中学からの友人で大学進学率県内TOPの高校に進学した男がいた。
彼は二年の時に登校拒否生徒になった。
理由は良くわからない。
勉強のレベルに付いて行けなかった。
映画の世界にのめりこんでいた・・・。
少しノイローゼ気味だった・・・。
いろんな噂が立った。
が、ボクは友人だった。理由なんて別に気にしなかった。
彼の家にしょっちゅう遊びに行っていたし、映画や漫画の共通話題で盛り上がったりした。
ある意味彼が学校に行かずに家にいた方が、こちらも学校をサボった時の行く場所があるので、好都合だった。
なぜなら高校生だからだ。
自分の意思だからね・・・。
無論そうじゃない何らかの意思、環境というものもあるのだろうけれど。
彼はそのまま高校を退学した。その後通信高校に転入、大学まで行くのだから、その高校に行きたくなかったという事なのだろう。
登校拒否をし始めたまだ残暑の厳しい頃の話だ。
担任がやってきたけど、二階の窓から屋根に出て会わなかった・・・。
そんなことを言っていた。
逃げるようなことでもないと思うんだけど。
ある日電話で彼はこんな話をした。
最近寝ているとさ、よく夢を見るんだよ・・・
暗闇の中でみんなが・・・というか誰だか判らないんだけど
大勢で拍手をしてオレを見ている・・・
そんな夢なんだよ・・・
ここ二三日・・・よく眠れなくてさ・・・
げ!ついに何か取り憑りついちまったのか?
大勢の拍手が闇の中から聞こえる・・・。
日曜日に彼の家に遊びに行ってみた・・・。
彼はダイブやつれていた。
続く

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