岡山市立中央公民館と「子どもの食研究会」の共催で3年間開催してきた「食のソムリエっ子講座」は、今年も岡山市立宇野小学校を借りて初級を開講することになり、9月15日に第1回の講座を開きました。
「食のソムリエっ子講座」とは、子ども自身が「食の知識」だけでなく、調理の技術を学んで「できるようになる」ための講座。「知」と「技」、「情」のバランスのとれた、豊かな子どもを育てるための「食育」講座を標榜しています。
今回は、この講座の記録をもとに食育教材(DVD)等を作る計画です。
子どもがひとりで、具いりの三角おにぎりや、包丁を上手につかって基本的な調理ができるようになるためのプログラムです。特徴は到達目標を明確にして、それが出来るようになったかどうかを、最後に修了試験で確かめ、合格した子どもには「食のソムリエっ子」の認定証を渡します。
今回の調理技術の目標は、例えば「包丁を使って掌の上で豆腐を切れるようになる」というもの。
今回は参加者が21名。小学校1年生から3年生までと幅があり、1年生と3年生が並ぶと、うんと背丈が違います。今まで3年間は、同じ子どもが続けて参加していることが多かったのですが、今回はまったく初めての子どもばかり。
少し緊張しながらのスタートでしたが、実技に入るころには緊張も解けて、楽しく作業が出来ていたようでした。
初回の目標は、@1年間の目標を知る(三角おにぎりがにぎれる・味噌汁がつくれる・五味を理解する)A五味の学習(総論+「あまみ」)B包丁の学習 包丁を使ってキュウリを切る(立つ姿勢と包丁の持ち方、ねこの手)Cラップを使って三角おにぎりをにぎるでした。
講師陣は、3年間継続してきた学校栄養士さんや調理員さん、そしてシニア野菜ソムリエの方と豪華版。今回は事前に地元の方でスタッフとなってくださる方を養成しようと、養成講座も開講して準備してきました。さて、成果をあげることができるでしょうか。
第一回の様子をフォトルポ風にご紹介しましょう。
10時の開示時刻が近付くと、子どもたちが続々とやってきます。
初回なので、受付で参加費もあずかっています。
始まっても、窓の外から心配そうに見ているお母さんがたくさんいました。中にどうぞとお誘いしましたが、遠慮されて、どなたも入られませんでした。残念。まだ距離がありますね。
子どもたちも同じ学校ではあっても、初めていっしょにということなので、自己紹介をしてもらいました。
スタッフも自己紹介しました。
いよいよ講座のスタート。
まず最初は、シニア野菜ソムリエの江草聡美さんのお話からです。
初回はさっそく五味の中の「あまみ」を学ぶことも目標にしたなので、講師があまみの話をしています。
そして、≪常温・冷水・炭酸冷水≫での甘さの感じ方の違いを体験してもらう実験。
@常温の水の中に砂糖を加えたもの
A氷水で冷やした中に同量の砂糖を加えたもの
B冷やした炭酸水中に同量の砂糖を加えたもの
の3つのカップを配り、試飲してもらいました。
そして、どのカップが一番美味しく感じたかで手をあげてもらいます。

当然ながら、常温の水が一番甘く感じますから、たくさん手が上がりました。
そして、清涼飲料水にどれほど砂糖が使われているかの説明です。
続いて、包丁を使って食材を切る時のお話。「猫の手」を教えているところです。
お話しが終わり、手を洗って、いよいよ実技のスタートです。
まずは包丁を使ってきゅうりを切ります。
一度に全員が使うだけの子ども用包丁をもってはいるんだけど、作業は一人ずつです。
こうして、他の子は作業をしている子どもの手元を見てもらいます。それも勉強になります。
そして、次は三角おむすびづくりです。
なかなか上手。
ちょっとぎこちない子どもには、スタッフがついて手ほどきします。
完成したものは持参したタッパなどの器に入れて、さあ食事です。

食事しながら、出席カードにシールを張ることを説明しています。
食事がすんだら、今日の復習シートで学んだことを振り返ります。
できた子どもから、江草さんに見てもらって、花マルもらうと今日はおしまいです。
子どもたちが出て行くころには、お母さんやお父さんが迎えに来てくれています。
中には、3年間この講座に通ってきていたお姉さんもついてきていたりしました。
そう、以前この講座に参加していた子どもの妹や弟が参加しているというのが何組かあるのです。そういう家では、この講座の開始を心待ちにしてくれていたようです。
子どもたちがみんな帰ってから、スタッフは今回の反省と、次回の準備の打ち合わせをしておしまいです。

0