その歳の
12月の初めに、父が亡くなった。
本物のお御堂で告別式があった。
旧チャペルで生活していたから、父の実家での葬式のために、遺体を運ぶ車に乗ってボクだけ移動したんだな。邪魔になるから・・・。
牛乳瓶をオーバーのポケットに入れていたのは、家に配達されたモノだったんだな・・・。
様々なことが片付き、子供心には、父が消えてしまったことに何の意味も感じていなかった。つまりバカ子供だから、意味が分からなかった。
むしろ、
楽しい時間が過ぎて行ったような気がするのだが、どうだったのか?
母は、教会の手伝いのようなことをしていたのではないだろうか?
当時教会は、シェフとか、受付の人とか、大勢のヒトがいたような記憶があるが・・・。
そうして楽しい通園生活も冬の休みに入ろうとしていた。
そう、
クリスマスである。
しかも教会なのだ。
クリスマスの中心なのである。
そんなある日、幼稚園からいつものように帰って来たボクは遊びに行くべき校庭も持ち合わせず、誰もいない家でボーとしていたのだった。
旧チャペルなので
ステンドグラスもある。
あらためて見回してみると、父の祭壇もある。
そこに午後の光が射し込んで、子供ながらにも荘厳な感じだった。
父の写真がある。
ボクは、何を思ったのか・・・・
続きます・・・

0