学校中が青い手一色、M先生の怪談話も交じり騒然となった。
この話は、町中に広がった。
文房具店のおじさんや、駄菓子屋のおばさんまで買い物のボク達に内容を聞きたがった。
そんなある日、学校が終わって家に帰り、インスタントラーメンなどを作って食べていた。
中学に入り、剣道部に入った兄が自転車で帰ってきた。
そんな時間に兄と家にいることの無いボクはこの青い手の話をした。
青い手、見たような気がするんだよね・・・
女は怖がって便所に行けないから休んでいるのもいるし・・・
兄はボクの話しを聞いていた。
何か気が付いたように、部屋に置いて来た学生鞄を持ってきて、目の前で開け始め、あるものを出しながら言った。
コレか?
青い手・・・。
それは青の油粘土で出来た手の彫塑だった。
中学の美術の授業で造るらしい。
そ、それだ・・・青い手!
それは手首まである生々しいものだった。
兄はある人の名前を言った。
○○だな・・・
ボクが気が付いたというか兄に言われたのと同じように、翌日の小学校はその話で持ちきりだった。
その成形された青い手を持って来るやつもいた。
いろんな手の形があるはずだ・・・。
たぶん中学生が投げ入れたんだろうと・・・。
一体誰が・・・?
コレは中学校にまで話が上がり、中学で犯人探しをしたらしい。
朝礼やホームルームで繰り返しその話がなされ、バカな中学生の話とともにこの学校中が騒然とした事件は終了した。
一年の教室で見た青い手。
その裏側の道が近道と書いた。
ボクはその時、中学生が自転車で走り去るのを見たのだ。
その人は、その日に限って兄より早く教室に入り、女教師の死体を見つけたNだった。
兄が言った人間だった。
余談だが、中学でこの青油粘土彫塑の授業はこの年で無くなった。
更に余談だが、拙ブログ「初恋」の中で、自転車小屋で対決寸前となるNは、この弟である。
了。
オチがあって良かったね!笑

0