ある日、ボクが家にいると・・・
玄関から声がする。
おフクロが出る。
話し声が聞こえる。ボクを呼んでいる。
陶ちゃん・・・陶ちゃ〜ん
K子さんが来ているよ〜
二人の笑い声がした。
ボクはそんな卑屈な情況にあったので、居留守を決め込んだ。
K子さんに会いたくなかったのだ。
アレ?いないのかな?
じゃぁ〜帰ります・・・陶ちゃんに宜しく言って下さい
どうもありがとうございました。
しばらくしてK子さんはそう言い、玄関の閉まる音がした。
おフクロが来た。
なんだ、いたのかオマエ・・・
K子さん来てたのに・・・ホント可愛い子!
○○ちゃんチにお嫁に行ったんだってね・・・
苦労しなきゃいいけどねー
何でオマエ出ないの・・・同級生だろ?
なんで30過ぎてそんな事で怒られなきゃいけないんだ・・・
内心そう思いながら、言った。
こんな状態で、同級生の女性に会えると思う?
カコワルイジャン!
その頃、ボクは先が全く見えてなかったときだ・・・。
そう、自分で作り出したこんな状態・・・つまりK子さんと会わなかった事が、後にボクの心に重くのしかかるのだ。
それから数年後、ボクは陶芸家として独立していた。
いつもの飲み仲間。
その中にK子さんのテニス同好会メンバーだった薬剤師Tがいる。
もちろん昔からの仲間だ。
その夜の宴会で、Tは驚くような話をした・・・。
K子さんのことである。
続く

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