2011/7/25

櫓の論文  
横浜国大造船科の池畑教授の「櫓漕の推進性能に関する水槽実験」と「翼素理論による計算」
という論文がある。それによると櫓の推進力を決める要素は1 没入角 2 水切り角 
3 漕ぐ速さ の三条件である。
1 没入角とは櫓脚と水面のなす角度で実験では30度と45度で計測されている。45度まで深く没入させると櫓に働く流体力のうち前向きの力の割合が大きくなるので推進力は大きくなると期待できるが、漕ぎ手に高度な技術が必要となる。
2 水切り角とは櫓脚が水を切っていく角度で、櫓脚断面と水とのアタックアングルである。論文では20度30度35度の三種類が実験されており35度の場合に推力係数が一番大きくなる。40度だともっと大きくなるのかもしれない。水切り角は30度以上の大きな角度が良いことが分る。舟が前進すると櫓脚への水の流入角度が前に変化し水切り角が小さくなる現象が起きるので、最適な水切り角は一定では無いと思われる。舟の速度が上がれば水切り角を大きくしていくのが良いと思われる。
3 漕ぐ速さは押して引いて元の位置に櫓が戻るまでの周期で表し、実験では 2.7秒3.5秒4.3秒の三種類。
実験の結果、最も効率よく漕げるのは没入角45度、水切り角35度、周期3.5秒の時であった。水切り角と周期には最適な組み合わせがあり、それを外れると効率は急落する。要は漕ぎ手の技量に左右されるところが大きい。

飛行機の翼の揚力を計算する翼素理論を適用して櫓の発生する力を計算し、水槽実験での計測値と比較すると、実験値の方が二倍以上大きな力を示す。櫓など非定常な流れでの流体力の計算に定常翼理論を応用するのには無理があるようだ。
人力による低速での舟の推進装置としては櫓は流体力学的に見て効率の良い物だし、静かな水面を軽い力で気持ち良く舟を漕ぐのは楽しい運動なので研究してみる価値がある。
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