今年も行われた12球団共同トライアウト。その中で、NPBへの復帰の可能性を感じた選手たちについて取り上げてみたい。
森越 祐人(31歳・阪神)内野手
中日時代から守備の人のイメージが強かった選手ですが、今日は打撃で光りました。タイミングの合わせ方が上手く、一軍通算94試合で打率.115厘とは思えない対応力を魅せていました。またレフトスタンドへのホームランを放ち、一軍で0本塁打の男が長打でもアピールできたのは驚きました。
守備も二軍での成績を見る限り、内野なら何処まで守れるところは健在。失策は、57試合に出場し二塁で記録した1個だけと衰えは感じられません。打撃は二軍でも.232厘程度ですが、
ニ遊間をきっちり守れる控え選手が欲しいチームが、獲得を検討してもと思わせるものはありました。
塚田 正義(30歳・ソフトバンク)外野手
スイング・打球の強さは、今回のメンバーの中では目立っていました。日本シリーズに出場する40名のメンバーに入っていましたが、状態が悪く出場できず。18年には、一軍で25試合に出場し、打率.270厘を記録。今年も一軍で18試合に出場し、.222厘という内容でした。
対応力に粗さは感じさせますが、何か上手く指導できるいるチームならば、貴重な右の代打・控えになれるかもしれません。ソフトバンクの層の厚さで実力があっても、あまり出番がといった部分もあると思うので、選手層が薄く、
右の外野手・代打などを探しているというチームならば獲得を検討してもと思います。ただし守備・足でアピールするタイプではないので、そのへんがマイナス材料か。
亀澤 恭平(31歳・中日)内野手
17年・18年と、一軍では100試合前後に出場し打率287・286厘と残した実績がある選手です。今年は打率.128厘と絶不調でしたが、今日の試合では複数安打を放ち鋭いスイングを披露。盗塁も試みるなど、まだまだ動けるところを証明していました。
今年なぜここまで低迷したのかは不明ですが、著しく劣る印象は感じません。遊撃は厳しいですが、
二塁・三塁でレギュラー争いを期待したいチームであれば、充分に獲得を検討しても良いのではないのでしょうか。最も今日出場していた選手の中では、一軍で戦力になれる可能性が高いとみます。
小石 博孝(32歳・西武)左腕
小さめのテイクバックと、なかなか着地しない足の降ろし方に特徴がある技巧派左腕です。16年度には一軍で50試合に登板し、防御率 3.74 という成績を残しました。今年は一軍で8試合・防 5.87 と低迷します。二軍では32試合で、防 2.63 と安定してました。
変則ゆえに慣れられたりすると厳しいのですが、フォームの嫌らしさとボールのキレに衰えはさほど感じません。あまり慣れていない、セ・リーグでウエスタン所属のチーム。それで
中継ぎ左腕が不足しているチームなどには面白いかもしれません。
この4人については、チーム事情がマッチングすればありだと思わせてくれる内容でした。かなり年齢も年齢なので現実は厳しいでしょうが、彼らの中で契約を取り付けられる選手がいるのか注目したいと思います。

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