茨城県立窯業指導所と言うものがある。
ロクロ研修一年。その他オプション、釉薬、石膏などの実技研修。
つまり後継者育成と言う名の元に、無料でロクロを含んだ陶芸技法を教えてくれるありがたいところなのだ。
そこにどうしたら入れるのか・・・?
入所資格は過去一年間地元でこの仕事に従事していたもの・・・である。
ボクは、思いついて入ろうとしたのだから、勿論ムリだった。
が、そこは脱サラ組みである。
ココを詳しく書くと、さすがにお世話になった方々に、多少の影響があると思うので割愛させていただく。
ただ、年間10人程度のロクロ研修生、釉薬研修4人を採るので、その人数の増減はある程度自由裁量であったことは否めない・・・。
入所を果たしたボクは、翌年の4月から研修を始るのだった。
窯業指導所 カリキュラム・・・1
ロクロ研修開始。その前に道具を黙々と作る。
この作業が大事だ。
ロクロ成形を知らないのに、そんなものが作れるのか、そんな疑問の中で、木を削り
コテを作る。しかし、出来が悪ければ作り直せばいいことだ。
約1週間コレに費やす。材料は、
ホウの木、イチョウの木、桜など。何のために作っているのか粘土触った事さえ無いボクは、見当のかけらさえ無い。
周りは、名だたる作家せんせ〜のお弟子さんばかりで、さもブローカー然とした私を胡散臭げに見下ろし、慣れない作業も加わり。既に気持ちが萎えて行った。
早い奴は、何となく作業、菊練など慣れた様子で粘土を捏ね、既にロクロの前に座り回したりしている。最年長者である私は、更に自信に満ち溢れた彼、彼女達を見て、
「辞めようかな・・・ココ」無理かな?などと更に更に萎えてゆくのだった。
神がかりなど何所へやら!
「あの先生が・・・、何所何所の誰君は・・・」などの会話も聞こえ、そういえば今迄も常にアウトローなんだなぁ〜、オレ。
係累なんて持たない主義なんだよね、とウソブキながらナントカ道具の製作を終わらせ、いよいよ粘土との格闘が始る。
笠間の春は輝きを増し、生きる者のためにそこにあるのだった。
10年経っても修行時代の道具は有効。独立後は、禁を破るかのように、自由に道具への発想を膨らませる。修行時代は、規制の中で体力を作ってゆく事が重要。
ここで、自由に動く事は将来の作陶に害になる。タブーのなかで培うのが基礎と言う物モノだ。何を今さら・・・!
購入すべき専用道具もたくさんある。
削りのカンナとか、なめし皮、まあバケツ、とかね。
必読書も有り。ろくろ、その他は当然設備をお借りして研修となるだが。トンボ&カンナ等。
トンボは口径、深さを合わせる道具。カンナは器裏の高台を削り仕上げる道具。

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