内していただきました。
工場は、食パンのようなかたちの菌床の中で菌が成長する段階と、その菌がキノコとして成長し収穫できるまでになる段階の二つに分けられていました。
さすがに茸が生長するには70%以上の湿度が必要なので、加湿器で工場の中は高湿度。水蒸気で真っ白という感じになっていたりします。
これが、最終的にはこうなります。
もちろん温度も正確にコントロールしなければ、うまく茸にならないから、夏は冷房、冬は暖房して適温を維持するということです。そのため工場の壁には吹きつけウレタン加工がなされていて、断熱構造になっていました。
加湿器も欠かせません。壁に取り付けられた加湿器から白い蒸気がもくもくと吐き出されていました。
当然ながら茸の生産には燃料代というか、温度湿度を維持するためのコストがかかります。また、できはじめるとなかなかコントロールできないから、一度にできすぎたり、足りなかったりと、出荷にも苦労があるようです。
おかげで工場は年中無休ということでした。
この松なめこ、新鮮な物を焼いたり、炒めたり、そして白ワインで蒸し焼きにしてもおいしいといいます。様々な食べ方が考案され、試されているようですが、なめこと松茸のいいとこ取りのような茸です。
天日で乾燥させた物も販売しているのだということで、工場の庭でも乾燥中の物がおいてありました。
その中でも、これは「ドコモダケ」といっていいかな。
参加したメンバーはそれぞれ松なめこを注文して、昼食会場に移動しました。
ちなみにこのパックで特別に400円にしていただきました。
これはCクラスで、ちょっと軸が細めです。この他にもっと軸が太いB、さらにもっと太いAクラスもあります。ちょっとずつ高くなりますが、この日はBクラス同量パックで600円。筆者もBCセットで千円を払って買い求めました。
ちなみに、学校給食で使う場合は、パックでなく、大袋に入れて配達してくださるとのこと。その場合は次の写真のサイズで210円とのことでした。
昼食会場は、近くの茶房かたやま邸。大庄屋の家を使って食事もとれるようにして営業しているところです。
そこで座敷に座って昼食を食べたのですが、日名さんが実際に松なめこを持参して、天ぷらにして出すように手配してくれたおかげで、あつあつの松なめこの天ぷらを食べることができて、大満足。
学校給食などでもこの松なめこを使えないかと、栄養士さん達はいろいろと考えてくれていたようでした。
ともかく、百聞は一見にしかず。だから、こうした工場見学も意味はあると言えるでしょう。

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